【株式会社ヌーラボ】
“このチームで一緒に仕事できてよかった” 世界中にその声を生み出すカルチャー

2023.04.06
【株式会社ヌーラボ】<br>“このチームで一緒に仕事できてよかった” 世界中にその声を生み出すカルチャー

「チームで働くすべての人に」をコンセプトに、プロジェクト管理ツール「Backlog」や、オンライン作図ツール「Cacoo」、ビジネスチャットツール「Typetalk」などを自社開発・提供する株式会社ヌーラボ。Null(ヌル=無)と Lab (研究所)を合わせた社名が表すように、無の状態から生み出された製品は世界中のチームのコラボレーションを促進しています。

積極的に多様性を受け入れ、アメリカやシンガポールをはじめとする海外拠点を展開しながら、メンバー同士が創発しあう文化作りを大切にされています。今回は、管理部人事労務課の吉田彩さんとマーケティング部 PR担当の安立沙耶佳さんをお招きして、ヌーラボのビジョン・ミッション・バリューが生まれた背景、そして文化醸成を担う社内有志のチームについてなどお話を伺いました。

株式会社ヌーラボ:https://nulab.com/ja/

バリューはビジョン・ミッションよりも上位の概念
メンバーが持つ「先天的で普遍的なもの」を言語化

――まずは、ヌーラボのビジョン・ミッション・バリューが作られた経緯からお伺いしてもよろしいでしょうか?

安立:最初にお伝えすべきことは、ヌーラボではビジョンやミッションよりもバリューが上位概念にあることです。元々は受託開発から始まった会社なので、「自分たちは何がしたいか」というビジョンよりも「自分たちに何ができるか」というバリューが先にありました。そのため、バリューが全ての起点となっています。ヌーラボでは「Nuice Ways(ヌイス ウェイズ )」という行動規範がバリューに当たるのですが、現在は2017年に作成した初期バージョンのものをブラッシュアップしたバージョン2.0を社内外へ展開しております。

吉田:ビジョンやミッションは時代の変化に合わせて変わりうるものですが、バリューはメンバーに共通する価値観のため「先天的で普遍的なもの」だと私たちは考えています。バリューがベースとなり、その価値観を持った人たちが集まる会社に使命(ミッション)が生まれる、という順番でしょうか。

――バリューはミッションやビジョンを実現するための行動指針や価値基準として語られることが一般的ですが、バリューから先に作られたというのは特徴的ですね!ちなみにどういった背景があってNuice Waysをバージョン2.0に刷新したのでしょうか?

安立:そもそも初期バージョンが作られたのは、社員40名のときに新たに30名を採用する方針が打ち出されたタイミングでした。多くの新メンバーが加わっても、今あるヌーラボらしさを残していくために言語化されたのです。ただ、初期バージョンは細部にこだわったあまりに情報量が多く、英訳ではニュアンスが伝わりづらいといった課題も残りました。そこで、作成から1年程経過したタイミングでバージョン2.0づくりに着手しました。その際は海外拠点で働くメンバーにも共有しやすいものにしようと、代表自らニューヨークのオフィスへ足を運び、現地のメンバーを交えたワークショップなどを通じて意見交換を行いました。

―― Nuice Waysを社内に浸透させるためにどのような施策を取り入れていますか?

吉田:360度評価を年に2回行っているのですが、Nuice Waysが評価軸となっているため、その度に自身や周りの行動を「Try First」「Love Differences」「Goal Oriented」の3つの軸で振り返ります。その他にも、新入社員のオンボーディングでは、バリューが作られた経緯の紹介や、入社前までの自身の行動を3つの軸で振り返るワークなどを取り入れています。例えば、「これまでの自分自身の行動で『Love Differences』だったものって何だろう?」といった問いについて一緒に考えています。

―― ここまではバリューについて伺ってきたのですが、ビジョンやミッションはどのようなものでしょうか?

安立:ヌーラボでは、ビジョンやミッションとして打ち出すよりは、ブランドメッセージとして世の中に発信することが多いです。2021年6月に「“このチームで一緒に仕事できてよかった”を世界中に生み出していく。」をヌーラボのブランドメッセージとして公表しました。創業以来、「コラボレーション」をキーワードにしてすべてのサービス開発を行ってきたため、ブランドメッセージは会社のビジョンやミッションに近いものであると考えています。これは、私たち自身もそう思えるチームの一つであることを目指しましょうという、社内に向けたメッセージでもあります。

文化のエバンジェリスト「Bridge(ブリッジ)」
部署も役職も超えた入れ替え制のチーム

――企業の文化醸成についてインタビューさせていただいておりますが、ヌーラボでは文化醸成に関してどのような推進体制がありますか?

安立:ヌーラボには「Bridge(ブリッジ)」という文化醸成チームが存在します。メンバーは専任ではなく他業務との兼任です。任期は最大2年です。毎年半数が入れ替わる仕組みなので、これまでに約40名の社員が「Bridge」に所属した経験を持ちます。そもそもは、2017年にバリューを言語化するプロジェクトが立ち上がった際に、社内でよく使われている言葉を社員みんなで洗い出し、それを整理してバリューとしての言葉に凝縮する作業のために集められたメンバーが「Bridge」のはじまりです。

――生まれたきっかけはバリューの策定だったとのことですが、現在「Bridge」はどのような役割を担っているのでしょうか?

安立:簡単に言うと「文化のエバンジェリスト」です。会社が大きくなるにつれて伝わりづらくなる文化やコンテキストを社内に広める役割を持っており、会社の文化作りにまつわる判断には管理職や人事と一緒になって関わってもらっています。

吉田:例えば、「採用ポリシー」や「ダイバーシティとインクルージョンのポリシー」を作るときに言い回しや表現のレビューに「Bridge」の力を借りました。他にも新入社員のオンボーディングの社内イベントではファシリテーションを務めてくださったり、1on1では新入社員の相手役を担ってもらったりしています。人事にとってもよき相談相手であり、社内の課題を吸い上げて様々な案をくれるありがたい存在です。

安立:草の根で社内に情報を一気に行き渡らせたいときも、「Bridge」がハブとなって活躍してくれますね。あくまで一例ですが、コミュニケーションのガイドラインを作成するプロジェクトをスタートする際に、全体像を全社に展開する必要があるため「Bridge」にお披露目役をお願いしたいと考えています。

“このチームで一緒に仕事できてよかった”をまずは自分たちから

――ヌーラボの「らしさ」を感じる社内文化にはどういったものがありますか?

吉田:ヌーラボでは、使用している自社開発のビジネスチャットツールTypetalkトークチャンネルの多くが全員に対してオープンです。そのため、他チームのやりとりをいつでも見ることができます。見ることだけでなく、別チームからでも意見がしやすい雰囲気がありますね。他社の方にいつも驚かれるので、ヌーラボらしい文化のひとつと言えるのかもしれません。

安立:施策とは異なりますが、勉強会がボトムアップで自然と開かれる文化も特徴的です。先日も「振り返り」のフレームワークを、開発に限らず様々なチームのメンバーがともに学ぶ勉強会がありました。ヌーラボは「これ、やってもいいのかな?」という個人のアクションを躊躇することなく「やってもいいだろう!」と実行できる環境ではないかと思います。もしそれでも悩んでいる人がいたら、「Bridge」がその背中を押す場合もありますね。

吉田:他にも、代表の橋本が大事にしている言葉に「Yes, and」があります。バリューの「Love Differences」にも通ずる話だと思うのですが、誰かが何かを言ったときに否定から入らずに自分のアイデアを付け加えて返すことは意識しています。

――今後も組織が拡大するなかで、人事・広報の観点でどういう組織を作っていきたいですか?最後に、それぞれの展望をお伺いしたいです。

吉田:組織として多様性を受け入れる過程には、難しさを感じる局面も当然あると思うのですが、諦めずに「コラボレーション」を大切にし、新たな方法論をアウトプットし続けるリードカンパニーになりたいです。直近の具体的な施策としては、コロナの影響で直接集まれる社内イベントがなかなか実現できなかったので、そういう機会もつくっていきたいです。以前は海外拠点のメンバーも含めて福岡に集合して、一緒にバーベキューを楽しんだりしていたんです。それはダイバーシティの大切さを私たち自身も実感できる場でしたね。ちなみに、そういう集まりの後はオンライン上でのコミュニケーションも活性化されるというリサーチ結果も出ているため興味深いです。これからもオンライン・オフラインのコミュニケーションをどちらも大事にしていければと思っています。

安立:まずは私たちが「“このチームで一緒に仕事できてよかった”を世界中に生み出していく。」というブランドメッセージを体現し続けたいです。言い換えると、社員のみなさんがこのブランドメッセージに対してモチベートされる状態であり続けたいですね。そのためにも、PRの観点でインナーコミュニケーションを大事にしたいです。対外的にヌーラボがどう見られているかは意識しつつも、まずは社内でこのメッセージを体現できてこその社外だと思います。そういった組織を目指すためには、大きな施策を打ち出せばよいわけではなく、日々の施策のひとつひとつ、そして一人ひとりとのコミュニケーションを大切にすることから始まるのでしょうね。

――本日はありがとうございました。

 

株式会社ヌーラボ

吉田 彩(よしだ あや)さん

ヌーラボのNuice Waysに共感し、2021年5月に入社。
採用、制度・研修設計などをメインに人事を担当。
家族でTypetalkを使ってコミュニケーションを取るなど、仕事でもプライベートでもヌーラボサービスを活用中。

マーケティング部 PR担当 / 安立 沙耶佳(あだち さやか)さん

新卒で人材サービスを運営する企業に入社し、スタートアップ〜メガベンチャーを担当するリクルーティングアドバイザーに従事。その後、新規事業だったITエンジニア向け新規事業の渉外・ビジネス開発を担当し、2016年11月に福岡市に本社をおく株式会社ヌーラボに人事担当として入社。約6年の人事経験を経て、2022年10月からPR業務に従事。

Cultive

Cultiveは幸せに働ける良質な企業文化を醸成することで、企業成長をサポートするために生まれたサービスです。経営者の想いを表した理念策定、理念を込めたグッズ制作、表彰イベントの設計などを行い、企業文化の醸成をサポートしています。

この記事を書いた人

小名木 直子
小名木 直子

Producer

オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。

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