キックオフミーティングとは
キックオフミーティングは、サッカーの試合開始を意味する「キックオフ」と会議の「ミーティング」を組み合わせた言葉です。
ビジネスにおいてはプロジェクトを正式に開始するために行われる重要な会議のことを指します。
新しく始まるプロジェクトの概要、目的、スコープ、チーム構成、タイムラインなどの重要な情報が共有され、参加者全員が方向性を正しく理解し、プロジェクトを達成するためにスタートを切る場となります。
キックオフミーティングを行う目的
新しく始まるプロジェクトに向けて、より理想的なスタートとするために、キックオフミーティングを開く目的を整理しておきましょう。
主な目的は以下の通りです。
- プロジェクトの目的や方向性を明確にする
- プロジェクト参加者の顔合わせを行う
- プロジェクト参加者のモチベーションアップ
- プロジェクト開始の節目を作る
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
プロジェクトの目的や方向性を明確にする
キックオフミーティングでは、そのプロジェクトに求められている成果やその達成までの方向性を明確に伝えるようにしましょう。
さらに、これらの目的や成果を達成することで、組織や顧客に対してどのような価値が生まれるかも伝えるようにしましょう。
そうすることでチーム全体の目標が共通になり、取り組みの意義をはっきりと認識することができ、モチベーションの高いスタートにつながります。
また、方向性が統一されていれば、プロジェクト進行中に迷いが生じても軌道修正がしやすくなります。
プロジェクト参加者の顔合わせを行う
プロジェクトによっては、他部署や社外のパートナーも含まれたり、参加人数が多くなることもあると思います。
初対面であったり、普段はあまり関わりのないメンバーと共に協働していく場合には最初に顔合わせをする機会を持つことは非常に重要です。
それぞれの役割や業務フロー、連携の仕方などを最初に確認することで、プロジェクト進行中のチームワークも発揮されやすくなるでしょう。
プロジェクト参加者のモチベーションアップ
メンバーが顔を合わせ、プロジェクトの方向性や意義を共有し合うことで、チームとしての一体感が生まれます。
この一体感は、プロジェクトを達成に向けて進めていく上で大切な要素です。
プロジェクトの目的を達成したときに生まれる価値をきちんと伝えて、モチベーションアップが高い状態でスタートを切れるようにしましょう。
プロジェクト開始の節目を作る
明確な開始時期がないプロジェクトは、別のプロジェクトの延長線上にあるものと誤解されたり、メンバー間のコミュニケーションも個別になりやすくなります。通常業務の中で忙しい中、新規のプロジェクトの始まりを明確にしないと、ひいては進捗の遅れやタスクの抜け漏れにも繋がりかねません。
プロジェクトが正式に開始されたことをメンバーが認識できることで、メリハリを持って準備に取り掛かることができます。
キックオフミーティングの種類
プロジェクトの規模、性質、参加者のカテゴリーに応じて、開催方法にもさまざまな種類があります。
主な種類は以下の通りです。
- 社内メンバーで推進されるプロジェクト用のキックオフミーティング
- 役員・スポンサーを含めたプロジェクト用のキックオフミーティング
- 社外メンバーを含めたプロジェクト用のキックオフミーティング
- アジャイルプロジェクト用のキックオフミーティング
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
社内メンバーで推進されるプロジェクト用のキックオフミーティング
社内メンバーで構成されたプロジェクトでは、通常、社内の会議室などで開催されることが多いです。
このミーティングの主な目的は、プロジェクトの概要や目的、スコープ、タイムライン、役割分担などを社内メンバーで確認し、明確にすることです。
また、部署間の協力体制を構築し、潜在的な課題を早期に特定することも重要な目的の一つです。
役員・スポンサーを含めたプロジェクト用のキックオフミーティング
役員やスポンサーを含めたプロジェクトを始める際には、そのプロジェクトの重要性や戦略的位置付け、予想される成果などを、上層部やスポンサーに向けて理解してもらうために開かれます。
主な話者はそのプロジェクトの担当者となり、プロジェクトの目的、期待される成果、必要なリソース、潜在的なリスクなどを簡潔に説明し、経営陣やスポンサーからの支援や承認を得ることが主な目的となります。
社外メンバーを含めたプロジェクト用のキックオフミーティング
クライアントや外部の協働パートナーが存在する場合は、それぞれの担当範囲や連携方法が特に重要になります。
プロジェクトの概要、目標、スコープ、役割分担、コミュニケーション方法などを明確にし、関係者間の信頼関係を構築します。
また、契約内容の確認や、プロジェクト成功の定義についても合意を得ることが重要です。
アジャイルプロジェクト用のキックオフミーティング
アジャイルプロジェクトとは、柔軟性と迅速な対応を重視するプロジェクトの管理手法です。この場合、プロジェクトのビジョンや大まかな目標を共有しつつ、詳細な計画は最小限に抑えます。代わりに、チームの自己組織化を促進し、定期的な振り返りと調整の重要性を強調します。
キックオフミーティングを実施する3つの方法
キックオフミーティングを効果的に実施するには、プロジェクトの特性や参加者の状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
主な実施方法は以下の3つです。
- 対面で実施する
- Web会議システムを活用する
- チャットツール上で実施する
ひとつずつ詳しく解説します。
対面で実施する
対面での集まりの場合は、社内の会議室や共用スペースなどを使って、チームメンバーが一か所に集まります。
この方法の最大のメリットは、参加メンバーが直接会うことができ、コミュニケーションを取れることです。
特に初対面であったり、普段は関わりの少ない他部署のメンバー、または社外の協働パートナーなどが含まれる場合には、お互いの人柄まで含めて知り合い、今後の連携をイメージするための貴重な機会となります。
一方で、遠隔地のメンバーがいる場合には、移動コストや時間的制約がデメリットとなる場合があります。
Web会議システムを活用する
遠隔地のメンバーなどが多い場合には、Zoomや Microsoft Teamsなどのウェブ会議ツールを使用した開催も効果的です。
地理的な制約をなくして集まれることと、画面共有機能などを使用することで情報共有もスムーズに行えるようになります。
ただし、話者と聞き手が分断されやすく、情報以外の温度感や雰囲気、人柄といったものは共有されにくいという特徴があります。
また、ネット環境などによっては大事な部分が聞こえなかったり、ノイズが多くて聞き取れないなどのトラブルも想定されます。
事前に通信環境を確認したり、ミーティング以外での個別なやり取りに配慮しながら、メンバーとチームの心理的距離が開かないように工夫しましょう。
チャットツール上で実施する
slackやChatworkなどのチャットツールでも、キックオフを行う場合があります。この場合には、テキストベースで情報共有や議論が行われます。
この方法の利点は、時差のある地域間や遠隔地でも均等に情報が行き渡ること、議事録が自動的に残るため後から確認しやすいことにあるでしょう。
一方で、参加者同士の顔は見れないため、ウェブ会議と同じく、個々人が抱えているリアルな心情を把握しづらかったりチームの雰囲気が掴みづらいという面もあります。
多くの場合は、短期プロジェクトのために簡易的なキックオフを開いたり、すでに慣れ親しんだメンバーのみでのプロジェクト発信に用いられる傾向があります。
キックオフミーティングの進め方
プロジェクトにとってより効果的な始まりとするためには、以下の手順を意識して進めることが重要です。
- キックオフミーティングを行う目的を明確にする
- プロジェクト参加者の役割を共有する
- プロジェクトの課題を提示する
- 参加者の自己紹介を行う
- 質疑応答の時間を設ける
ひとつずつ順番にご紹介します。
キックオフミーティングを行う目的を明確にする
まずは、全員が同じ場所に集まり、顔を合わせることの目的を明確にしておきましょう。
プロジェクトの概要や目的などの、基本的な情報を共有することはもちろんですが、今後推進していく上で障害となりそうな懸念点などもイメージし、ミーティングの場で適切なコミュニケーションが取れる様に準備をしておきましょう。
「かなり難易度が高いプロジェクトだからしっかりモチベートしておきたい」
「他部署のメンバーが多いから連携イメージを全員で明確にしておこう」
などの、チームやプロジェクトの特性に合わせて特に訴求すべきポイントや、クリアにしておくべき点を意識しておきましょう。
プロジェクト参加者の役割を共有する
複数人、または大人数で推進していく様なプロジェクトになると、それぞれの役割分担と連携がスムーズに行われることが重要です。
事前にそれぞれの役割を分担し、連携が取りやすいワークフローを組み立てておき、全員でそれを確認できるように準備をしておきましょう。
その際に、遂行が難しそうな点などもそれぞれから意見をもらい、難しい場合には役割配分を全員で相談するなどの調整も加えるといいでしょう。
こういった過程を通して、共通のプロジェクト達成に向けた協力体制も養われていくことが期待できます。
プロジェクトの課題を提示する
プロジェクトの目的や意義だけでなく、想定される課題も明確に提示する様にしましょう。
そうすることで、チーム全体で問題意識を高く持つことができ、その解決に向けた行動力やアイデアの創出も起きやすくなります。
課題を共有する際には、確認しやすいリスト形式や視覚的資料を用いて、全員が同じイメージを持てる様に配慮してみましょう。
参加者の自己紹介を行う
プロジェクトの参加メンバーを紹介するのも、キックオフミーティングの重要な役割です。
その後の連携を円滑に進めていくためには、それぞれの責任範囲や役割だけでなく、メンバー個々人の特性や人柄なども大事な要素となります。
それぞれの名前、所属、普段の業務内容などの情報だけでなく、プロジェクトへの意気込みや得意分野などのパーソナルな部分にも触れていくことで、チーム内の相互理解が深まることが期待できます。
質疑応答の時間を設ける
たとえ全員で集まっていても、リーダーからの一方的な情報伝達の場になってしまっては、コミュニケーションやチームワークは醸成されません。
メンバーからの質問や疑問、懸念点や課題感を持っているポイントを聞き出し、それに回答したり、ときには全員で考える時間も必要です。
こうした経験を通して全員のプロジェクトに対するイメージが共通化されたり、想定になかった新しい解決法が導き出されるきっかけにもなります。
キックオフミーティングを実施する際の注意点
開催にあたって注意すべき点はどんなものがあるのでしょうか。
以下に、代表的なものをいくつかご紹介します。
- 開催時期に気をつける
- キックオフミーティングの事前案内を送る
- 専門用語をなるべく使わないようにする
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
開催時期に気をつける
キックオフミーティングは通常、プロジェクト開始よりも少し前に行われます。
ただし、あまりにも早すぎるとプロジェクトが具体性を持たず、かえってその後の準備がおろそかになったり、プロジェクトそのものの印象も薄れてしまいかねません。
反対に、メンバーを集めるのがあまりに遅すぎると、プロジェクト開始までの猶予が十分に取れず、準備や調整が追いつかないままスタートすることになってしまいます。
メンバーの業務状況やプロジェクトそのものの準備も考慮しながら、1~2週間前に実施することをおすすめします。
キックオフミーティングの事前案内を送る
開催日時や場所の詳細が決定したら、早い段階で参加メンバーに案内文を出すことが重要です。
この案内には、ミーティングの目的、議題、参加メンバー、準備すべき資料などの情報を含めましょう。
事前案内を早めに送ることで、メンバーも業務スケジュールを調整しやすくなります。
専門用語をなるべく使わないようにする
特に複数部門や社外メンバーが参加する場合には、専門用語の使用に注意する様にしましょう。
限られた部署やチーム、特定の業務の中だけで用いられる用語を頻繁に使ってしまうと、情報格差が生まれやすくなります。
口頭で話す内容だけでなく、共有資料においても専門用語は可能な限り避け、必要な場合は説明を加えることをおすすめします。
これにより、参加者全員が同じレベルで議論をしやすくなります。
モチベーションを高める社内イベントならCultiveへ!
キックオフミーティングは、プロジェクトの成功に向けた重要な第一歩となります。
参加者の役割を共有し、達成イメージを提示することで、メンバーのモチベーションを向上させ、高い成果の実現にもつながりやすくなります。
また、プロジェクト単位だけではなく、全社単位で行われるキックオフも非常に重要な意味を持ちます。
来期に向けた意識を統一し、会社全体となって成長するための意欲を育む貴重な場です。
Cultiveでは全社総会やキックオフイベントをはじめとして、企業の成長に寄与するような社内イベントを幅広くサポートしております。
経営課題や達成目標からヒアリングし、それぞれの企業の“らしさ”が成長を後押しする力と変わるような企画をご提案します。
イベントに不可欠なデザイン/映像/空間装飾/当日運営のすべてをワンストップで担うことで、会社の想いにメンバーの心が震えるようなイベントをご提供いたします。
ご検討中の方はぜひお気軽にご相談ください。