ブランディング動画を制作する流れ・外注のポイント
ブランディング動画を制作することには、多くのメリットがありますが、ただ作ればよいというものではなく、“伝わる”ものでなければなりません。
では、“伝わる”ブランディング動画を制作するためには、どのようなポイントがあるのでしょうか?
ここでは、企画から制作、公開・運用までを含めた、ブランディング動画制作の3つのポイントをご紹介します。
ブランドコンセプトを設計する
ブランディング動画制作の最初のポイントは、ブランドのコンセプトを確立することです。
ブランドコンセプトとは、商品やサービスに込めた価値感や想い、存在理由などを表現したものです。
コンセプトを確立することで、ブランディング動画の目的や方向性が明確になり、消費者に訴求したい魅力や個性も分かりやすくなります。
ブランドコンセプトを考えるために役立つノウハウはこちらのリンクをぜひご参照ください!
シナリオやストーリーボードを制作する
ブランディング動画制作の次のポイントは、共感が得られるストーリーを描くことです。
共感が得られるストーリーには、以下のような特徴があります。
- ターゲットの課題やニーズに寄り添うメッセージ
- メッセージが反映されたストーリー
- ブランドの価値や想いを体現する世界観
ターゲットが潜在的に求めているものが何かを把握し、それに寄り添ったメッセージを決めること。そして、見る人の心に届くように、ブランドの世界観で統一してメッセージを表現することが大切です。
外注する制作会社を選定して依頼する
ブランディング動画を外注する際は、制作会社の選び方が成果を左右します。まずは、実績やポートフォリオを確認し、自社と同じ業種や目的に近い事例があるかをチェックしてみましょう。また、アニメーションや実写、企業PRなど、各社の得意分野を把握し、自社の方針に合った会社を選ぶことも大切です。
価格は判断材料の一つですが、企画力や提案の柔軟性、担当者とのコミュニケーションの取りやすさも重視しましょう。やり取りのスムーズさは、動画の完成度にも直結します。
さらに、契約前にはスケジュールの詳細や納品形式、修正対応の範囲や回数などを事前に確認し、書面で取り交わしておくことが安心につながります。チェックリストを活用し、条件の漏れがないように注意しましょう。
撮影・編集・ナレーションを撮る
ブランディング動画の核となる工程が、撮影・編集・ナレーションの制作です。
撮影では、ブランドの世界観を表現するために、ライティングの調整やキャストの選定、ロケーションの選び方が重要です。現場での細かな演出が、動画の印象を大きく左右します。
編集工程では、テロップやBGM、アニメーションを加えることで、視聴者の理解を助け、動画の魅力を高めます。特に、ナレーションや音楽の使い方は、ブランドメッセージの伝達力に大きく影響するため、内容やタイミングにこだわりましょう。
これらの工程を外注する場合は、制作会社との密なコミュニケーションを通じて、意図を正確に共有しながら進めることが、完成度の高い動画を生み出すカギとなります。
完成したブランディング動画を公開する
ブランディング動画は、制作して終わりではなく、どのように公開・活用するかが成功のカギを握ります。公開チャネルとしては、自社のコーポレートサイトやYouTubeチャンネル、SNSのほか、展示会や採用イベントなどのリアルな場も有効です。ターゲットに応じて最適な媒体を選びましょう。
動画公開後は、再生数や視聴維持率、コンバージョン率などを分析し、どの要素が効果を生んでいるかを把握することが、次回以降の改善に役立ちます。
さらに、SNS広告やキャンペーンと連動させることで、認知拡大や話題性の向上につながります。戦略的に公開と運用をおこなうことで、ブランディング効果の最大化が可能です。
ブランディング動画を制作会社に外注する費用相場
ブランディング動画を外注する際は、内容や目的に応じて費用が大きく変動します。予算を適切に設定するには、相場感や費用の内訳を把握することが大切です。ここでは、動画制作の費用に関する基本的なポイントを紹介します。
- 企画から撮影・編集の費用内訳
- 動画の種類により価格相場は変動
- 低予算で制作する方法と注意点
企画から撮影・編集の費用内訳
ブランディング動画の制作費用は、主に「企画費」「撮影費」「編集費」「ナレーション・BGM」などで構成されます。
一般的な価格帯の目安は以下のとおりです。
- 企画費:10〜30万円程度
- 撮影費:20〜50万円程度
- 編集費:10〜40万円程度
- ナレーションやBGMの追加:数万円〜10万円程度
ただし、制作会社によって各項目の料金体系は大きく異なり、サービスに含まれる内容もさまざまです。例えば、編集費のなかにアニメーションやテロップの作成が含まれている場合もあれば、別料金となるケースもあります。
費用相場はあくまで参考であり、実際の金額は動画の目的や尺、演出の複雑さによって変動します。見積もりの際には、内訳を明確に提示してもらうことが重要です。
動画の種類により価格相場は変動
ブランディング動画は、種類や用途によって制作費に大きな差があります。
実写動画は撮影機材やロケ地、出演者の手配が必要となるため、一般的に30〜100万円程度が相場です。一方、アニメーション動画は30〜100万円程度で制作でき、ナレーションやBGMを組み合わせることでメッセージ性を高められます。さらに、CGを多用する動画やテレビCM品質の映像になると、制作費が100万円を超え、場合によっては数百万円規模になることもあります(動画幹事 CM相場)。
また、短尺のSNS向け動画は数万円〜50万円程度、3〜5分の企業ブランディング映像は10〜150万円程度が目安です。表現手法、動画の長さ、広告や採用などの使用目的によって、最適な予算設定が必要です。
低予算で制作する方法と注意点
中小企業やスタートアップにとって、限られた予算でブランディング動画を制作するには、工夫が必要です。例えば、フリー素材や自社の社員を出演させることで、撮影やキャスティングにかかるコストを抑えることができます。また、企画や撮影を社内でおこない、編集だけを外注する方法も有効です。編集工程を専門家に任せることで、一定のクオリティを確保しながらコストダウンが可能になります。
さらに、クラウドソーシングや小規模な制作会社の活用で、比較的低価格で依頼できるケースもあります。ただし、費用を抑えることに偏りすぎると、動画の質やブランドイメージを損なうリスクもあるかもしれません。見た目や内容がチープに感じられてしまうと、逆効果になる可能性もあるため、バランスの取れた判断が求められます。
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ブランディング動画の成功事例
ブランディング動画を制作するためのポイントをご紹介しましたが、実際にどのようなブランディング動画があるのでしょうか?
ここでは、国内外の有名なブランディング動画の成功事例を3社ご紹介します。
パナソニック
パナソニックは、創業100周年を記念して、ブランディング動画「MONO・GATARI」を制作しました。
この動画では、パナソニック社員の想い、熱意、葛藤を、宣伝キャラクターである綾瀬はるかさん、西島秀俊さん、遠藤憲一さん、奥貫薫さん、水原希子さん、駒井蓮さんが、これまでの歴史を振り返りながら「これからの100年をつくっていく決意」をグラフィカルかつドラマチックに描いています。
パナソニック『Creative!』PR映像
ユニリーバ
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングは、日本で初めてX(旧Twitter)上で視点を動かせる360度動画広告を配信し、累計再生回数1403万回を達成しました。
この動画は「ラックス」とDream Amiのコラボレーション企画で、視聴者がバスタブ移動の疑似体験をしながら映像の中の上下左右を360度見渡せる内容です。
この試みは商品の認知度アップとブランドイメージ向上に成功しました。
『LUX Shine Plus』スペシャルムービー
ナイキ
ナイキは、自社のブランドスピリットを伝えるために、ブランディング動画「Dream Crazy(とことん夢みろ)」を制作しました。
この動画では、アメリカの元NFL選手で人権活動家のコリン・キャパニック氏がナレーションを務め、さまざまなスポーツ選手や人々の挑戦や夢を紹介しています。
そして、ナイキのブランドスピリットである「Just do it.」を具現化するとともに、ナイキのブランドを身にまとった選手の映像を映すことで、ブランドイメージを高めています。
Nike / Dream Crazy (United States)
成功事例からわかるブランディング動画を外注するコツ
パナソニックやユニリーバ、ナイキなどの成功事例からは、ブランディング動画を効果的に制作・活用するための共通点が見えてきます。外注を成功させるためには、動画の完成度だけでなく、企画段階や運用後の工夫も重要です。以下のポイントを意識することで、より成果につながる動画制作が可能になります。
- ブランドコンセプトを具体的に設計する
- 共感を呼ぶストーリーを制作する
- 視聴後に行動を促すメッセージを追加する
- 効果測定して改善施策を検討する

ブランドコンセプトを具体的に設計する
外注でブランディング動画を成功させるには、まずブレずに通る軸を持ったコンセプトが不可欠です。成功企業の動画には必ず、明確で一貫したコンセプトが存在しています。例えば、企業理念や個性が映像を通じて自然と伝わる動画は、ブランド印象を強める力があります。
コンセプト設計にあたっては、「ターゲット」「伝えたい価値」「ブランドカラー(トーン)」を事前に明文化しておくことが重要です。ターゲット像を具体化し、その人に響く価値や世界観を定め、表現の方向性を統一しておくことで、動画全体のぶれを防げます。
事例として、CCCグループのコンセプトムービーでは、グループ各事業を横断する「カルチャー」という価値を軸に据え、映像表現のトーンを統一して多角的な事業をつなげて見せています。
共感を呼ぶストーリーを制作する
ブランディング動画で視聴者の心を動かすには、ストーリーテリングの力を活用することが欠かせません。単なる企業紹介や機能説明ではなく、感情に訴えるストーリーがあることで、視聴した人の記憶に残りやすくなります。
具体的には、お客様の体験談や従業員の声を取り入れることで、ブランドに対する共感を自然に引き出せます。視聴者が「自分ごと」としてとらえられる構成にすることで、動画の訴求力が高まります。
例えば、ナイキの動画ではアスリートの挑戦や葛藤を描くストーリーを通じて、「努力」「可能性」といったブランド価値を伝えています。また、ユニリーバは日常生活の中の多様な価値観を描きながら、製品と結びつける手法で視聴者の共感を得ています。
ストーリーは情報伝達だけでなく、「ブランドに共感してもらう」ことを目的に構成することが、効果的なブランディング動画の鍵です。
視聴後に行動を促すメッセージを追加する
ブランディング動画は、視聴者にブランドを印象づけるだけでなく、「その後の行動」を促す役割も担っています。そのためには、動画の最後に明確なCTA(コールトゥアクション)を設けることが重要です。例えば、自社のWebサイトへの誘導、資料ダウンロード、採用エントリーなど、視聴後に取ってほしい具体的なアクションを示すことで、成果に直結しやすくなります。
実際、多くの企業では「詳しくはWebで」「今すぐエントリー」など、動画のラストにシンプルなメッセージを添えることで、視聴者の関心を次のステップへとつなげています。
単によい動画を作るだけでなく、視聴後の導線設計まで意識することで、動画の持つブランディング効果と実用性の両方を最大限に引き出すことが可能です。
効果測定して改善施策を検討する
ブランディング動画は、制作して終わりではなく、その後の効果測定と改善を繰り返すことが重要です。動画の効果を把握するためには、再生数、視聴維持率、SNSでのシェア数、Webサイトへの遷移数、コンバージョン率(CVR)などの指標をもとに分析をおこないます。
これらの数値を客観的に把握し、課題や改善点を明確にすることで、次回の動画や運用施策に活かすことができます。例えば、視聴離脱が早い場合は冒頭の構成を見直す、コンバージョン率が低い場合はCTAの設計を改善するなどのアクションです。
実際に成果を上げている企業は、ブランディング動画を単発の施策で終わらせるのではなく、継続的にPDCAを回しながら最適化を進めています。定期的な振り返りと改善が、動画の投資効果を高める鍵となります。
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企業の“らしさ”を伝えるなら、Cultiveへ
ブランディング動画は、単なる商品やサービスの宣伝を超え、企業やブランドの深い価値を伝える強力なツールです。
効果的なブランディング動画は、ブランドのストーリーを語り、視聴者との感情的なつながりを築くための手段となり、長期的な顧客関係を構築するのに役立ちます。
あなたの企業も、ブランディング動画を活用して、その独自の物語を世の中に伝え、人々の心に残るブランドの物語を築き上げてください。
また、Cultiveではブランディング動画も含めたさまざまな動画制作をしております。
「“らしさ”は戦略になる」という考えのもと、会社の文化や風土を抽出し、観る人の心に届くストーリーを提案いたします。
企業のビジョンやメッセージから深くヒアリングし、それを表現できるシナリオの提案、撮影・制作までをすべてコミットいたしますのでぜひご相談ください。



































