Mission / Vision / Valueの設定方法!お飾りにならないための実践型MVV導入!

2023.03.28
Mission / Vision / Valueの設定方法!お飾りにならないための実践型MVV導入!

社会や経済状況が刻一刻と変化する現代において、強固な経営理念を持てるかどうかは会社存続に関わる大きな要素となります。経営理念が社員に浸透することで日頃の行動レベル向上が見込めるだけでなく、迷いのない意思は重大な経営判断を下す局面においても頼れる指針となります。また、社会的意義を持った理念を掲げ、実践していくことで、顧客の共感を得やすくなり、強力なファン層獲得が推進される期待もできます。

自社の強みは何なのか、その強みを活かしてどのように未来社会に貢献していくのか、そのために成長させていくべきポイントはどこにあるのか。こういったことを分析し、自社の「らしさ」を強めていくことで、長期的な事業成長も実現しやすくなるでしょう。

この記事では、企業の理念の基盤となるMission / Vision / Valueの特徴や、その策定ポイントをご紹介します。

「社員の意識統一を図るための拠り所が欲しい」

「今掲げている理念はいまいちしっくりこない」

「会社のフェーズと社会的変化を受けて従来の理念を刷新したい」

このようなことをお考え中の方の参考になりますと幸いです。

Missionとは?

MIssion(ミッション)とは、企業が社会の中で果たすべき使命や解決すべき社会的課題を掲げたものです。その企業が社会の中で果たすべき役割を掲げたものでもあり、会社の存在意義を示すものでもあります。

例えば医療系の企業であれば、世界が抱える医療課題を解決していくことを掲げたり、製品製造の企業であれば、自社製品を通して人々の生活や人生をより豊かにすることを自社の存在意義として掲げることもあります。

Mission型の企業の多くが、世界や社会の情勢に危機感と使命感を抱いており、その解決のために尽くすことをモチベーションとしています。

Visionとは?

Vision(ビジョン)とは、企業が実現したい未来社会や叶えたい自社の未来像を掲げるものです。「業界内のシェアNo.1になる」や「世界進出を果たす」のような、自社が目指すポジションを示す場合もありますが、SDGsが設定されてサステナブルな世界を求める現代においては、より社会貢献的な意味合いを含めたビジョンを掲げる企業が多くなりました。

「業界の不和を解決し、すべての人に機会が開かれた未来をつくる」

「自社のテクノロジー革新を通して、世界中の人が笑顔になれる未来を創造する」

などの、より広い目線で未来社会を捉えるVisionが増えている傾向にあります。

Valueとは?

Value(バリュー)は価値観、価値基準の意味で用いられ、その組織内において共通となる価値観を示します。「創造性を追求する」「お客様に誠実に向き合う」などのような、社員の行動規範として作用させることも多く、各社の事業を推進していくうえで欠かすことのできない価値観となります。

バリューがよく浸透している会社では、社員の日頃の業務における行動規範として作用しており、一人ひとりが会社の理念を体現するような自発的行動を起こしています。そのため、ユーザーやステークホルダーにも会社の存在価値を認知してもらいやすくなり、企業価値が上がるという効果が期待できます。

MVVの策定方法

良い理念は企業の性格を反映し、企業の成長を後押しします。効果的なMVV策定のためには、自社の目指す姿と現在の状況を踏まえて考えることが重要になります。基本となる策定ステップの例を紹介いたします。

① PEST分析

PEST分析とは、社会状況を分析するためのフレームワークの一種で、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの観点から成り立っています。

自社の介入する業界のみならず、広い視野で社会状況の全体を捉え、その中で自社が果たすべき使命や解決すべき課題を見極めましょう。そうすることで、顧客に還元すべき価値や、今後成長させるべき分野を明確にイメージすることができるようになり、長期的な会社の成長を描く助けとなります。

② 3C分析

3C分析とは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の、3つの領域から自社の戦略を決定する手法です。顧客のニーズの指向性やその変化、ライバルとなる競合の動きを分析し、自社の生み出せる価値や独自性を再確認します。特に、自社の独自性を見極めることは、今後に成長させるべき事業領域や、そのために必要なステップを明確にするために有効となります。

③ 目指す未来=Visionを定める

現状の社会動向と自社の独自性を分析できたら、それらを踏まえて自社が目指す未来像を描きます。ポイントとしては、自社の成長した姿に止まらず、自社が貢献したことで実現されるであろう未来社会を描くことです。そうすることで、自社の単なる利益成長にとどまらず、社会全体の中で自社が発揮すべき価値がイメージできるようになります。

④ 果たすべき使命=Missionを定める

Visionで描いた未来像を実現するために果たさなければならない使命がMissionとなります。理想的な未来社会を実現するためにハードルとなっている課題は何なのかを洗い出し、自社が貢献すべき課題を見極めましょう。

⑤ 会社の価値観=Valueを定める

Valueは会社の価値観であると同時に社員の行動規範となります。Missionを実行していくために社員に求められるアクションを洗い出すことでValueは定められます。また、そういったアクションを実践し続けるために社員に求める人物像を加えることもあります。

以上がMVV策定までの基礎的なステップとなります。

MVVは策定することがゴールではなく、それを社内に浸透させ、社員の一人ひとりが高いレベルで体現できるようになって初めて価値を発揮します。そのためにも、長期的な浸透施策とセットで理念を策定していくことが重要になります。今、感じている課題感や想いを言葉にするだけではなく、数年後、数十年後の未来でも掲げられる言葉であるかも含めて、自社の「らしさ」や風土にフィットした継続性のあるものを目指しましょう。

よくある失敗事例

MVVを策定したもののうまく機能していない、社員に浸透していないという例は少なくありません。失敗の原因となる代表的な例をご紹介いたします。

理想が高すぎる

目指したい未来像や社会的使命に制限はありませんが、高すぎる理想は現実味がなく、「絵に描いた餅」になりかねません。事業成長を叶えるためには、今いる社員に支持されるMVVでないと意味がありません。唱えている未来像に社員が共感してくれるか、果たしていく使命に現実味があるか、日々の業務との接続はされているかなどをよく検討する必要があります。社員が日頃従事している内容とリンクして、かつ、その少し先にある未来を訴求できるようなイメージを描いていきましょう。

語っていることと実態に乖離がある

上記に関連しますが、掲げているMVVと業務内容が乖離していると社員のモチベーション低下に繋がります。例えば、「社員の創造性を育む」ことを価値観として掲げている会社の実態が、同じフレームワークの繰り返しだったら、社員は新しいことに挑戦する意欲を失っていきます。また、社会的課題の解決をMissionとして掲げている会社の実態が、目先の利益ばかり追求していると、社員は自社の存在意義に懐疑的になります。

MVVと日常業務が接続されていること、理念で語られている価値を本気で追求していく姿勢を示すことも、失敗しないための大切なポイントになります。

評価制度などに活かされておらず「絵に描いた餅」になっている

社員の行動規範となるValueは、ともすれば、社員に高い行動レベルを求めるだけのものになり、ただのプレッシャーとなってしまいます。その実践を社員にただ求めるのではなく、体現した社員を賞賛することも理念浸透の上では大切なポイントになります。価値観が評価制度に活かされていないと社員のモチベーション低下の原因になるだけでなく、「理念の体現イメージを会社側が描けていないのではないか」という不信にも繋がりかねません。

価値観に沿った評価制度を設定し、社内表彰式などの施策を通してその普及を試みましょう。

コロコロ変わる

MVVが何度も変わってしまうと、会社の目指す未来や価値観への信頼が薄れます。「会社の言うことを信じていいのだろうか」「この会社についていって大丈夫だろうか」という離職の原因にもなりかねません。また、理念浸透やその結果にある行動変化を生むためには、ある程度の期間が必要になります。早計に何度もMVVを変えてしまうと、それらの結果を得ることもできません。もちろん、フィットしていないMVVを更新することも大切なことですが、変更を繰り返さないためにも慎重に策定することをおすすめします。

経営者がMVVの運用に乗り気じゃない

そもそも経営者がMVVに積極的でない、もしくは理解度が低いと意味がありません。MVVは策定して終わりではなく、その浸透のためには様々な社内施策を長期的に行なっていく必要があります。また、採用現場や多様な資料においてもMVVを反映し、ときには経営者自らがMVVを社員に説く必要があります。

会社の未来や使命に社員が共感し、その実践に本気で取り組んでもらうためには、まずは経営者が信念を持っていることが何よりも重要になります。

策定する際には経営者の指向を読み解き、本人が心から信じられるものになるようにすることが重要なポイントになります。

また、その普及と浸透に至るまでに期間が必要であることを、経営者を含めたプロジェクトメンバーが理解していることも大切です。

 

MVVの特徴と導入のためのポイント、いかがでしたでしょうか。

社会状況の変動や働き方への価値観変容に伴い、会社の在り方にも変化が求められている現代。変化の波を乗り越えるためにも、会社の存在基盤となるような理念の有無は、会社の存続にも大きく影響します。

存在意義を明確にし、社員のエンゲージメントにも繋がるようなMVVは、ひいては事業成長を後押ししてくれます。現状の理念にお悩み中の方、会社の新たなフェーズに伴って刷新をお考え中の方はぜひ参考にしてみてください。

なお、Cultive(カルティブ)では企業の想いに寄り添った理念策定と、その後の文化浸透施策をサポートしています。経営者や社員へのヒアリング調査を通して、会社の成長課題にアプローチできるような理念と施策をお手伝いいたします。お困りの際はぜひご相談ください。

 

この記事を書いた人

小名木 直子
小名木 直子

Producer

オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。

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