壮行会とは?意味と開催目的を解説
新たな門出を迎える方を見送る際、「壮行会」という言葉を耳にする機会は多いでしょう。しかし、その意味や開催の理由まで、意外と知られていないかもしれません。
ここでは、壮行会の基本的な意味やその目的について以下の順に詳しく解説します。
- 壮行会の基本的な意味と語源
- 壮行会の目的は同僚の激励や応援
- 転勤や出張が決まった際に開催される
壮行会の基本的な意味と語源
壮行会の「壮行」には「旅立ちに際しその前途を祝し激励すること」という意味があります。つまり、壮行会とは、門出を迎えた人を応援し、送り出すための会を意味します。
また、壮行会はもともと戦場に出る武士を鼓舞する古来の儀式に由来しているとも言われています。その精神が現代にも受け継がれています。
現在では、スポーツ大会の前やビジネスシーンでの転勤・海外赴任前など、「新たな挑戦や出発を控える人」を同僚や上司が応援し、モチベーションを高める場として開かれます。
やや儀礼的な送別会とは異なり、壮行会は「行ってらっしゃい!期待していますよ!」という応援と期待の気持ちが込められたポジティブな会です。
壮行会の目的は同僚の激励や応援
壮行会は単なる別れの場ではなく、新天地での活躍を願い、励ますための場です。
幹事や同僚は、「頑張ってほしい」という気持ちで宴を準備し、主役にエールを送ります。これまでの感謝を伝え、今後への期待を込める絶好の機会でもあります。
主役にとっては、仲間からの応援を受け取ることで「次の場所でも頑張ろう」と気持ちを新たにするきっかけとなるでしょう。
特に転勤や海外赴任、出張など環境が大きく変わるタイミングでは、壮行会は精神的な支えにもなります。
転勤や出張が決まった際に開催される
壮行会とは「人の新たな門出を祝い送り出す会」であり、特に転勤・栄転、長期出張、留学、海外赴任など一時的に組織を離れ、再び戻ってくる可能性がある場面でよく行われます。この会の目的は、にぎやかに盛り上げながら、送り出される人の活躍を願い、気持ちを込めて励ますことです。
なお、送別会と混同されやすいですが、送別会は「戻らない人」、例えば退職や転職者を対象に別れを惜しむ意味合いが強くなります。この違いについては、あとの章で詳しく解説しますので併せてご覧ください。
壮行会と送別会の違いとは
壮行会と送別会は、どちらも人を送り出す際に開かれる行事ですが、その目的や開催のタイミングには明確な違いがあります。混同されがちなこの2つの違いを正しく理解しておくと、場面に応じた適切な対応ができるようになります。
それでは、それぞれの違いや使い分けについて、以下の項目に分けて詳しく見ていきましょう。
- 壮行会と送別会の意味の違い
- 職場や学校での使い分け方
- 壮行会と送別会の両方をおこなう場合もある
壮行会と送別会の意味の違い
壮行会と送別会は、一見同じ「送り出す会」のようですが、目的や気持ちの方向性が明確に異なります。
このように、壮行会は「前向きな門出」を祝し、送別会は「別れを惜しむ」ためにそれぞれ目的や雰囲気が異なります。同じ“送り出す”でも、その意味合いは大きく異なります。
職場や学校での使い分け方
職場や学校では、イベントの目的に応じて「壮行会」と「送別会」を明確に使い分けることが大切です。
職場
- 送別会‥退職・転職・異動など、「戻らない別れ」を想定し、これまでの功績に感謝し惜しむ会
- 壮行会‥転勤・長期出張・海外赴任・出向など、「戻ってくる可能性がある旅立ち」に対して、前向きなエールを送る応援の会
学校・部活動
- 送別会‥卒業や引退
- 壮行会‥大会遠征や海外研修などへの出発
幹事や主催者は、「今回が別れの会なのか、それとも応援の会なのか」をはっきりとさせることが大切です。意図に沿った案内文作成や進行、雰囲気作りが、会の成功につながります。
壮行会と送別会の両方をおこなう場合もある
会社や団体によっては、送別会と壮行会を同時に開催するケースもあります。これは、退職や転職などの「別れの要素」と、転勤・海外赴任・留学などの「門出の応援」を一度に行いたい場合があるからです。
会の構成としては、以下のような流れが一般的です。
- 前半(送別):これまでの功績を称え、感謝と別れを伝える時間
- 後半(壮行):未来への激励として、応援の言葉やプレゼントを渡す時間
この形式では、主役の状況や参加者との関係性に合わせて柔軟に計画できます。
例えば、『退職後、希望する職場に再雇用される』といったケースでは、別れと新たな門出の両方を祝う温かい会となります。送り出しと迎え入れの両方を担う温かい会となります。
壮行会の流れと準備チェックリスト
壮行会を成功させるには、事前の準備と当日の進行をしっかり整えることが大切です。限られた時間のなかで主役の心に残る会にするためには、段取りと準備のチェックが欠かせません。
ここでは、幹事が押さえておきたい基本的な流れとチェックポイントを以下の順で紹介します。
- 開催までのスケジュール例
- 壮行会で幹事が用意すべきものリスト
- 壮行会当日の進行例
開催までのスケジュール例
壮行会を成功させるには、綿密な準備が不可欠です。以下に、会のスムーズな開催に向けたスケジュールをご紹介します。
主役を気持ちよく送り出すためにも、このチェックリストを活用し、余裕を持って準備を進めましょう。
エンゲージメントにつながるような壮行会を希望している場合は、上記以外にも、会全体のコンセプトやメッセージも考案してみましょう。会社の理念や文化に紐付けたコンセプトは、送り出される本人だけでなく参加者のエンゲージメントにもつながります。
また、会中のコンテンツや映像などもコンセプトに則って制作することで、全体のクオリティが格段に上がります。
壮行会で幹事が用意すべきものリスト
壮行会を成功させるには、事前の準備が鍵を握ります。
幹事としてスムーズに会を運営するため、以下に準備すべきものをカテゴリ別にまとめました。このリストを活用し、細部まで気を配る「気が利く幹事」を目指しましょう。
壮行会当日の進行例
壮行会当日、幹事は円滑な進行を心がけ、主役が気持ちよく新たな門出を迎えられるよう努めましょう。以下に示す一般的な進行例をテンプレートとして活用し、会の流れを把握しておくと安心です。
壮行会で喜ばれるプレゼント例
新たな門出を祝う壮行会では、主役への感謝と応援の気持ちを込めたプレゼント選びも重要です。
ここでは、贈られる側が「もらってうれしい!」と感じるような、心温まるプレゼントのアイデアを、以下の3つのカテゴリに分けてご紹介します。
- 実用的なビジネス用品
- 賞状や名前入りの商品などの記念品
- 主役の趣味や好みに合った商品
実用的なビジネス用品
壮行会のプレゼントとして、新天地での活躍を後押しする実用的なビジネス用品は定番です。日々の業務で役立つアイテムは、贈る側の心遣いが伝わる品といえるでしょう。
「高級ボールペン」や「名刺入れ」、「パスケース」は、年齢や性別を問わず長く使える人気アイテムです。
また、出張が多い方には「モバイルバッテリー」や「海外用変換プラグ」なども実用的でしょう。
選ぶ際のポイントは、性別や年代、そして転職先の業種を考慮すること。
クリエイティブな職種にはデザイン性の高い文具、営業職には使いやすい名刺入れなど、相手に合わせたアイテムを選びましょう。
賞状や名前入りの商品などの記念品
壮行会において、主役の新たな門出を祝福しこれまでの感謝を伝えるには、形として残る記念品が最適です。手元に残る品は、贈られる側にとって今後の活躍を支える大切な思い出となるでしょう。
例えば、「名前入りタンブラー」は日々の生活で使ってもらえ、贈った側の温かい気持ちが伝わる一品です。
また、職場の仲間からのメッセージが詰まった「寄せ書き色紙」や、これまでの功績を称える「感謝状風の賞状」は、まさに形に残るプレゼントの代表例です。
これらは、主役が新天地で困難に直面した際にも、きっと心の支えとなるに違いありません。
主役の趣味や好みに合った商品
壮行会で主役を心から喜ばせたいなら、その人の趣味や人柄を深く反映させたプレゼントが最適です。
例えば、スポーツ好きな方には、応援している「チームのグッズ」や「スポーツブランドのウェア」などが最適です。
お酒好きな方へは、「名入れの美しいグラス」や、普段なかなか手が出せない「高級ウイスキー」を贈れば、特別な一杯を楽しむ時間を提供できます。
また、読書好きな方には、「電子書籍リーダー」や書店で自由に選べる「図書カード」も喜ばれるでしょう。
このように、相手が本当に求めるものや熱中しているものを選ぶことで、よりパーソナルなメッセージとなり、忘れられない壮行会の思い出を彩ってくれます。
壮行会にふさわしい挨拶・スピーチ例
壮行会での挨拶やスピーチは、主役へのエールと感謝を伝える重要な場面です。心温まるメッセージで、新たな門出を祝福しましょう。
アップ時に「壮行会の挨拶で印象に残る!おもしろい乾杯&締めのスピーチ例まとめ」のリンクを追加
幹事(主催者)の挨拶例
会の冒頭で、参加への感謝と会の目的を簡潔に伝え、和やかな雰囲気を作れるようにしましょう。
例文:皆様、本日はお忙しい中、〇〇さんの壮行会にお集まりいただき誠にありがとうございます。私は、本日の幹事を務めます△△と申します。
さて、本日は、このたび新たな挑戦のステージへと旅立つ〇〇さんの前途を祝し、皆様で盛大に応援したいと思います。
〇〇さんには、これまで大変お世話になりました。その感謝の気持ちと、今後の更なるご活躍を願って、短い時間ではございますが心ゆくまで語り合いましょう。
それでは、皆様、グラスをお持ちください。〇〇さんの新たな門出を祝して、乾杯!
同僚からのスピーチ例
主役との個人的なエピソードを交えつつ、親しみやすい言葉で応援の気持ちを伝えます。
例文:皆様、こんにちは。私、〇〇さんとは入社以来、ともに多くのプロジェクトで汗を流してきた同期の□□です。本日は、〇〇さんの壮行会で、このようなご挨拶の機会をいただき、大変光栄に思います。
入社以来、ともに多くの難題を乗り越え、徹夜時にいただいた温かいコーヒーの味は忘れられません。これから寂しくなりますが、新天地でのさらなるご活躍を信じ、心から応援しています。
主役からの挨拶例
参加者への感謝を丁寧に伝え、今後の抱負や決意を前向きに語ります。
例文:本日は素晴らしい壮行会を開いていただき、誠にありがとうございます。
〇〇課での△年間は、かけがえのない大きな財産となりました。温かいご指導や支えてくださった上司・同僚の皆様には感謝の言葉もございません。
皆様の激励を胸に、新天地でも精一杯努力し、一回りも二回りも成長できるよう精進します!皆様、どうもありがとうございました。
まとめ
壮行会は、新たな挑戦へと旅立つ仲間を応援し、その仲間の未来を激励する前向きな会です。
送り出される本人だけでなく、その姿を見届けるメンバーの心にも残るような会を実現することで、エンゲージメント向上にもつながる大切な機会となります。
ここで紹介したのは一般的な準備や式次第ですが、組織の歴史や文化に紐づいたオリジナルの企画にもぜひ挑戦してみてください。
また、Cultiveでは壮行会やキックオフをはじめとしたさまざまな社内イベント、文化醸成施策のサポートを行っております。目には見えづらい会社の“らしさ”を抽出し、共感されるようなストーリーに変えて届ける企画をご提案いたします。
ご検討中の方はぜひご相談ください!