ワークショップとセミナーそれぞれの特徴
まず、ワークショップとセミナーがそれぞれどのような研修形式なのかを確認しておきましょう。以下で詳しく解説していきます。
- ワークショップとは参加型・体験型の学習プログラム
- セミナーとは講義型の学習プログラム
ワークショップとは参加型・体験型の学習プログラム
ワークショップとは、参加者が主体となって能動的に取り組む体験型の学習プログラムのことです。「講師が教える」のではなく「参加者が学び合う」という双方向のやり取りが最大の特徴で、グループワークやディスカッションを通じて気づきや学びを得る形式となっています。
進行はファシリテーターがサポートする役割を果たし、参加者全員が積極的に意見や発見を出し合う雰囲気づくりが重要です。このような体験を通じた学びにより、知識の習得だけでなく実践的なスキルや深い理解にもつながりやすい形式です。
チームビルディングにも効果が期待できるため、企業の研修プログラムの一つとして広く活用されています。
セミナーとは講義型の学習プログラム
セミナーとは、講師や専門家が知識や情報を体系的に伝達する講義型の学習プログラムのことです。「seminar」はゼミナールを語源とており、「専門家から学ぶ」という受信型の学習スタイルが中心となっています。
参加者は基本的に講義を聴く受動的な姿勢で、ワークショップのような共同作業や議論には行いません。
ただし、質疑応答の時間を設けることで参加者側からの疑問に対応することが多いです。短時間で多くの情報を効率的に伝えられる点が強みで、大勢の参加者にも対応しやすい形式として企業の社内研修や知識共有の場としても広く用いられています。
特に専門性や正確性が求められる内容には適した学習スタイルとなっています。
5つのポイントで比較するワークショップとセミナーの違い
ワークショップとセミナーの違いは、以下の5つのポイントで整理できます。どちらが優れているというよりも、目的や状況に応じて使い分けることが重要です。
| ポイント | ワークショップ | セミナー |
|---|---|---|
| ①参加スタイル | 参加者が能動的に取り組む | 講師の話を聴く(受動的) |
| ②目的 | 気づき・実践・創造 | 知識・情報・理論の習得 |
| ③進行方法 | ファシリテーターがサポート、参加者が主役 | 講師が主役、参加者は聴き手 |
| ④期待される効果 | 体験を通じた深い学び・チーム力向上 | 短時間での効率的な知識習得 |
| ⑤適した人数 | グループワーク形式なので少人数が理想的 | 大人数でも実施可能 |
- ①参加スタイルの違いとして、ワークショップでは参加者同士が協働する一方、セミナーでは講師の話を聴く受動的な姿勢が中心です。
- ②目的の違いとして、ワークショップは「気づき」や「実践」「創造」を重視する一方、セミナーは「知識」や「理論」の習得を重視します。
- ③進行方法では、ワークショップにおいてファシリテーターが進行サポートの立場で参加者が主役であるのに対し、セミナーでは講師が主役となっています。
- ④効果では、ワークショップが体験を通じた深い学びに強みを持つのに対し、セミナーは短時間での効率的な知識習得に優れています。
- ⑤人数では、ワークショップは少人数が理想的で、セミナーは大人数でも実施可能で、コスト効率も高いとされています。
この違いを理解することで、自社の狙いに沿った効果を得ることができるでしょう。
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ワークショップを実施するメリット・デメリット
続いて、ワークショップを企業で導入する際のメリットと、注意すべきデメリットについて見ていきましょう。デメリットは対策とともに解説しますので、導入検討の際の参考になっていただければと思います。
- 企業がワークショップを導入する5つのメリット
- ワークショップ導入時の3つのデメリットと対策
- ワークショップが効果的な研修テーマ
企業がワークショップを導入する5つのメリット
企業がワークショップを導入することで、以下の5つのメリットが期待できます。
- 社員の当事者意識と主体性が高まり、組織全体の推進力につながる
- グループワークを経験することで実務に活かせる実践的なスキルが身につく
- 共に課題に取り組む経験がチーム内の信頼関係や連携力を高める
- 参加者が自身で成果を生み出す体験がモチベーションの維持や継続的な参加意欲につながる
- 部署を超えた交流の場として組織内の対話を促進する
ワークショップの形式は、参加者が「自分の課題」として能動的に取り組む姿勢を促しやすい点で、組織全体にポジティブな影響を与えやすい研修です。問題解決や発表・対話といった実務に活かせるスキルも、グループワークを通じて自然と育ちやすい環境となっています。
研修へのポジティブな印象が続きやすい点も、継続的な取り組みにつなげる際の強みと言えるでしょう。
ワークショップ導入時の3つのデメリットと対策
ワークショップを導入する際には、以下の3つのデメリットに注意しておくことが重要です。ただし、それぞれに対策があるため「対策すれば解決できる」という視点で捉えていきましょう。
- 参加者の質やモチベーションに左右されやすい→事前に目的や期待される成果を共有し取り組みやすい環境を整える
- 知識量としては限定的になる場合がある→インプット部分はセミナーと組み合わせ知識と実践のバランスを取る
- ファシリテーター次第で成果が大きく変わる→適切な人材の選定とトレーニングを行い進行の質を確保する
デメリットがあるからといって導入を避けるのではなく、対策を講じることで成果の最大化を狙うことが大切です。事前準備や人材選定に少し時間をかけることで、リスクを最小化しつつワークショップの強みを発揮できるようになります。
ワークショップが効果的な研修テーマ
以下のような研修テーマは、ワークショップの形式で実施することが特に効果的とされています。
- 新規事業アイデア創出
- 問題解決・課題分析
- チームビルディング
- リーダーシップ開発
- クリエイティブ思考の養成
- キャリア開発
これらのテーマはいずれも、体験や協働を通じた学びが求められるため、参加者が能動的に取り組む形式であるワークショップとの相性が良いとされています。
グループワークの中で互いの視点や発想を交換することで、個人では得にくい深い理解につながっていくでしょう。
セミナーを実施するメリット・デメリット
ワークショップのメリット・デメリットを見てきたところで、次にセミナーについても同様に見ていきましょう。企業視点での強みと注意点を、対策とともに解説していきます。
- 企業がセミナーを活用する5つのメリット
- セミナー実施時の3つのデメリットと対策
- セミナーが効果的な研修テーマ
企業がセミナーを活用する5つのメリット
企業がセミナーを活用することで、以下の5つのメリットが期待できます。
- 講義形式で体系的な情報を伝えられるため、限られた時間の中で多くの知識を効率的に伝達できる
- 参加者の数に左右されにくい点が強みで、大人数でも実施可能でコストパフォーマンスが高い
- 外部の講師を招くことで社内では得にくい専門性や最新トレンドを社員に共有できる
- 信頼できる講師の選定により正確で信頼性のある情報を提供できる
- セミナーの内容を記録して事後に活用できるため、組織内の知識共有にも大きな強みとなる
セミナーは「何を学ぶか」が明確で、知識インプットが主目的の場合に強みが発揮されやすい研修です。
社内研修やキックオフイベントなど幅広い場面で活用しやすい点も、企業研修としての導入しやすさにつながっています。復習や社内共有がしやすい点も、研修の効果を継続的に活かせる強みと言えるでしょう。
セミナー実施時の3つのデメリットと対策
セミナーを実施する際には、以下の3つのデメリットに対策しておくことが重要です。いずれも適切な対策を取れば解決できる課題なので、前向きに対応していきましょう。
- 参加者が受動的になりやすい→質疑応答の時間を確保し事前課題を設定することで能動性を促す
- 理解度や習熟度にバラつきが出る→セミナー後にフォローアップ研修を実施し個別サポートを提供する
- 実践力に結びつきにくい→セミナー後にアクションプランを作成し実践へのつなぎを設計しておく
デメリットがあるからといって導入を避けるのではなく、対策を講じることで成果の最大化を狙うことが大切です。
特に「実践力に結びつきにくい」という点は、アクションプランの作成により「知っている」だけでなく「できる」状態につなげることが可能です。
セミナーが効果的な研修テーマ
以下のような研修テーマは、セミナーの形式で実施することが特に効果的とされています。
- 法令・コンプライアンス研修
- 業界動向・市場分析
- 専門知識・技術の習得
- 新入社員向け基礎研修
- 経営戦略・マネジメント理論
これらのテーマでは「何を学ぶか」が明確で知識インプットが主目的なため、体系的に情報を伝えるのに優れているセミナーの強みが最も活かされる研修内容です。
正確さや専門性が求められる内容であっても、講師の選定と組み合わせることで信頼度の高い研修になっていきます。
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目的別!ワークショップとセミナーの選び方ガイド
ここまでで両者のメリット・デメリットを解説してきたところで、では実際にどう選べばいいのかという問いに入っていきましょう。目的に応じて使い分けることが、研修の効果を最大化するための鍵です。
- 知識習得が目的ならセミナーを選ぶ
- 実践力・応用力を高めたいならワークショップを選ぶ
- 両者を組み合わせるハイブリッド型研修もおすすめ
知識習得が目的ならセミナーを選ぶ
「何を学ぶか」が明確で、知識や情報のインプットが主目的であればセミナーが適切です。以下のような場面で、セミナーが特に効果的とされています。
まず、専門性や正確性が求められる内容の場合です。法令やコンプライアンス、技術仕様など、誤りが許されない知識の共有には、講師による体系的な説明が適しています。
次が、効率的に多くの人に伝えたい場面の場合です。大勢の社員に同じ情報を共有するキックオフや社内研修は、セミナーの形式で効率的に実施できます。
また、新しい視点や最新トレンドを社内に取り込みたい場合も適しています。外部の専門家が担当するセミナーは、社内では得にくい情報を効率的に共有するのに適しています。
実践力・応用力を高めたいならワークショップを選ぶ
「どう学ぶか」や「どう活かすか」が重要で、実践や体験を通じた学びが主目的であればワークショップが適切です。以下のような場面で、ワークショップが特に効果的とされています。
まず、応用力や創造力を高めたい場合です。アイデア創出や課題解決など、参加者が能動的に考える必要がある場面には、体験型の議論が大きく効果を発揮します。
次が、チームワークの向上を目標とする場合です。共同の課題に取り組むワークショップは、信頼関係や連携力を高めるきっかけとなりやすい形式です。
また、実務に直結するスキルを身につけたい場合も適しています。実践的なロールプレイや課題設定を通じて、現場で活かせる力を育てやすいのが理由です。
両者を組み合わせるハイブリッド型研修もおすすめ
セミナーとワークショップを組み合わせる「ハイブリッド型研修」は、両者の長所を活かし短所を補完できる理想的な研修スタイルです。セミナーで知識をインプットし、ワークショップで実践・応用する形式で、学習効果が最も高まる方法と言えるでしょう。
具体的なパターンとしては、まず社内にコンプライアンス研修を導入する場合、セミナーで正確な知識を全員に共有した後、ワークショップで部署ごとの対応策を議論していくケースが考えられます。
また業界動向を把握したい場合には、セミナーで最新情報を共有した後、ワークショップで自社への活かし方を検討していくパターンも有効です。
これらのパターンで共通するのが、「知っている」だけでなく「できる」状態まで引き上げられる点です。社員の行動変化につながりやすい研修スタイルなため、研修のROIも高まっていきます。
ワークショップやセミナーを成功させるポイント
ここまでで「選び方」について解説してきたところで、実際に実施する際のポイントを解説していきます。以下のポイントはワークショップとセミナー、どちらにも共通する成功のポイントとなっています。
- 明確な目的やゴールを設定する
- 進行役や講師を慎重に選定する
- 意見を引き出す雰囲気づくりを大切にする
- オンラインでの参加方法も積極的に導入する

明確な目的やゴールを設定する
研修の成否には、事前にどれだけ明確な目的やゴールを設定できるかが大きく影響します。目的が不明確だと参加者は「何のために参加しているのか」がわからず、主体的に取り組めなくなるでしょう。
また、ゴールが曖昧だと研修の成否を測定できず改善もしにくくなります。
目的の設定では「何のために」を明確にすることが重要です。「社員のスキルアップのため」という抽象的な目的に対して、「営業プレゼンの成約率を20%向上させるため」のように具体的で測定可能な内容にすることで、企画側も軸がブレにくくなります。
ゴールの設定では「何ができるようになるか」で設定することが求められます。「リーダーシップについて理解する」という曖昧なゴールに対して、「チームをまとめる3つの手法を実践できるようになる」のように行動レベルで明確にすることが重要です。
これらを事前に参加者と共有しておくことで、参加意識を高め効果を最大化することが可能です。
進行役や講師を慎重に選定する
研修の成否は、進行役や講師の力量に大きく左右されます。専門知識だけでなく参加者を引き込むスキルも必要であり、適切な人選が研修の質と満足度を決定する重要な要素です。
ワークショップのファシリテーターの選定では、中立的な立場で場をまとめる力や参加者全員の意見を引き出す力が重視されます。議論が脱線したときに軌道修正できる力やタイムマネジメント能力も必要不可欠です。
外部専門家は経験豊富でスキルは高いですが、コストがかかります。そのため、重要な研修や初めての試みに適していると言えるでしょう。社内人材を育成する場合はコストは抑えられますが、スキル習得には時間がかかるため定期的に実施する研修に適しています。
セミナーの講師の選定では、その分野の専門知識と実績、わかりやすく説明する力、質問に的確に答える対応力が重要です。
意見を引き出す雰囲気づくりを大切にする
特にワークショップで重要ですが、セミナーの質疑応答でも関連する要素として、発言しやすい雰囲気づくりが研修の成果に大きく影響します。
発言を躊躇する雰囲気では、せっかくの参加型研修も効果が半減します。心理的な安全が確保されていないと、本音や創造的なアイデアが出にくくなり、研修の満足度も大きく変わってしまうのです。
具体的な雰囲気づくりの方法としては、まず自己紹介や軽いゲームで緊張をほぐすことが有効です。5〜10分程度で「場が和む」ことを目標とすれば十分でしょう。
次に、グランドルールを設定することが重要です。「批判しない」「否定から入らない」「どんな意見も歓迎」といったルールを全員で合意することで安心感が生まれます。
さらに、全員が発言する機会を作る仕組みを取り入れることで、発言の偏りを防ぐことが求められます。ファシリテーターが率先してこれらのルールを実践していくことが、雰囲気づくりの鍵です。
オンラインでの参加方法も積極的に導入する
コロナ禍以降、オンライン研修は企業の研修プログラムにおいて一般化した形式となっています。オンライン開催には、場所の制約がなく参加しやすい・会場費や設営コストを削減できる・録画やアーカイブ配信が容易になるなどのメリットがあります。
オンライン開催を導入する際には、参加者の環境や操作に対する負担を事前に把握しておくことが重要です。画面越しの議論やグループワークは対面と比べて情報量が減るので、ツールの選定や進行の設計を丁寧に行うことが求められます。
また、会場参加とオンライン参加を同時に受け入れる「ハイブリッド開催」という選択肢も考えられます。参加者の状況に応じて柔軟に選べる点がメリットですが、両方の参加者が疎外感を感じないような運営の工夫が必要です。
オンライン開催を活用することで、研修の実施範囲を広げ、より多くの社員にアクセスの機会を提供することが可能になります。
ワークショップ・セミナーの実施を検討中ならCultiveへ
いかがでしたでしょうか。
ワークショップとセミナーは、どちらも企業で活用される研修の形式ですが、アプローチや効果の面で大きく異なります。自社の目的や状況に応じて適切な形式を選び、必要に応じて組み合わせることが研修の効果を最大化するための鍵となっています。
Cultive(カルティブ)では、企業の文化づくりや研修の企画・実施をサポートしています。ワークショップやセミナーの導入検討にお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。


































