この記事の監修者
植松 健佑
株式会社スペサン CEO
株式会社リクルートにて、顧客の採用・組織戦略と社内の風土醸成プロジェクトリーダーを担う。2015年、「心震える瞬間」を創り出す素晴らしさを多くの人に届けたいと株式会社スペサンを創業。自身も大手クライアントのカルチャー醸成パートナーを多数務める。お客様のライフとワーク両面の幸せを実現し、社員自らも幸せに働ける会社を目指し、経営している。
こんにちは!「人と企業を幸せにする文化づくり」をサポートしているCultiveです!
経営理念や価値観を社内浸透する上でもっとも重要になるのが言葉によるコミュニケーションです。特に、経営層から社員に向けたスピーチは、業務を超えた未来への想いや、社会に対する自分たちの存在意義をあらためて認知するための重要な機会となります。
3月の年度末や新年度の始まり、新入社員に向けた言葉など、トップスピーチの機会を控えている方も多いのではないでしょうか。
こうした機会を活用し、心に響くスピーチをすることで、社員のモチベーションアップや高い意識の統一を図ることができます。
今回はCultiveが考える「心震えるトップスピーチのコツ」をご紹介します。
スピーチのプロデュースも行っているCultiveのスピーチメソッド、ぜひ参考にしてみてください。
Cultiveの心震えるメソッド
オリジナルウェディングやサプライズ企画のプロデュースから始まった株式会社スペサンは、長年の経験で培った「感動づくり」のメソッドを持っています。そのメソッドを活用し、「心震える体験」と共に会社の想いを体現し、幸せな働き方を実現するために寄与しているのが to B 向けの企業文化づくりサービス「Cultive」になります。
Cultiveでは、感動体験を設計する大きな要素として、
- 個にフォーカス
- ストーリーの表出
- 共感をデザイン
の3つを挙げています。
社員の心を震わせるようなスピーチの設計においても、この3つは欠かせない要素となります。
心が震えるトップスピーチのポイント
個にフォーカス
会社の未来的な成長や社会に還元している価値など、スピーチには抽象的なメッセージが加わりやすくなっています。こうした「目には見えないイメージ」というのは伝えるのが難しく、自分事として受け取ってもらうことは困難です。
これを可能にするのが、社員一人ひとりの“個にフォーカスする”ということです。
日頃のコミュニケーションを取っているときから、その社員の背景や感情、会社や業務に抱いている期待などにアンテナを張り、その人柄を明確にイメージすること。
そして、スピーチを構成する際には社員一人ひとりの顔を思い浮かべながら、それぞれのメッセージを受け取ってほしい人を明確にイメージすること。
こうした“個に向けたメッセージ”を含めることでスピーチの具体性や訴求力は格段にアップします。
もちろん、スピーチは社員全員に向けて行われるものですが、不特定多数に向けて発せられた曖昧なメッセージというのは聴衆も聞き流してしまいます。
「この部分はあの人に響いてほしい」
「ここはきっとあの人は共感してくれるはず」
というふうに、受け取り手の顔が浮かぶようなスピーチにすることで、メッセージにも具体性が加わり、聞き手の興味を引くようなものにすることができます。
ストーリーを表出
優れたスピーチやプレゼンには聞き手の心を動かすストーリーが含まれています。
伝えたいことをただ箇条書きにして順番に話していくのでなく、起承転結をつけることで興味を維持しやすくなり、共感も生みやすくなるというのは多くの人が感じていると思います。
その上で重要になるのは、そのストーリーが会社のビジョンやミッションと整合性が取れているということです。非常に多くの場合、現実的な数字目標や業務効率の話に及んでしまい、主題が会社の理念から外れてしまいがちです。
もちろん、現実的な課題に言及することも重要ですが、それらはあくまで目的地まで到達するための前提条件です。前提条件を達成することだけを求められてしまっては、社員は帰属目的を見失ってしまいます。常に自分たちの未来を示し、そのための途中過程として今叶えるべき目標を訴求することが大切です。
ストーリーとビジョン/ミッションを繋げるためには、スピーチの構成段階からその目線を失わないことです。伝えたい事柄を付箋などに書き出してみましょう。そして、どのような順番で話せばビジョン/ミッションと接続できるかを並べ替えながら考えてみることをおすすめします。
また、経営者本人のストーリーに絡めて話すこともおすすめです。
経営者のストーリーというのは多くの場合、その会社の経営理念や価値観と深く結びついています。そのストーリーを共有することで、会社の存在意義を皆で再認識するきっかけとなります。
その際、Golden Circleの考え方を念頭に置くのも非常に有効でしょう。
人は具体的なWhatやHowの話題ではなく、なぜ、その人は存在していて何を目的としているのかという話題に共感を抱きます。
経営者の想いや背景を語ることで会社へのエンゲージメントが高まることも期待できます。
また、優れたストーリーテラーは自分自身のWhyと聞き手のWhyをリンクさせることに長けています。「自分の想いはこうである。そしてこの想いは皆の多くもきっと潜在的に持っている願いである」と訴求することで、社員一人ひとりの共感を高め、その後の体現行動に繋げることができます。
共感をデザイン
これまでのポイントでも触れていますが、効果的なスピーチにはメンバーの共感を生むことが重要です。特に、抽象的なメッセージであるほど、それに具体性を持たせることも大事になってきます。
社内や社会で起きているような出来事を紹介しつつ、その出来事の本質とメッセージが結びつくように考えてみましょう。
「この前の案件でこのような価値が生まれたのはこういうバリューがあるからだよね」
「このバリューが体現できていれば、こういうシチュエーションで価値が向上するよね」
といった形で、共感できる事例を通してメッセージの解像度を上げていく工夫が必要です。
これは社内の事例に限らず、世間で話題となっているような事例を通して伝えていくことも可能です。身の回りで取り入れられそうな話題に目を向けておくこともポイントとなります。
共感を生むためのもうひとつのポイントとして、言語を聞き手に合わせるというのも大切です。社内で流通しているワードや、各部署のメンバーに受け入れられやすいワードを取り入れることで、メッセージも抵抗なく受け入れられるようになります。
目標達成という話題についても、売上や利益といった言葉が目立ってしまうと会社の求める目標という印象が強くなり距離感が生まれてしまいます。
「お客様に喜んでもらえるような価値を向上しよう」
「みんなの幸せが向上するように成長しよう」
こういった言葉の工夫をするだけで、社員に寄り添うことができ、共感も高まります。
話し方について
スピーチ研修などでは「威厳を持って堂々と」「大きな身振りで興味を引いて」などとよく言われます。
もちろんこういった点も大事になりますが、聞き手に合わせて使い分けるというのも重要なポイントになります。
こうしたプレゼン然とした振る舞いは、ともすれば聞き手との距離を生んでしまい他人事として受け取られかねません。相手が社員という身内の場合であれば、よりくだけたコミュニケーションを試してみるのも大切になります。
これまでに紹介してきたように、効果的なスピーチには経営者本人のストーリーや、聴衆の“個にフォーカスした”ようなメッセージが含まれます。つまりは個人と個人のコミュニケーションを築く意識が大切になります。
話し方も等身大にして、正直な想いを交わし合えるような雰囲気づくりにトライしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
トップスピーチは会社の目標や課題をシェアする大切な機会です。
しかしそれ以上に、経営者の考えや想いに触れ、モチベーションやエンゲージメントに繋げるための機会でもあります。
事務的な連絡に留まってしまうと、せっかくの目標もどこか他人事として受け取られ、メンバーと会社との距離が離れてしまうきっかけにもなりかねません。
経営者本人や社員の持つストーリーに着目し、個々人に届くようなメッセージを含めながら共感しあえるポイントを生み出すことを、ぜひ意識してみてください。
心を震わせるようなスピーチは、達成目標の解像度を上げるだけでなく、会社のために行動したいという意欲までも刺激してくれます。
メンバーとの関係性や会社の文化を踏まえながら、ぜひ自分らしいスピーチに挑戦してみてください。
また、Cultiveでは社内イベントや文化醸成のきっかけとなるような社内施策の伴走型サポートを行っております。優れたスピーチが、さらに心にダイレクトに響くような場面設計からお手伝いしております。
社内の意欲向上についてご検討中の方はぜひご相談ください。
この記事を書いた人
小名木 直子
Producer
オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。
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