従業員満足度と幸福度はどう違う!?幸福度とエンゲージメントに繋がる指標を解説!<CHO対談シリーズ>

2023.12.28
従業員満足度と幸福度はどう違う!?幸福度とエンゲージメントに繋がる指標を解説!<CHO対談シリーズ>

この記事の監修者

佐藤 佳織
佐藤 佳織

株式会社スペサン CHO

株式会社スペサンにて、CHO(Chief Happiness Officer)として社員幸福度を高める施策を企画・運用しながら、社外に対しても幸せに働く人を増やすためのカルチャー醸成のサポートを行う。カルチャー醸成のためのワーク設計実績は100を超える。

CultiveマネージャーでありスペサンCHO(Chief happiness Officer)の佐藤佳織(かおりん)とCultiveディレクター荒井萌(もえ)が、“働く幸せ”に関するノウハウを対談形式で幅広く発信中!

今回の記事では、従業員の満足度を向上させ、社員の士気や生産性を高めたい、やりがいを持って働いてほしいと思っている方に向け、「従業員満足度」とは何か、近年対比される「従業員幸福度」の違いや、エンゲージメントに繋げるために大事なことをご紹介します!

「従業員満足度」とは心理的な動機付け要因と環境や条件などの衛生要因から構成されている

佐藤:早速ですが「従業員満足度」と「従業員幸福度」の違いについて紹介していきたいと思います!似ているようでなんだか違うようで・・・。メンバーのモチベーション向上を促したいけど、そのためにどちらを参考にすればいいのかわからない。なんて悩んでいる方もいるんじゃないでしょうか?

荒井:たしかに似ていますよね。そもそもこの「満足度」と「幸福度」はどちらが先に提唱されたんでしょう?

佐藤:まずは「従業員満足度」の方が提唱されて研究が始まったんだよね。この研究は海外では1920年代からあって、『Job Satisfaction』という本がスタートと言われてます。それから日本でも同じ分野の研究が始まって、1955年頃に、社団法人日本労務研究会による日本初の従業員満足度調査が行われたんだって。この頃から、人がより良く生産的に働くことの重要性が唱えられるようになったみたい。

荒井:その頃にはまだ「従業員幸福度」の方は存在していなかったということですね。でも、個人の「満足度」を測るというのも難しそうですよね。基準がそれぞれに違いそうで。

佐藤:ハーズバーグの『モチベーション理論』では、職場満足は大きく2つの要素に分かれると示していて、

 

①「動機付け要因」:仕事の達成感・責任範囲拡大・能力向上・自己成長など

②「衛生要因」:会社の方針・管理方法・労働環境・作業の条件など

 

この2つの要素から測るという試みを行っていたみたい。でも、もえちゃんの言う通り何に「満足するか」には個人差があって・・・。一律の尺度を見出すところまで至らなかった、という結果だったみたい。

あと、「満足度」と個人のパフォーマンス向上への関係性も明確には示せなかったみたい。

例えば、収入や地位がモチベーションになっている人がいたとして、その条件をいくら満たしてもパフォーマンス向上にはつながりにくかったり・・・。一度効果が見えたとしても長期的には作用しなかったり。

荒井:たしかに。現状に満足しているからといって、「だからもっと頑張ろう」とはならないですよね。個人の働くモチベーションはもっと別のところにありそう・・・。

佐藤:そういうのもあって、「満足度」を測るよりも「従業員幸福度」について考察するべき、という流れが始まったみたいだね。

荒井:なるほど。たしかに最近では「従業員幸福度」の方がよく聞かれるようになりましたもんね。

「従業員幸福度」とは現実的な「満足度」と心理的な「幸福度」

荒井:では「従業員幸福度」に話は移っていきますが、「幸福度」を測るというのもなかなか難しいですよね(笑)。

佐藤:自覚しづらい部分だからね(笑)。ちなみにもえちゃんは働く中で、「満足はしてるけど幸せではないな」と感じることはある?

荒井:んー。前職が多忙だったときは、帰宅してふとした時に「このまま続けていけるのか、このままでいいのか」という不安に苛まれることはありましたね。かおりさんはどうですか?

佐藤:私はこれまで好きなことをし続けてきたから、働いていて「幸せじゃない」と感じることは少なかったと思う。収入とか生活的にはキツかったけど、したいことができてるから幸せって感じだったかな。

荒井:「満足ではないけど、幸せではある」って感じですかね?収入と幸福度の関連性ってあるんでしょうか? 

佐藤:2015年にプリンストン大学のアンガス・ディートン教授が行った研究によると、年収800万円を超えた段階で、年収と幸福の相関が見られなくなるそうなんだよね。

荒井:つまり、「年収が多いほど幸福になれる」というわけではない?

佐藤:そうそう。日本でも、2019年に内閣府による『年収と幸福度に関する調査(第1次報告書)』を行っていて、さまざまな年収帯の人たちに、現在の生活に対して感じる幸福度を10点満点で調査した結果が出ているの。

年収ごとの幸福度

年収100万円未満:5.01

年収700万円以上1,000万円未満:6.24

年収1,000万円以上2,000万円未満:6.52

年収3,000万円以上:6.6

年収5,000万円以上:6.5

年収1億円以上:6.03

 

荒井:年収3,000万をピークに緩やかに下降していくんですね。面白い。

佐藤:高額取得者の中には経営者などが多いと仮定すると、興味深いよね。働き方のフェーズによって、やりがいや自己成長を実感しづらくなるのかな?とか。ということはそういう要素の方が幸福を感じるためには重要なのかな?とか。

荒井:なるほど。「幸福」を感じるためにもいろいろな要素がありそうですね。

佐藤:そう。「満足度」は収入や貯蓄、住居などの現実的なものを指すのに対して、「幸福度」はそれらも含めた生活満足度に心理的要素を加えたものなんだよね。満足度の条件を満たした上で、個人がどう感じるかを表しているというか。

荒井:イメージ的には、「幸福度」の中に「満足度」という指標も含まれている感じですか?

佐藤:そうそう。厳密に言えば別物になるけど、「幸福度」を測る上ではそこも含まれている感じ。

荒井:なるほど。しかし、人はどういう要素に「幸福」を感じるんでしょうか?

幸せを感じる5要素をバランスよく満たすこと

佐藤:ポジティブ心理学の第一人者であるセリグマン先生は“幸せの要素”を「PERMA」だと唱えていますね。

(出典:金沢工業大学)

佐藤:他にも、「ストレングスファインダー」を提唱したギャラップ社は5つの幸福要素を挙げていますね。

5つの幸福要素

①仕事への情熱

②良好な人間関係

③経済的な安定

④心身共に健康であること

⑤地域社会への貢献

 

佐藤:こういった要素をバランスよく受容できている状態が、幸福度が比較的高い状態だとされているね。

荒井:こうやって見ると、「幸福度」は個人の感情に沿った指標なんだということがよく分かりますね。

佐藤:そうだね。個々人が感じる“やりがい”みたいなものを、いかに体系的に捉えて測るかっていうのが「幸福度調査」になってくる、と。ちなみにギャラップ社は、仕事面での幸福が人生の幸福を規定する最重要項目であると提唱しています。

荒井:人生の幸福度を大きく左右するのが「従業員満足度」であり、その重要性について改めて理解できました!まずは「従業員満足度」について高める施策を検討していきたいと思います!

まとめ

今回は、従業員満足度と幸福度の違いについてお伝えしました。仕事面での幸福が人生の幸福の最重要項目であると言われているように、働く上での幸せは個人にとってとても重要なものですね。

Cultiveは、働く人を幸せにするために立ち上がったサービスです。従業員の満足度や幸福度でお悩みの方は、ぜひご相談ください!

 

この記事を書いた人

小名木 直子
小名木 直子

Producer

オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。

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