「チームワーク×テクノロジーで、笑顔あふれる社会を創る」。そんな理念を元に、TeamTechを基幹とした様々な事業を展開するMETATEAM。
これまで大事にしてきた「チームワーク」とこれからの時代を担っていく「IT」を掛け合わせた「TeamTech」という概念を定義。テクノロジーの力で誰もが素晴らしいチーム体験ができる世の中を作ることをMissionとしています。独自のTeamTechメソッドによって、企業のDX課題を解決する「DX事業」、チームワークのパイオニアとして世界のリーダーが抱える課題を解決していく「プラットフォーム事業」、高品質のオフショア開発を提供する「グローバル事業」を展開し、顧客への多岐にわたる伴奏は大きな満足度を誇っています。
蔵人伸茂さんは、新卒入社後エンジニアからプロダクト営業へ、その後オフショア拠点であるミャンマーと日本にいるエンジニアのハイブリッド体制の提案営業を経て、現在は育成や研修を担う組織開発部 部長に就任。新卒から、リーダーやマネージャー、中途採用など社員の“現在地”に応じた働きかけに尽力しています。組織を開発する上で欠かせない、全社に向けた文化の醸成と浸透。その意義や今後の展望についてお話を聞きました。
METATEAM株式会社:https://metateam.co.jp/
目次
一時は離職率が30%に。
そのピンチをチャンスに変えたのは……。
――まず、蔵人さんの組織内の役割からお聞かせいただきたいのですが、組織開発部という部署はどういった業務を担っているのでしょうか?
蔵人:部長という立場ではあるのですが、直属の部下はおらず(インタビュー当時)、様々な部門の人たちに助けてもらいながらやっているという感じですね。そのミッションは「強い組織をつくる」ということ。主に社員の育成や定着に関する施策を作成・運用する部門です。「育成」と一口に言ってもそのシーンは様々で、新卒の育成や、メンバーをリーダーに、リーダーをマネージャーにするための育成、また、中途入社の方のオンボーディングというところも担っています。エンジニアが多い会社なので、プロジェクトの中での動き方を提示するような研修もありますね。「定着」の側面で言うと、月1回以上の頻度でマネジメントの方向性の取り決めを行ったり、全社総会の責任者としても動いています。
――組織によって理念体系は様々ですが、METATEAMはミッションとバリューとアイデンティティという三つの体系から成り立っていますよね。これは珍しいパターンという印象も受けたのですが、策定にはどんな背景があったのでしょうか?
蔵人:元々はミッションが一番上にあって、その下に一定の未来の状態がビジョンとして紐付き、かつてはそこに「Seattle Spirits」という行動指針が帯同していたんです。さらに、その三つにプラスして、アイデンティティがあったという感じで……。その体系が2017年に大きく変化し、ミッション、バリュー、アイデンティティの3つに集約されました。「ITで感動を、世界中に笑顔を」という従来のミッションが「チームワークとITで世界を動かす」というより具体的になったイメージで、チームワークや社員の人柄に惹かれて入社した私にとってはそんなに大きな変化だとは思わなかったんですよね。その反面、チームワークや人柄以外の部分に惹かれて入社、在籍していた社員にとっては大きな変更でもあり、実際に当時は離職率も高い時で30%になることもありました。
――理念体系を変えたことによって、自身のスタンスとのズレを感じた人たちが辞めてしまったということですね。その影響の大きさから、会社全体として組織を一新するような試みだったことが伝わるエピソードです。
蔵人:事業内容が大幅に変わった訳ではなかったので、文化が人にもたらす影響はこんなにも大きいのだということを痛感する出来事でしたね。さらに2018年ぐらいに事業を多角化する動きがあり、従来の事業以外にもAIやメディア、フリーランスの派遣事業をスタートさせたのですが、なかなかうまくいかず、後に閉じることにはなるのですが、そこをタイミングの一つとして辞める人も当時は多かったです。でも、そんな時期を経て、事業が一本化され、採用基準においてもスキルよりはマインドを重視する方向に固めたことによって、2019年後半からどんどん離職が減っていきました。かねてより頭を悩ませていた“150人の壁”も乗り越えることができ、現在は400人以上の社員が在籍をしてくれています。
ベターよりもベストを
「TEAMS」が導く社員の主体性
――覚悟を要する大きな革新だったことが伺えるお話です。そのアップデートの背景にはどんな思いがあったのでしょうか?
蔵人:創業当時から弊社の代表には、「歴史に名を残すような会社を作っていきたい」という思いがありました。ただ、従来の「ITで感動を、世界中に笑顔を」というミッションでは、五万とあるIT企業の中で突出した独自性を以って戦うことは難しいというところがあったんですね。創業当初から「チーム・シアトル」という言葉があったくらいなので、幹部で議論を重ねる中で自ずと「そこをどうにか事業化し、世に広めていけないか」という話になったんです。チームワークの強みとITの力を掛け合わせることで世の中を良くしていく。そういったアプローチで事業展開している会社はほぼないので、その協調性を強めることで世界へ広げられるんじゃないかと。そういった経緯で刷新することになりました。あと、働く楽しさややりがいというものが欧米に比べて日本は低いので、そこをよりよい方向に持っていきたいという思いもありました。仕事って、内容も重要かもしれないけれど、人間関係も同じくらい重要。平たく言うと、「上司や仕事の愚痴を言う」っていう根深い負の文化をなくしていけたら、より働きやすく楽しく働けるんじゃないかなって。そんな経緯でこのTeamTechというのを進めていこうとなったんですよね。
――それらを発表された時の社員の皆さんの反応はどんなものでしたか?
蔵人:先ほどお話したように個人の考えと会社の文化に齟齬が生まれて離職する人もいましたが、その一方で理念や文化の体系がシンプルになったことで浸透が促進された面も大いにありました。元々新卒には理念を覚えるための研修みたいなものがあって、言うなれば「覚えさせられるもの」というイメージも少なからずあったと思うんです。それらが削ぎ落とされ、集約されたことで、新卒に限らず中途採用も含め、多くの社員が把握しやすくなったと思います。
――具体的には「TEAMS」(Thanks、Engine、All、Masterpiece、Stockの頭文字)という行動指針を定められていますが、これらが生まれたことによってはどんな変化があったのでしょうか?
蔵人:今、会社全体が最も意識しているのは「Stock」でしょうか。例えば、ナレッジ共有が課題に上がった時にはみんながそこに目を向けているし、「ノウハウを蓄積していこう」という意識も広く生まれたと思います。「5つがまんべんなく網羅できること」は確かにベターですが、さらにその先に「5つが無意識にできること」というベストがあると思うんですよ。「TEAMS」を定めて5年程が経ち、「Thanks」や「Engine」なんかはもう無意識に当たり前にできてきていて、意識する必要もないほどになってきています。主体的に動いてくれる人の多さに文化そのものが支えられているという体感もありますね。
利他の心はあるか
その問いに応える多くの有志たち
――メンバー一人一人の能動的なアプローチがチームを高め、文化をさらに確かなものにしている。そんな発展を感じます。METATEAMの人たちの魅力を一言で言うと?
蔵人:「誰かのために働きたい、動きたいと思える人」でしょうか。何かをやらなきゃと思った時に、すでに「やっといたよ」みたいなことがすごく多いんですよね。小さなことで言うと、普段総務の人がまとめているゴミを別部門で手の空いている人がやっていたりする。全社員がチームと考え、そのメンバーのために動こうという動きはとても大きいですし、「利他の心があるか」という部分は採用のシーンでも結構見ている部分です。文化醸成においても、その専属部隊や兼任部隊がある訳ではないんですよね。にも関わらず、「TeamTech研究所」と言う組織図にはない有志の部隊が発生している。このこともすごく大きいと思います。あらゆる部門から人が集い、データ研究をしてくれる人もいれば、それを伝えてくれる人もいて……。多様な角度から役割を持ってアプローチし、チームワーク向上のための様々な施策やアクションを考えてくれています。
――メンバー同士のコミュニケーションを活性化したり、チームの強度を高める上で様々な施策を行っていると思うのですが、中でも印象的な施策を教えてください。
蔵人:全社総会時に理念に関するテストを行ったことがありました。80点以上の人をAグループ、50点から80点の人をBグループ、50点以下の人をCグループと分けて、その3グループを20グループに細分化させ、各々に研修をつけるという試みで……。大変でしたが、浸透度合いを把握する上では有意義な施策だったと思います。この時印象的だったのが、インプットとアウトプットのちょうど狭間にいるB層へのアプローチが一番難しかったこと。同時に、その双方を行わなければ文化や理念を維持することは難しいというフィードバックを得ることもできました。このデータを元に今後はもう一方踏み込んで、1年目にはCの、2年目から5年目にはBの、5年目以降にはAのアプローチをするといった発展的な施策も取り入れていけたらと思っています。
未来と可能性を信じる人が集うMETATEAM
時代のパイオニアを目指して
――METATEAMならではの哲学を端々に感じるお話でした。最後に今後の展望をお聞かせください。
蔵人:TeamTechというものに未来への可能性を感じ、それを形にすること。そんな展望を持った人が多くいることが弊社の強みです。「これが世の中へと出ていった時、世界に広がっていった時には、パイオニアの一人となれる」。そんな未来を描く人が自ら手を挙げて集まってくれていることは、本当に心強いことだと思います。上場という組織における一つの指標においても、そういった会社の文化は大きく作用すると思いますし、今後さらに飛躍的に伸びていく部分だと信じています。
――本日はありがとうございました。
入社後すぐに、当時ローンチとなった自社プロダクトの初めての営業へジョブチェンジ。0からの顧客開拓で、Webマーケティングとサービス導入コンサルを経験。
2019年にミャンマーオフショア事業の営業リーダーとなり、事業拡大に従事。
同時期よりエンジニア10名ほどのチームリーダーも経験、優秀チーム賞を2期連続受賞。
2021年に組織開発部の部長に就任。
強い組織を創ることをミッションに研修担当、評価制度を含む様々な人事制度立案・改善に務めている。
Cultive
Cultiveは幸せに働ける良質な企業文化を醸成することで、企業成長をサポートするために生まれたサービスです。経営者の想いを表した理念策定、理念を込めたグッズ制作、表彰イベントの設計などを行い、企業文化の醸成をサポートしています。
この記事を書いた人
小名木 直子
Producer
オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。
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