よく耳にする「人的資本経営」とは?広まった背景から、実施のポイントを解説

2023.09.26
よく耳にする「人的資本経営」とは?広まった背景から、実施のポイントを解説

人的資本経営とは

こんにちは。「幸せに働ける」企業文化の醸成をサポートするCultiveです。

「人的資本経営」が広く唱えられるようになりましたが、「実はよく知らない・・・」という方もいるのではないでしょうか?
この記事では、今さら聞けない人的資本経営の基礎情報をご紹介します。

まず、人的資本経営とは「人材=資本と考え、適切な投資を行うことで企業の価値を引き出そうとする経営手法」を示します。
企業が投資するものには「有形資本・無形資本」の2種類があり、人材は無形資本に該当します。人材育成の際にも、人的資本経営の視点から「投資である」ことを明らかにするために、ゴールを明確にした設計をすることが重要になります。

人的資本経営が注目される背景を見る

人的資本経営は、2022年の「人材版伊藤レポート2.0発表」・2023年の「上場企業に対する人的資本の開示義務」といった流れから、非常に企業の注目を集めています。

ではなぜ、ここまで人的資本経営に目が向けられるようになったのでしょうか。

大きな理由は2点あります。

①イノベーションを起こす人材の需要

②ESG投資の観点

イノベーションを起こす人材の需要

近年ではデジタル化が著しく進み、テクノロジーの活用が一般的になっています。そこで、世の中の変化に対応できる、イノベーションを起こす人材に対する需要が高まっています。

市場価値の高い人材を採用するだけでなく、1人でも多くの従業員が価値を発揮できる企業を目指すために、人的資本経営が注目されるようになりました。

ESG投資の観点

投資家の中でも「ESG」の観点から投資先を選定すること(ESG投資)が増えてきました。

ESGとは、以下の要素を表しています。

Environment( 環境) : 温室効果ガス / 森林伐採といった環境問題に関する取り組み

Social(社会) : ダイバーシティや人口問題に関する取り組み

Governance(ガバナンス) : 健全な経営を行うための管理体制を整える取り組み

そして、人的資本経営は「Social(社会)」に結びつく取り組みとして重要視されています。

このことから、人的資本経営に注目する企業が増えていきました。

人的資本経営の実践に向けて抑えておくべきポイント

「人的資本」を理解しよう!

人的資源と人的資本 考え方の違い

「人的資本」を理解する上で重要になるのは、人材にかける費用=企業の成長に必要な投資と捉える視点です。対照的に、「人的資源」という言葉には、人材=消費される資源=コストという考え方があります。

この視点の違いが人材に対して費用をかけるかどうかに大きく影響するため、人的資本経営を行う上では覚えておきたいポイントです。

組織における人的資本の重要性

また、組織において「人的資本」が重要になる理由をご紹介します。

市場価値の高い人材を持った人材を確保することは、他社が模倣できない商品を作り続け、企業の成長に繋がります。

“人的資本経営が注目された背景”でも簡単に触れた通り、世の中の変化に対応できるような知識やスキルを持った人材がいることが、企業の成長や持続可能性に繋がります。

人的資本と企業の成果の関係を理解する

数多くの論文を元に、人的資本の質の向上が、業務上の成果や財務的な成果に繋がるということが示されています。言い換えると、知識や能力といった人的資本の質が強化されることで、商品の品質が向上し、最終的には売上に繋がるということです。

また、企業固有の人的資本が形成されていくことで「企業らしさ」が醸成され、最終的には離職率の低下に結びつきます。離職は、それまでに1人の社員に費やした費用の損失にも繋がるため、離職率の低下は財務的な成果の向上に繋がります。

このように人的資本と企業の成果が繋がっているため、現在では、人的資本経営に向けた取り組みとして、人事施策が重要視されています。

人的資本を強化する人事施策

人的資本を強化する人事施策として、大きく3つに大別されており、いずれも人的資本の強化に繋がることが明らかになっています。

①スキル向上施策:個人の知識 / 能力の向上を目指した研修など

②モチベーション向上施策:福利厚生など、充実した制度の設置など

③社員の参加機会の向上施策:チームビルディングなど

人的資本経営を実施するために

人的資本経営を実施するために必要なことを2点ご紹介します。

人事施策と企業方針の整合性を保つ

1点目は、人事の施策と企業方針の整合性を保つことです。

“人的資本を強化する人事施策”の説明をしましたが、そもそもこの人事施策がきちんと機能するためには、人事施策と企業方針の一致が重要です。

人的資本経営を行うにあたって人事に求められるのは、企業方針の実現に向けた人事施策を考え、推進することです。人事は、むやみに施策を考えるのではなく、まずは自社の方針理解からスタートしましょう。また、経営を行うにあたって「人材」が必須であるため、人事施策と経営方針の連動がとても大切です。

そのため、企業方針の実現に必要な人材を定義した上で自社に適した人事施策(採用・育成・配置など)を練る必要があります。特にマネジャーの役割をになっている方々は、企業方針を意識しながら施策を進めることが大切になります。

KPIを設定し達成度を測定する

そして人事施策を行うに当たり、KPIの設定が重要です。

実際に行ったKPIの達成度を測定し、企業目標の達成にどれだけ貢献したかを測る必要があります。

達成度を明確にすることが、人的資本経営の推進に大きく役立ちます。

まとめ

多くの企業が人的資本経営に目を向けている現在、しっかりと推進するために押さえておくべき要素を解説しました。

企業固有の人的資本が会社の「らしさ」を醸成するという観点でも、丁寧に企業方針とすり合わせて人事施策を行うことが進めることが大切になります。

本記事が人的資本経営の理解を深めるにあたり、少しでも参考になりましたら幸いです。

この記事を書いた人

小名木 直子
小名木 直子

Producer

オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。

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