この記事の監修者
佐藤 佳織
株式会社スペサン CHO
株式会社スペサンにて、CHO(Chief Happiness Officer)として社員幸福度を高める施策を企画・運用しながら、社外に対しても幸せに働く人を増やすためのカルチャー醸成のサポートを行う。カルチャー醸成のためのワーク設計実績は100を超える。
CultiveマネージャーでありスペサンCHO(Chief happiness Officer)の佐藤佳織(かおりん)とCultiveディレクター荒井萌(もえ)が、“働く幸せ”に関するノウハウを対談形式で幅広く発信中!
今回は従業員幸福度を高める具体的な施策についてご紹介したいと思います。
従業員の幸福度を高めたいと思った時、まずぶつかるのが「実際にどんなアプローチをしたらいいの?」という壁。
スペサンCHO(Chief Happiness Officer)として活躍している佐藤がその思考プロセスやサーベイの活用法、実際に行っている施策について話していきます。
目次
従業員幸福度を測定するためのサーベイ例
従業員幸福度を高める施策を検討するためには、まずは現状の把握が必要不可欠。
スペサンでは、パーソル総合研究所が出している「はたらく人の幸せ/不幸せ診断」を活用して、社員が抱える7つの因子について数値化しています。
(出典:パーソル研究所)
従業員幸福度について解説している記事はこちら!
サーベイのひとつの結果で施策を考えるのは危険!
荒井:佐藤さんはこれまで様々なワークを行ってきたと思うんですけど、そのあたりのリアルなお話を伺えますか?
佐藤:これまでの様々な取り組みを通して思うのは、何かネガティブなサーベイが出た時に、その要因は複合的に絡み合っているということ。
例えば、「はたらく人の幸せ/不幸せ診断」にしても、幸せの7因子を満たして、不幸せの7因子を減らすということを頭では理解できる。でも実際には、例えば「リフレッシュ因子がちょっと低めだからハッピーフライデー制度を導入しよう」と施策を行ったとしても、それによってやりたい仕事ができなくなったり、みんなで飲みに行ったのに自分だけ誘われなくて疎外因子が上がったりっていうことも出てきちゃう。
荒井:なるほど、いろんな要素が絡み合ってるんですね。
佐藤:そう!何か施策を行っても、それによって自己成長や自己抑圧が上がったり下がったり。結局大事なのは“バランス”なんだなって。
荒井:波もありますよね。オーバーワーク因子が上がっていると言っても、繁忙月には当然仕事も増えるだろうし。
佐藤:それで仕事量をコントロールしても、今度はそれによって役割認識や他者承認、自己成長が下がることもあるし、そもそも本当にオーバーワークなのかっていう問題も・・・。
荒井:確かに、どこからをオーバーワークと感じるかは個人によって違うかも。
佐藤:そういうのって、あくまで主観の問題だから。そんなに業務量が多くなくても、気持ちに余裕がなければきっとオーバーワークだと感じちゃうし。
オーバーワークだからリフレッシュできないのか、リフレッシュできていないからオーバーワークだと感じるのか。数値だけを見て「それならこれをやればいい」っていう、イコールでつながるような施策って、実のところないのが現状なんです。
だからこそ、ひとつの結果を見てそれに直結する施策だけを実施するのは意外と危険だったりもするんです。
サーベイの結果を材料にいくつかの仮説を立てて具体施策を!
荒井:そういった思考プロセスを経て辿りついた、自分なりの指標みたいなものってあるんですか?
佐藤:仮説を立てるということですね。様々なサーベイで出された結果があるけど、それがわかったからといって何かができるわけじゃない。でもそれらを仮説を立てるため、議論をするための材料にはできる。
様々な材料をパズルみたいに組み合わせて、「こういう可能性もあるかも」と検証していく。例えばオーバーワーク因子が上がっているなら、他の因子と組み合わせて「これだからこうなんじゃないか?」って10パターンぐらい仮説を立てて。
繁忙期だったり、新メンバーが入ったり、退社した人がいたり、様々な状況と照らし合わせて、最後はしっかりメンバーの声を聞いて、「これかもしれない」というものを導き出してそこにアプローチをするっていうやり方に辿りついた感じです。
実際に幸福度がアップした施策事例
荒井:具体的に効果を感じた施策について、個人的には、互いの事業部へのインタビュー施策がすごくよかったです。
佐藤:スぺサンには結婚式のプロデュースを担当する事業部と、クライアントに伴走して文化醸成を担う事業部があって、それぞれすごく仲はいいんだけど、実際お互いがどんな仕事をしているかは案外知らなくて。それで荒井さんにお願いして、双方にインタビューしてもらったんだよね。
荒井:自分としては知ってるつもりだったけど、実際お話を聞いてみたらまだまだ知らないことも多くって。こんな素敵な仕事をしているメンバーがいるんだって知ることができて、すごくよかったです。
佐藤:そうだよね。こういった施策はナレッジ共有とか、事業部間の隔たり解消のために行われることが多いんだけど、幸福度の観点から取り組んでみたかったんだよね。
「はたらく幸せ/不幸せ診断」でいうと、他者貢献因子に当たるところ。会社の人間として、どんな幸せを作っているのかというところに目を向ける。
あとは評価不満。別に評価されていないわけじゃないけれども、メンバーの間で賞賛をし合うことがもうちょっとあればいいなと。
そして自己成長。毎週のように結婚式をプロデュースしている中で、自分たちはどんな成長をしているんだろうということを改めて考える機会を作る。
相手の業務の知らなかった背景や自分自身の振り返りもできたり、インタビューを通して課題が見えてきたり。実際に現場にいるメンバーから収集する生の声こそ最大の材料になることが多いですよね。
まとめ
実際に従業員幸福度を高めようと施策を検討する時には、ひとつの結果だけに注目するのではなく、多方面から複合的な理由が絡んでいることを前提に、バランスの取れた施策にすることがポイントです。
実際のサーベイからの施策立案に悩んでいる、仮説のパターンを知りたい、など従業員幸福度を向上させたい方はぜひCultiveにご相談ください!
この記事を書いた人
髙野 美佳子
Producer
自身が大切にしたい「記憶が人の居場所になる」という想いと、スペサン(Cultive運営)のコンセプトである「人を幸せにする 心震える瞬間の創造」の重なりを見つけ、入社。現在はCultiveにてクライアント企業の課題に向き合いながら、何度でも思い出したくなる幸せな記憶を創造するべく邁進中。
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