大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB」、多店舗オペレーション改革を支援する「Shopらん」、大企業の働き方を変えるビジネスコックピット「InsuiteX」等、クラウドサービスを中心にサービスを提供する株式会社ドリーム・アーツ。
“協創する喜びにあふれる 人と組織と社会の発展に貢献する” というミッションを掲げ、大企業・大組織を変革・支援するSaaS企業として日本企業の現場力化、競争力向上の実現に貢献されています。
2023年10月27日に東京証券取引所グロース市場に上場し、Cultiveでは上場記念パーティーのお手伝いもさせていただきました。若手メンバーも増える中、どのようにしてカルチャーを育まれているのか、社長室 コーポレートマーケティンググループのおふたりにお話を伺いました。代表の意向や想いをいち早く掴み、大きな方針を定める金井さんと、その意図を汲んだ施策を実行する佐藤さんのチームワークにカルチャー浸透の秘訣を感じるインタビューとなりました。
株式会社ドリーム・アーツ:https://www.dreamarts.co.jp/
目次
コーポレートブランディングに取り組むまで
――コーポレートマーケティンググループは、どのようなミッションをお持ちなのですか?
金井:コーポレートマーケティンググループ(以下:CMG)は、立ち上がって3年目になります。3年前に社長室ができ、会社のブランディングにしっかり取り組もう、ということで広報の役割も兼ねてグループが作られました。
代表の山本は、製品だけではなく“ドリーム・アーツ ”(以下: DA)という会社としてのブランドを伝えていくことが大事だということをずっと言っていて、社長直下での様々な要望を受け取り、推進していくという感じです。
目標設定にはOKRを採用しているのですが、「ドリーム・アーツのコーポレートブランドを確立する」というのが私たちのObjectives(目指す状況)になります。
――金井さんは、ずっとコーポレートブランディングに関わられているのですか?
金井さん:7〜8年前にコーポレートブランディング担当として入社したのですが、会社として製品に力を入れていくという方針になり、入社直後2年程度は製品のマーケティングや発信に関わっていました。3年前にまたCMGが立ち上がった時は、改めてコーポレートブランディングに取り組めると、嬉しかったことを覚えています。
――佐藤さんはいかがですか?
佐藤さん:2012年に新卒で入社をして、12年になります。最初は製品サポート、その後マーケティングに関わり、事例作りや、イベントの企画運営、SEOマーケティング関連から広報までを経験して、今はCMGに配属となっています。
――CMGが発足して、取り組み始めたことや注力していることをお伺いできますか。
金井さん:最初の頃は、何から手をつけて良いのか、というところから始まったのですが、色々なことに取り組みました。広報に力を入れるべくメディアとの関係性を作り直したり、コーポレートサイトの刷新をしたり。
佐藤さん:内部のデザインから惨み出るブランディングというのも重視していたので、そういった体制を整えたりもしましたね。
金井さん:上場の話が出てきてからは、IRサイトを作ったり。とにかく“コーポレート”という言葉がつくプロジェクトはなんでも呼ばれるという感じで、結構何でも屋ではありますね(笑)
佐藤さん:あとは、未来通信という社内報の再立ち上げですね。
カルチャー浸透に重要な役割を担う社内報
ーー社内報はいつから取り組まれているのですか?
佐藤さん: 1年前ですね。2017年6月から2021年2月まで社内報「未来通信」があったのですが休刊していたので、「新・未来通信」としてCMGと人事部門と協力して再び立ち上げた形になります。更新頻度は、今は週1ペースで、1回につき4本ぐらい。コロナ禍では特に社内の様々な情報を共有できるような場が必要だと思って取り組んでいます。
――週に4本も!すごいですね!
佐藤さん: ドリーム・アーツは、お客様のことを「お客さん」と呼んだり、色々なカルチャーがあるんですけど、そういったカルチャーの背景を、私は長くいるので染み付いていますが、新しく入社した人もそれをすぐキャッチアップできるようなそんな仕組みが社内報でもあると思っています。
その他にも、略語であったり社内にしか分からない社内用語が多いんですよね。
コーポレートマーケもCMGだったり、いろいろな略語があるんです。一見すると山本が略語好きなのかな?と見られたりするのですが、そういうことではないんです。用語とそれが指す概念や定義、言葉の意味を整理して揃えるためにしています。例えば、「木」という言葉(文字や音声)に対して、人が思い浮かべるイメージやその言葉が指し示す概念や定義はその人によって異なりますよね。お互いに使っている言葉の指す意味が揃っていないと、コミュニケーションのスピードが遅くなるだけでなく、前に進めなくなってしまいます。だからこそ、あえて略語を作って、誤解や混乱を避けるよう社内の認識を統一しています。
社内報に付随して、 DA用語の辞書みたいなものも作っています。
――社内報には、その他にどんなコンテンツがあるのですか?
佐藤さん:コーナーがいくつかあるのですが、一つは「協創記事」というもので、部署の紹介や、山本の言葉を体現するような濃い内容の記事になります。
「かがやくDAシャイン」というコーナーでは、現場のメンバーに自己紹介を書いてもらっています。10個ほどある質問の中から、いくつか選んで自由に書くという内容です。質問内容は、プロフィール、経歴、自分の業務内容やDAの好きなところ、マイブームなど。必ず次の人を指名するリレー形式でやっています。
あとは、「教えてリーダー」というコーナーもあります。各リーダー達に書いてもらうのですが、こちらもいくつかある質問に回答してもらう形式です。質問内容は、目指す姿など、現場メンバーの自己紹介とは異なる質問を用意しています。役員陣は社員の前で話す機会が多いので、メンバーもその考えに触れる機会も多い。でも、本部長以下のリーダーはそういった機会がなかなか無いんですよね。現場からも、リーダーの人となりや、何を考えているかもっと知りたいという声があり、このコーナーを始めました。結構コメントがついて、良い場になっていると感じています。
その他、「イベントレポート」や、「今週のお花」といったものもあります。
――今週のお花?!どんなコーナーなのですか?
佐藤さん:オフィスに飾っているお花を、毎週金曜日に希望者に持って帰ってもらっているんです。月曜日に回収されてしまうので、それだったらお裾分けするのでお家で飾ってね、ということで、今週のお花を紹介しています。
――素敵な文化ですね!こういうところにもDAらしさが滲み出ているように感じます。
佐藤さん:その他には、メンバー同士で食事にいった際に美味しかったお店を拠点ごとに紹介する「推しメシ」や、代表の山本の言葉の「Taka’s Room」など。
他にも本部の紹介や今週の一枚、新入社員の紹介。拠点の最新トピックとか。あとは部活動のレポートもありますね。私はサバゲー部なんですけど、若手からベテランまで、結構多くのメンバーが参加しています。その他にも、テニス部やバスケ部などいくつかの部活があります。
――部活動は誰が旗振り役になっているのですか?
佐藤さん:やりたい人が各自で申請する制度になっています。ある程度人数が集まれば申請できて、部費も会社から補助が出ています。
――幅広く社内にある出来事を網羅していることを思うと、新・未来通信(社内報)が担っている役割はとても大きいですね。
金井さん:大きいと思います。みんな見てくれていて、PVも高いんですよね。少し下がってきたなというタイミングで山本の記事を投稿すると、必ずみんな見るので、全然衰えないです。
佐藤さん:毎回70%以上が読んでくれていて、1度閲覧したことがある、というカウントだと100%ですね。社外取締役や契約社員の方も見られるようにしているのですが、ゆくゆくは社員のご家族にも見せられるようなものにできると良いなと思っています。
――普段は聞けないリーダーの声を取り上げる。部活動など社内にあるコンテンツを拾い上げる。CMGが中心となってそれらを社内報に集約して発信することで、より一層色濃くカルチャーとして根付くのだと感じました。
社内メンバーの分布に合わせた
カルチャー浸透施策の要点とは
――部活動のお話にもありましたが、若手の方も多いですよね。
金井さん:本当にここ数年で、20代が増えています。若手がどんどん入って来ているので、これから企業として伸びて行くぞ、というエネルギーを感じてもらいたい、信頼感の中にもフレッシュ感を出して行きたいと思っています。
――社内メンバーの年齢層や分布が今までと変わってきて、インナーブランディングやカルチャー施策の観点でおふたりが意識していることはありますか?
佐藤さん:社内報の中で何を取り上げるのか、ということは意識しています。社内にはプレスリリースなどで表に出せるプロジェクトと、表に出せないプロジェクトがあるので、陰で頑張っているメンバーやその過程にもちゃんとフィーチャーするということは心がけていますね。
金井さん :取り上げる人たちの選別はあまり偏りすぎないようにしたいなと思っていますね。若手、ベテラン、経営者層をバランスよく取り上げています。若手が増えてきてフレッシュさも大切にしていますが、やはりベテランにはベテランのノウハウが詰まっているのでちゃんと背中見とけ、みたいな(笑)。そういうところも含めて、お互い良い刺激になればいいなという気持ちは持っています。
――この前お手伝いさせていただいたイベントでも、ベテランと若手の方の距離感のようなものを全く感じませんでした。違う世代が同じ目標に向かって一緒に進んでいく雰囲気作りのために、社内で意識されていることや施策はありますか?
金井さん:その辺は山本が、 “フランクコミュニケーション” でいこう、と言っています。例えば、「お客様」ではなく、「お客さん」という言葉を使う。
それは社内でも一緒で、年上の先輩だからといって変にへりくだって謙譲語を使うと、それだけで壁ができてしまいますよね。細かい言い回しでも山本が指摘するんです。例えば、「(社内の人に対して)〜〜していただきました。」ではなく、「〜〜してもらいました」だよね、というように。そうすると、リーダー陣もその感覚が浸透して自分のチームメンバーにも同じように言う。そういうことが少しずつ定着し、今のフラットな雰囲気が作られたように感じます。
トップと現場を繋ぐ役割を担うCMG
――代表の山本さんが、価値基準や判断軸を明確に示されていて、存在としても大きい部分があると思うんですが、インナーブランディングやカルチャーの施策として具体的にトップダウンで指示されているということではないのですね。
金井:そうですね。具体的な指示というより、方向性を示されている、と思っています。
このフランクミュニケーションが始まったのも、大手メーカーや銀行からの転職者が多くなったことがきっかけでした。そういったバックグラウンドの方は、とても丁寧な言葉遣いなんです。もちろんそれは素晴らしいことではあるのですが、山本は社内のコミュニケーションを見て、 “フランクさも忘れてはいけないぞ” と感じたらしいんですね。それで、大々的に打ち出したんです。
でも、フランクにコミュニケーションをとろう、というだけでは、意図が伝わらない。
だから私たちは、社内報の中でなぜフランクコミュニケーションが必要なのかということを丁寧に伝えました。
背景をしっかり腹落ちさせないと、ただの砕けた言葉遣いになってしまう。
丁寧すぎることで垣根ができてしまい、逆に慇懃無礼にもなり得る。だからこそのフランクコミュニケーションだということを、山本の言葉で説明してもらっています。方針を示すだけではなく、その背景にある意図を説明してね!と山本に伝えて書いてもらいました(笑)。
――CMGの役割は、とても重要ですよね。山本さんと社員の皆さんの間をつなぐ役割を自然とお二人が担っているというのが、カルチャー浸透の鍵になっていると感じました。
金井さん:そうですね。私達の役割として、山本の言葉を誤解のないようにしっかり現場に届ける、ということをしなければならないと思っています。代表の言葉なので強く見えてしまうし、山本さんが言っているから従わないと、となりがちですが、それでは良くないですよね。そう言っている理由を、きちんと噛み砕いて現場に伝える。やっぱり経営者と現場は目線が全然違うので、そこは取り持ってブレークダウンしないといけない。これは意識してやっていますね。
――山本さんが直接伝えるべきところは伝え、お2人が代弁者となって語るべきところを語る、というこのバランスがあるからこそ価値基準や判断軸がカルチャーとして保たれていくんですね。
――そのためには、山本さんとCMGチームとの信頼関係が肝になると思うのですが、どのようにそのご関係を築かれたのですか?
金井さん:佐藤は新卒で入って、広報として山本のそばにいたことも多いので、お互い大体言っていることは分かるよね(笑)。
私自身は、この会社に入ったのは、山本が語るミッションやビジョン、バリューが大好きで、感動したことがきっかけなんです。
入社して最初の1ヶ月、山本とよく話をしたことを覚えています。
山本の考えは、その時代時代に合わせて変わりますし、やってみてこれはまずい、と思ったときには敢えてニュアンスを少し変えることもある。そういった少しの変化も逃がさないように、ということは常に思っています。あれ?と感じる時は、できる限りコミュニケーションを取りに行っています。そういう場には佐藤も必ず一緒に参加し、具体的な施策まで話し合いますね。
DAワールドを広げていくために
より色濃くカルチャーの確立を
――今後、コーポレートブランディングの観点で、力を入れていきたいところや取り組んでみたい施策があればぜひ教えてください。
佐藤さん:まだブランディングに課題があると感じているので、社員1人ひとりが会社の顔という意識を持ってもらえるような施策を強化していきたいなと思っています。
金井さん:今年からパートナー施策を始めるんです。ここ数年はほとんど自社直販だったのですが、心配な点としては、私達の会社の文化を知らない状態の方たちが、私達の製品を販売していく、というところです。
そうしたときに、違う形で私達のブランディングが独り歩きすることもあり得るので、もう少しDAとしてのブランドを強固に確立させないといけないと思っています。今は何となくこういう文化だよね、という暗黙知的なところも多い。佐藤も言っていたように、社員一人ひとりが DAのブランディングで、そこから伝播していく、ということをもっと自覚できるようにしないといけない。そのために必要なものがあれば作りますし、今の暗黙知をもう少し明確にした方が良いかな、というのは思っているところですね。
DAワールドが広がっていく時に、DAのカルチャーが薄まってはいけないなと。きちんとDAというブランドを世の中に見せていきたいな、と考えています。
――熱意のあるおふたりだからこそ、トップと現場を繋げる役割を担うことができ、カルチャー浸透に大きく寄与されているのだと感じました。本日はありがとうございました!
株式会社ドリーム・アーツ
社長室 コーポレートマーケティンググループ / 金井 優子(かない ゆうこ)さん
IT業界で経験を重ねられた後、ドリーム・アーツの理念に惚れ入社。コーポレートブランディングに挑戦されている。
社長室 コーポレートマーケティンググループ / 佐藤 万智(さとう まち)さん
2012年 新卒でドリーム・アーツに入社。製品サポート、マーケティング、広報などを経験され、現在はCMグループに所属。
Cultive
Cultiveは幸せに働ける良質な企業文化を醸成することで、企業成長をサポートするために生まれたサービスです。経営者の想いを表した理念策定、理念を込めたグッズ制作、表彰イベントの設計などを行い、企業文化の醸成をサポートしています。
この記事を書いた人
小名木 直子
Producer
オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。
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