全社会議とは?
全社会議は、企業が全社員を対象に定期的に行う大規模な会議です。
主な目的は、会社の成果や方針、これからの達成目標を共有して、社員と会社との一体感を育むことにあります。
経営層から直接メッセージを伝える場でもあり、社員のエンゲージメントやモチベーション向上にも繋がる大切な機会となっています。
社員総会と呼ばれることもありますが、具体的な開催方法を知りたい方は次の記事を参考にしてください。
全社会議を実施する目的
全社会議を実施する目的の一つは、会社の方針や目標、達成状況を全社員に共有し、企業活動の透明性を高めることにあります。
これにより社員が会社の方向性を理解し、自分の役割や貢献の意義をより明確にして、業務へのモチベーションにつなげる目的があります。
また、全社会議は、経営層と社員のコミュニケーションが深まる機会でもあり、組織全体の一体感を育む場としても機能します。
特に、会社のビジョンやミッション、大切な価値観などを伝えることで、社員の共感とエンゲージメントを高められる大切な場でもあります。
こうした活動を通じて、会社全体が同じ目標達成に向かっていく気運を高めることが全社会議の目的です。
キックオフとの違い
キックオフ会議と全社会議には、それぞれ異なる目的と役割があります。
ただし、年度の節目に行う全社会議を「キックオフイベント」と呼ぶ企業もあるため、ここでは新規プロジェクトの発足に行われるキックオフとの違いを解説いたします。
新しいプロジェクトや特定の取り組みの始まりに開かれるキックオフは、プロジェクトの方針や目標を関係者に共有することを目的としています。この会議は、プロジェクトの関係者を召集し、比較的少人数で行われることが多くなっています。
一方、全社会議は、企業全体の状況や方針を全社員に伝えることを目的としています。社員の全員が会社の大きな方向性を理解し、その目標達成のために一体となることを目的としています。
つまり、一般的なキックオフ会議が特定のプロジェクトを対象としたもので、全社会議は社内全体を対象としています。
その規模に応じてメッセージやコンテンツの内容にも違いが出てきます。
一般的な全社会議の流れ・内容
全社会議の流れは以下のような内容が一般的です。
この流れは企業によって異なり、全社会議の主旨や文化に応じてカスタマイズされる例が多くあります。
- 開会の挨拶
- 業績報告
- 事業計画の共有
- 各部門からの報告
- 特別なプロジェクトや取り組みの紹介
- Q&Aセッション
- 経営層からのメッセージ
はじめに、経営層から開会の挨拶があり、会議の重要性や目的が共有されます。
続いて、業績報告が行われ、財務状況や主要な指標について説明されます。これにより、社員は会社の現状を理解しやすくなります。
次に、今後の事業計画の共有が行われ、会社の方針や目標が明確に伝えられます。
これにより、社員は自分の役割や貢献の方向性を再確認します。
続いて、各部門からの活動報告が行われ、他部門の成果や課題を共有することで、組織全体の一体感が強まります。
さらに、特別なプロジェクトや新規事業の紹介が行われ、会社の新たな挑戦が紹介されます。
その後、Q&Aセッションが設けられ、社員からの質問に経営層が直接答えることもあります。
最後に、経営層からのメッセージで会議が締めくくられ、全社会議全体の総括や今後の期待が伝えられます。
企業によってはここに表彰式を取り入れたり、交流の時間を加えることもあります。
一般的なプログラム例を参考に、自社の文化に即したプログラムを考案してみましょう。
全社会議をおこなう5つのメリット
全社会議を行うことで、企業にはさまざまなメリットがあります。
主なものとして、以下の5点が挙げられます。
- 企業方針や熱意を全メンバーに共有できる
- 一人ひとりの意見や考えが聞ける
- 全員が社内状況を把握できる
- 離職率の低下が見込める
- インナーブランディングの強化に繋がる
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
企業方針や熱意を全メンバーに共有できる
全社会議は、企業の方針や経営層の熱意を全メンバーに直接伝える重要な機会です。
これにより、会社が目指している未来を社員が再認識し、高い共感をもって仕事に取り組んでいくきっかけにもなります。
このように、全社員に対して統一されたメッセージを伝えるという機会は、日常の中では限られます。
定例の朝会などはあっても、時間も限られていて、社員も業務のことなどが頭にあり、お互いに集中しづらかったりします。
「みんなが同じ場所に集まり、同じ話を聞くための時間」という機会を持てること自体が、全社会議の意義といってもいいかもしれません。
一人ひとりの意見や考えが聞ける
全社会議では、さまざまな社員が発言する機会を与えられます。
経営層はもちろんですが、各部署の報告や新規事業の発表などではそれぞれの担当者が前に立って話します。
こういった他部署のメンバーの考えや想いを聞く機会も、普段の業務の中では限られてきます。
また、質疑応答などの時間を設ければ他の社員が発言する機会も作れます。
会社の方針や未来に対して、さまざまな立場の社員が語り、他のメンバーがそれを聞いて個々人の想いや考えを深められるということも、全社会議が持つ効果の一つです。
全員が社内状況を把握できる
全社会議を通じて、全社員が企業活動の全体像や他部署の状況を理解する機会が得られます。
他部署と自身の業務との関連性がより明確になることで、当事者意識が上がり、部署間の連携が円滑になることも期待できます。
また、経営層の考えを明確に伝えることで、組織の透明性を高め、会社と社員の信頼関係を強化していくことにもつながります。
離職率の低下が見込める
全社会議を通じて、社員が当事者意識や帰属意識を強く持つことで、離職率の低下も見込めます。
方針やビジョンを共有することは、社員の共感を高め、会社が目指している未来のために頑張ろうというモチベーションにつながります。
また、他の社員の想いに触れることでエンゲージメントが高まり、結果的に組織全体の一体感が強くなるきっかけにもなります。
インナーブランディングの強化に繋がる
全社会議を通じて企業文化や価値観が内部に浸透し、インナーブランディングの効果も持たせることができます。
経営層から直接伝えられる企業理念や価値観は、メンバーの心に強く残ります。
また、表彰式などを加えることで、定性的な成果だけはない「理念を体現した行動」を称えることもできます。
これは他の社員の印象に強く残り、自らが体現行動を取るときのモデルとして機能します。
さらに、全メンバーが同じメッセージを共有することで、企業文化の統一感が生まれ、ブランドの一貫性が強化される可能性があります。
これにより、一人ひとりの行動がブランディングの役割を持ち、対外的なブランド価値の向上にも寄与することが期待できます。
全社会議を成功させるためのポイント
全社会議を効果的に実施するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
主なものとして、以下の3点が挙げられます。
- 必要以上に圧迫感を出さない
- アジェンダの用意や役割分担を忘れない
- メンバーに対して労いや感謝を伝える
全社会議を検討中の方の、企画のヒントになるかもしれません。
必要以上に圧迫感を出さない
全社会議は社内の全員が集まる大事な時間ですが、だからと言って必要以上に重苦しい時間にしてしまうことは逆効果です。
みんなで会社について考え、未来のイメージを育むためのポジティブな場になるように開催準備を進めましょう。
開会挨拶で和ませたり、メンバーからの質問を歓迎するムードを作ることで、社員の参加度も高くなるでしょう。
アジェンダの用意や役割分担を忘れない
会議の進行をスムーズにするためにアジェンダを用意し、役割分担を明確にすることが重要です。
特に、イベントレポートは振り返りに重要な役割を果たします。
事前に詳細なアジェンダを準備し、各セッションの時間配分や担当者を明確にすることで、会議の効率性が高まる可能性があります。
また、議事録の作成者や質問の取りまとめ役など、会議運営に必要な役割を事前に決めておくことで、円滑な進行が期待できるかもしれません。
メンバーに対して労いや感謝を伝える
全社会議はメンバーが一堂に会する貴重な機会であるため、社員の努力を評価し、感謝の意を表明することでモチベーションを高める効果が期待できます。
例えば、特に優れた成果を上げた個人やチームを表彰したり、全体的な業績向上に対する感謝の言葉を述べたりすることで、メンバーの貢献が認められていることを実感してもらいやすくなります。こうした取り組みは、社員のモチベーション向上や企業への帰属意識の強化にもつながります。
全社会議を実施するうえでの注意点
全社会議を効果的に実施するためには、いくつかの注意点があります。
主なものとして、以下の3点が挙げられます。
- 全員が発言・質問しやすい環境を作る
- メンバーごとの理解度の差を考慮した説明をおこなう
- メンバー目線でネガティブな着地にならないようにする
全員が発言・質問しやすい環境を作る
全社会議では、全ての参加者が発言や質問をしやすい環境を作ることが重要です。
これにより、双方向のコミュニケーションが促進され、より活発な議論や情報共有ができる可能性があります。
例えば、質問用のボードを配布したり、匿名でのオンライン質問システムを導入したりすることで、発言に抵抗を感じる社員も意見を表明しやすくなるでしょう。また、事前にアンケートを実施して質問や意見を集め、それらを会議中に取り上げることも効果的かもしれません。
メンバーごとの理解度の差を考慮した説明をおこなう
全社会議の参加者は、事業や各プロジェクトへの理解度が異なる可能性があります。
そのため、各担当者が事業の存在や意義、課題など含めて基礎的な部分から説明することも必要かもしれません。
特に、新入社員や他部門のメンバーにとっては、専門用語や略語が理解できない場合があります。そのため、説明の際には用語の解説を加えたり、図表を活用したりするなど、わかりやすい表現を心がけることが重要です。また、質問の時間も十分に設けて、理解が不十分な点を補完できるようにしましょう。
メンバー目線でネガティブな着地にならないようにする
全社会議が「怖い雰囲気だった」などネガティブな印象で終わると、社員の企業に対する気持ちが離れてしまうことがあります。
そのため、会議の流れや内容をメンバー目線で考え、ポジティブな印象で締めくくることが重要です。
例えば、厳しい報告をする場合には、今後の改善策や希望的な展望を示すことで、前向きな気持ちを持ってもらえる可能性があります。
また、会議の最後に参加者全員で成功を祝う時間を設けたり、今後の目標に向けて一致団結する場面を作ったりすることで、ポジティブな雰囲気で会議を終えることが大切です。
全社会議をオンラインで開催する際のポイント
リモートワークの普及により、全社会議をオンラインで開催する機会が増えていると思います。
効果的なオンライン会議の実現には、以下のポイントが重要です。
事前準備と技術面の配慮
安定した通信環境の確保や適切なオンライン会議ツールの選択、事前テストの実施が不可欠です。
また、参加者のタイムゾーンを考慮した開催時間の設定や、休憩時間の確保、参加方法の明確な説明も重要です。
インタラクティブ性と視覚的要素の強化
オンライン投票機能やチャット機能、ブレイクアウトルームの活用により、参加者の積極的な関与を促すことができます。
また、見やすいプレゼンテーション資料の作成や適切な画面共有、バーチャル背景の活用など、視覚的要素の強化も重要です。
フォローアップの実施
会議の録画提供、フィードバックの収集、フォローアップ資料の配布により、参加者の理解を深め、会議の効果を最大化できます。
これらのポイントを意識することで、オンライン全社会議は対面での会議に劣らない効果を得られる可能性があります。
地理的な制約を超えた参加など、オンラインならではのメリットもあります。技術的な課題を克服し、参加者の積極的な関与を促すことで、効果的なオンライン全社会議を実現できるでしょう。
一体感を高める文化づくりはCultiveに!
全社会議は、企業の方針共有や従業員のモチベーション向上、組織の一体感醸成など、多くの効果が期待できる重要な機会です。
成功のカギは、参加者全員が気軽に発言できる環境づくりや、わかりやすい説明、ポジティブな雰囲気作りなどにあります。
これらのポイントを参考に、より効果的な全社会議の開催にぜひ挑戦してみてください。
また、Cultiveでは全社総会やアワードなどの大規模イベントをはじめとして、組織の一体感が醸成される文化づくりをサポートしています。
全社的なサーベイを通して企業の課題を可視化し、アプローチできる施策を共に考えてまいります。
目には見えづらい企業の“らしさ”を抽出し、メンバーの行動に現れることで企業成長に欠かせない“強み”となるー。
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