こんにちは!「人と企業を幸せにする文化づくり」をサポートしているCultive(カルティブ)です!
組織の未来を描くビジョンステートメントの作り方について、悩んでいる方はいませんか?
本記事では、ビジョンステートメントの意味や効果、作り方、そして具体例をわかりやすく解説します。組織の理想像を明確にし、メンバーのモチベーション向上につなげるヒントが見つかるかもしれません。
目次
ビジョンステートメントとは?
ビジョンステートメントとは、組織や企業が長期的に目指す理想的な未来像や目的を簡潔に表現したものです。ビジョンステートメントの目的は、組織の方向性を明確にし、全てのメンバーや関係者に共通の目標を提供する重要な役割を果たすことです。
また、お客様、投資家、取引先などの外部ステークホルダーに対しても、組織の志や根本的な価値観を伝える有効なツールとなる場合があります。適切に策定されたビジョンステートメントは、日々の業務から大きな戦略的決定まで、組織全体の行動指針となり、一貫性のある組織運営の一助となるでしょう。
ミッションステートメントとの違い
ビジョンステートメントとミッションステートメントは、組織の方向性を示す重要な文書ですが、その性質に違いがあります。ビジョンは将来的な理想像を描き、ミッションは現在の使命を表します。
また、ビジョンは理想主義的で抽象的な表現を用いますが、ミッションはより具体的で現実的です。これらの違いを理解し活用することで、組織は短期的なミッションと長期的なビジョンを効果的に結びつけ、持続的な成長をもたらします。
ビジョンステートメントを作成するメリット
ビジョンステートメントを作成することで、組織にはさまざまなメリットが期待できます。
主な効果として、以下の3点が挙げられます。
個人目標を設定する際に指標となる
ビジョンステートメントは、メンバーが個人の目標を設定する際の重要な指標となる場合があります。組織の理想像が明確になることで、各メンバーがその実現に向けてどのような役割を果たせるか、具体的なキャリア目標の設定に役立ちます。
例えば、「世界中の人々の健康を支える」というビジョンを掲げる製薬会社であれば、研究開発部門のメンバーは新薬の開発に注力し、営業部門のメンバーは医療機関との関係構築に励むなど、それぞれの立場で目標設定ができるでしょう。
メンバーのモチベーション向上が見込める
魅力的なビジョンステートメントは、メンバーのモチベーション向上に大きく寄与することがあります。組織の目指す姿に共感できれば、日々の業務に意義を見出しやすくなり、自己実現への意欲も高まる可能性があります。
また、困難な状況に直面した際も、ビジョンを思い出すことで前向きな姿勢を維持しやすくなる場合もあるでしょう。メンバーひとり一人のモチベーションが高まれば、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。
組織文化の構築に役立つ
ビジョンステートメントは、組織文化の構築にも重要な役割を果たします。理想とする文化や価値観を明確に示すことで、メンバーの行動指針となり、組織の強化と一体感の醸成を促進することが期待できます。
例えば、「持続可能な社会の実現」をビジョンに掲げる企業であれば、環境への配慮や社会貢献活動が自然と組織文化として根付いていくでしょう。新入メンバーの教育や日々の意思決定においても、ビジョンを基準とすることで一貫性のある選択を促せる可能性があります。
ビジョンステートメントの作り方
効果的なビジョンステートメントを作成するには、以下の4つのステップを踏むことが重要です。
設立・創業について振り返る
ビジョンステートメントの作成は、組織の根幹を見つめ直す貴重な機会になります。この過程で、組織の原点である設立や創業時の状況を深く掘り下げることが重要です。創業者たちが抱いていた熱意、そして乗り越えてきた困難を掘り下げていくことで、組織の本質的な存在意義が浮かび上がってくるでしょう。
例えば、創業時のエピソードや、組織が歩んできた歴史的な転換点を洗い出してみることも大切です。それらの出来事がどのような影響を及ぼし、現在の組織文化や価値観の形成にどう寄与したかを分析することができます。また、創業者や初期メンバーへのインタビューを行い、当時の思いや理念を直接聞いても良いかもしれません。
この振り返りのプロセスを通じて、組織の核となる価値観や、社会に対して果たすべき役割が明確になってくるはずです。それらの要素は、未来を見据えたビジョンステートメントの基盤となり、組織の一貫性と独自性を強化する重要な役割を果たすでしょう。
VMVと合わせて考える
ビジョンステートメントは単独で存在するものではありません。ミッションやバリューと密接に関連し、これらを総称してVMV(Vision、Mission、Values)と呼びます。ビジョンを構築する際は、このVMV全体の整合性を考慮して検討することが大切です。
ビジョンは組織の長期的な目標や理想像を示すものですが、それはミッション(現在の使命や存在意義)やバリュー(組織の価値観や行動指針)と矛盾してはなりません。例えば、環境保護をバリューとして掲げる企業が、環境への配慮を無視した成長をビジョンに描くのは適切ではないでしょう。
VMVの整合性を保つためには、以下のポイントを押さえることで、VMVの整合性を保ちつつ、組織の目標達成に向けた効果的な指針を提供することができる可能性があります。
- 定期的な見直し: 組織の成長や環境の変化に応じて、VMVを定期的に見直し、必要に応じてアップデートを行います。
- 全メンバーへの浸透: VMVを全メンバーに共有し、メンバーはVMVを日々の業務に反映します。
- 具体的な行動計画の策定: ビジョンを単なる理想に終わらせず、実現するための具体的な行動計画を策定し実行します。
未来を想像して話し合う
ビジョンステートメントの核心は、組織の理想とする未来像を想像することも大切です。この未来像を魅力的なものにするためには、多様な視点を取り入れることが有効となります。経営層だけでなく、さまざまな部門や階層のメンバーを巻き込んだ対話の場を設けると良いでしょう。
- ワークショップの開催:「10年後、私たちの組織はどうなっていたいか」「社会にどのような価値を提供していたいか」といったテーマでグループディスカッションを行います。部門や役職の垣根を越えた自由な対話を促進し、斬新なアイデアの創出を目指します。
- ステークホルダーインタビュー:お客様、取引先、地域社会など、外部のステークホルダーの声を聞き、彼らが組織に期待する未来像を把握します。これにより、社会のニーズに即したビジョンの策定が可能になります。
- デザイン思考の活用:将来的を見据えたユーザーエクスペリエンスや社会課題の解決方法をビジュアル化するなど、創造的な手法を用いて未来像を具体化します。
これらの活動を通じて得られた多様な意見やアイデアを集約し、組織の強みや独自性と照らし合わせながら、魅力的で実現可能なビジョンの骨子を作っていきます。
候補を絞って言葉を整える
話し合いを通じて出てきたアイデアから、ビジョンステートメントの候補をいくつか選び出します。それぞれの候補について、以下のような観点から検討してみましょう。
- 簡潔で分かりやすい表現になっているか
- インパクトがあり、記憶に残りやすいか
- 組織の独自性が表現できているか
- メンバーや関係者の共感を得られそうか
最終的に1つのステートメントに絞り込み、言葉の選択や表現をブラッシュアップしていきます。必要に応じて専門家のアドバイスを受けるのも良いかもしれません。
印象的なビジョンステートメントの具体例3選
ここでは、印象的なビジョンステートメントの具体例を3つ紹介します。それぞれの特徴や評価すべき点にも注目してみましょう。
- イオングループ
- NIKE
- 農林水産省
イオングループ
イオングループのビジョンステートメントは、「笑顔が咲く未来のくらしを創造する」です。
このビジョンステートメントの評価すべき点は、短い文章で理解しやすく、「笑顔が咲く」という表現が明るい未来を想起させています。
また、「くらし」に焦点を当て、お客様の日常生活への貢献を示していることや、「創造する」という言葉で、革新的な姿勢を表現しています。このビジョンは、小売業を超えた幅広い事業展開を示唆しつつ、お客様の幸せを中心に据えた企業の方向性を明確に表現しています。
NIKE
NIKEのビジョンステートメントは、「Bring inspiration and innovation to every athlete in the world,If you have a body, you are an athlete」(和訳:世界中のすべてのアスリートにインスピレーションとイノベーションをもたらす。体ひとつあれば、誰もがアスリートだ)です。
このビジョンステートメントの評価すべき点は、シンプルながら力強いメッセージ性があることや、「アスリート」の定義を広げることで、包括的な姿勢を示しています。また、「インスピレーション」と「イノベーション」という、ブランドの核となる価値観を明確に表しています。
農林水産省
農林水産省のビジョンステートメントは、「わたしたち農林水産省は、生命を支える「食」と安心して暮らせる「環境」を未来の子どもたちに継承していくことを使命として、常に国民の期待を正面から受け止め時代の変化を見通して政策を提案し、その実現に向けて全力で行動します。」です。
このビジョンステートメントの評価すべき点は、国民の生活に直接関わる「食」と「環境」を強調していることです。「生命を支える『食』」は農業や水産業を通じて国民の健康を守る役割を示し、「安心して暮らせる『環境』」は環境保護の重要性を強調しています。
また、「未来の子どもたちに継承していく」という表現は、次世代への責任を明確に示しています。
さらに、「常に国民の期待を正面から受け止め」という部分は、国民との信頼関係を重視し、「時代の変化を見通して政策を提案し、その実現に向けて全力で行動します。」という部分では、変化に対応し積極的に政策を進める姿勢が表現されています。
まとめ
ビジョンステートメントは、組織の理想像を示す重要なツールです。個人目標の設定、モチベーション向上、組織文化の構築など、さまざまな効果が期待できます。ステートメントの作成にあたっては、組織の原点を振り返り、理想の未来を想像して話し合うことが大切です。
また、Cultiveではビジョンステートメントの検討から立案までのサポートをしております。
企業の歴史や文化を深く理解し、メンバーのエンゲージメントに繫がるようなオリジナリティ溢れるステートメントをご提案しますので、ご検討中の方はぜひお問い合わせください。
この記事を書いた人
小名木 直子
Producer
オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。
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