研修・就活選考でワークショップを活用するメリットとデメリット
ワークショップを導入する前に、企業側が得られるメリットと注意すべきデメリットを理解しておくことが重要です。ここでは以下の2点を解説します。
- 企業側から見たメリット5つ
- 導入前に理解すべきデメリット3つ
企業側から見たメリット5つ
ワークショップを研修や選考に取り入れることで、企業は多くの価値を得られます。
具体的には以下の5つのメリットが挙げられます。
- 主体性と当事者意識が高まる
- 実践的なスキルが身につく
- 多様な視点とイノベーションを創出できる
- チームワークと組織力が向上する
- 研修効果を可視化しやすい
講義を聞くだけの研修と違い、ワークショップでは自ら考え、意見を出し、行動する場面が多いため、参加者の主体性が引き出されます。座学で学んだ知識も大切ですが、実際に手を動かしながら学ぶことで、業務で使える技術やノウハウが定着しやすくなるのです。
異なる部署や階層のメンバーが集まることで、普段は出てこないアイデアや新しい切り口が生まれ、組織の活性化につながる点も見逃せません。グループで課題に取り組む過程で、コミュニケーション能力や協働スキルが自然と磨かれ、社内の連携強化にも寄与します。
さらに、成果物や発表内容、参加者の行動が目に見える形で残るため、人事担当者が効果測定や改善につなげやすくなる点も大きなメリットです。
導入前に理解すべきデメリット3つ
一方で、ワークショップにはいくつかの課題も存在します。
導入前に理解しておくべきデメリットは以下の3つです。
- ファシリテーターの質で成果が左右される
- 準備と運営に工数がかかる
- 参加者のモチベーション差が生じやすい
進行役のスキルが不足していると、議論が停滞したり、一部の参加者だけが発言したりする状況に陥りがちです。この対策として、社内でファシリテーター研修を実施したり、経験豊富な外部講師に依頼したりする方法があります。
プログラム設計、会場手配、資料作成、当日の運営など、座学研修に比べて準備すべきことが多くなる点も注意が必要です。ただし、事前にテンプレート化したり、過去の実施内容を蓄積したりすることで、2回目以降の負担は軽減できます。
積極的に参加する人がいる一方で、消極的な姿勢を取る人も出てくるため、事前にワークショップの目的を丁寧に説明したり、アイスブレイクで場の雰囲気を和らげたりすることで、全員が参加しやすい環境をつくることが大切です。これらのデメリットを理解した上で適切に対処すれば、ワークショップは十分に成功させることができます。
研修就活に役立つワークショップの種類と選び方
ワークショップにはいくつかの種類があり、目的や場面に応じて使い分けることが重要です。ここでは以下の4つを紹介します。
- 研修型ワークショップ
- 問題解決型ワークショップ
- チームビルディング型ワークショップ
- 採用型ワークショップ
研修型ワークショップ
研修型ワークショップは、社員のスキル向上や知識習得を目的としたプログラムです。新人研修、階層別研修、スキルアップ研修など幅広い場面で活用されています。
具体的には、新人研修でのビジネスマナー実践ワークや、中堅社員向けリーダーシップ研修、営業スキル向上を狙ったセールス研修、新システム導入時の操作研修などが代表例です。
このタイプのワークショップでは、実務に直結する技術や知識を体験的に学べるため、参加者の即戦力化が期待できます。座学で得た理論を実際に使ってみることで、理解が深まり定着しやすくなるでしょう。
問題解決型ワークショップ
問題解決型ワークショップは、組織が抱える課題の解決策を参加者全員で考えるプログラムです。業務改善、新規事業アイデア創出、部門横断プロジェクト、組織課題の解決などに活用されます。
たとえば、業務プロセス改善ワークショップでは、現場の声を集めながら非効率な部分を洗い出し、具体的な改善案を作成します。新製品アイデア出しのブレインストーミングや、顧客満足度向上施策の立案、コスト削減アイデアの検討なども、この形式でよく行われます。
多様な視点から解決策を発見できるため、イノベーション創出につながりやすく、参加者の当事者意識も醸成されるでしょう。
チームビルディング型ワークショップ
チームビルディング型ワークショップは、社員同士の関係性構築と組織の一体感醸成を目的としたプログラムです。組織活性化、部署間連携強化、リーダーシップ育成、新チーム立ち上げ時などに実施されます。
部署横断のアクティビティ型ワークショップや、新入社員と既存社員の交流ワークショップ、リーダー候補育成プログラム、プロジェクトチームのキックオフワークショップなどが具体例です。
この形式では、コミュニケーションの活性化、社内ネットワークの構築、心理的安全性の向上といった効果が得られます。業務を離れて共同作業に取り組むことで、メンバー同士の信頼関係が深まります。
採用型ワークショップ
採用型ワークショップは、新卒採用の選考過程やインターンシップで実施するプログラムです。応募者の実践的な能力や協働スキル、人物像を評価するとともに、企業理解を促進する目的があります。
グループ選考、インターンシップ、内定者フォローなどの場面で活用され、コミュニケーション能力、リーダーシップ・フォロワーシップ、論理的思考力、チームワーク、ストレス耐性といったポイントを評価するものです。
面接だけでは見えない応募者の本質を把握できるため、ミスマッチ防止に役立ちます。実際の業務に近い状況を体験してもらうことで、応募者側も企業との相性を確認しやすくなります。
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効果的なワークショップ設計の進め方
ワークショップの成功は、事前準備で8割決まります。このセクションでは、企画段階から実施後までの5つのステップを解説します。

目的とゴールを明確化させる
ワークショップ設計の第一歩は、目的とゴールを明確にすることです。
まず、解決したい課題を特定しましょう。「なぜワークショップを実施するのか」を明確にすることで、プログラム全体の方向性が定まります。社員の主体性不足、部署間連携の弱さ、新人の早期離職など、経営課題や人事課題と紐付けることが重要です。
次に、具体的な到達目標を設定しましょう。「研修後に参加者がどうなっているべきか」を定義し、測定可能な目標を立てます。たとえば「〇〇について説明できる」「△△のスキルを実践できる」といった形です。SMART原則(具体的、測定可能、達成可能、関連性、期限)に沿った目標設定を意識すると、評価しやすくなります。
最後に、成果物やアウトプットを定義しましょう。ワークショップで何を生み出すかを明確化することで、参加者のゴールイメージが共有されます。アイデアリスト、改善提案書、アクションプラン、スキル習得証明など、形に残るものを設定すると効果的です。
プログラムの内容を設計する
次に、目的達成に向けた具体的なプログラム設計を行います。
まず、テーマとワーク内容を選定します。目的に沿ったテーマを設定し、参加者の属性(階層、経験年数、部署)に応じて難易度を調整しましょう。インプット(講義)とアウトプット(ワーク)のバランスを取ることも大切です。
次に、タイムスケジュールを作成します。推奨される時間配分は、導入10%、個人ワーク20%、グループワーク40%、発表・共有20%、振り返り10%です。90分に1回、10分程度の休憩時間を確保し、予定より10〜15%長めにバッファ時間を設けると、スムーズに進行できます。
グループ編成の方法も検討します。適切な人数は4〜6名が理想です。部署や階層を混ぜるか固めるかは、ワークショップの目的によって判断しましょう。リーダー、書記、タイムキーパーなどの役割分担を決めておくと、グループ内の動きが活性化します。
ファシリテーターを選定・育成する
ワークショップの成否を左右するファシリテーターの選定と育成も重要な要素です。
ファシリテーターには、中立的な立場で進行する力、参加者の意見を引き出す傾聴力、議論を整理・可視化する力、場の雰囲気を読み取る観察力、タイムマネジメント能力が求められます。
社内人材を選定する際は、コミュニケーション能力が高く、参加者から信頼されている人物を選びましょう。特定部署に偏らない中立的な立場であることも重要です。可能であれば、ファシリテーション研修の受講経験がある人材が望ましいです。
社内ファシリテーターを育成する方法としては、外部研修への派遣、OJT形式での実践経験、先輩ファシリテーターのサポート役からのスタート、定期的な振り返りとフィードバックなどがあります。経験を積むことで、徐々にスキルが身についていくでしょう。
当日の運営・フォローを実施する
ワークショップ当日の運営フローと各段階のポイントを押さえましょう。
オープニングでは、ワークショップの目的とゴールを再確認し、タイムスケジュールを共有します。グランドルールを設定し、「他者の意見を否定しない」「時間を守る」「全員参加」といった約束事を明示することで、心理的安全性が高まります。アイスブレイクで緊張をほぐす時間も5〜10分確保しましょう。
個人ワークでは、まず一人で考える時間を10〜15分設けます。付箋やワークシートを活用し、ファシリテーターは質問対応に徹します。
グループディスカッションでは、個人ワークの内容を共有し、意見交換と議論の深掘りを行いましょう。ファシリテーターは議論の整理・可視化をサポートし、全員が発言できる雰囲気をつくります。
発表・全体共有では、各グループの成果を3〜5分程度で発表し、質疑応答時間を確保します。他グループからのフィードバックも有効です。
クロージングでは、学びを言語化し、「今日の気づき」を共有しましょう。次のアクションを明確にし、アンケートを実施することで、今後の改善につなげられます。時間押しや消極的な参加者への対応など、トラブル発生時の対処法も事前に考えておくと安心です。
フォローアップと効果測定を実施する
ワークショップ後のフォローアップと効果測定が、次回の質向上につながります。
まず、研修直後にアンケートを実施します。満足度、理解度、有益度を5段階評価で測り、自由記述で具体的な感想や改善点を収集しましょう。「明日から実践したいこと」を記入してもらうと、参加者の意識も高まります。
次に、行動変容を追跡調査しましょう。1ヶ月後、3ヶ月後にフォローアップアンケートを行い、上司や同僚へのヒアリングで実際の業務での変化を確認します。
効果測定の指標は、定量指標(テスト点数、目標達成率、生産性向上率)と定性指標(スキル習得度、モチベーション変化、コミュニケーション改善)の両面で設定することが効果的です。
最後に、次回研修への改善を反映します。アンケート結果を分析し、改善点を洗い出してPDCAサイクルを実践することで、ノウハウが社内に蓄積されていきます。
ワークショップを成功させるための5つのポイント
初めてワークショップを実施する人事担当者が押さえるべき5つのポイントを解説します。これらを意識すれば、失敗リスクを大幅に減らせます。
- 明確なゴール設定を参加者にも共有する
- 実施内容に応じた適切な人数を設定する
- アイスブレイクを導入して場の雰囲気を和らげる
- 適切な作業環境とツールを準備する
- オンライン・ハイブリッド型ワークショップも検討する
明確なゴール設定を参加者にも共有する
ゴールを参加者全員と共有することで、同じ方向を向いて取り組める環境が整います。「何のためにやるのか」が明確になると、モチベーションが向上し、集中力も高まります。成果の評価基準が明確になる点も見逃せません。
効果的なゴール共有の方法として、オープニングで口頭とスライド表示の両方で明確に伝えることが基本です。「本日のゴール」を紙に書いて会場に掲示したり、参加者に「ゴールを自分の言葉で言い換える」ワークをさせたりする方法も有効です。途中で迷ったらゴールに立ち返る習慣をつけましょう。
ゴール設定の具体例を挙げると、「チームワークを高める」といった抽象的な表現は避けるべきです。「本日の議論で出たアイデアを3つ以上、来週の会議で提案できる状態にする」のように、具体的で測定可能な形にすることが大切です。
実施内容に応じた適切な人数を設定する
人数設定は、ワークショップの成否に直結します。人数が多すぎると発言機会が減り、意見がまとまらず、時間も足りなくなります。逆に少なすぎると、意見の多様性が減り、議論が活性化せず、役割分担も偏りがちです。
目的別の最適人数として、ディスカッション中心なら4〜6名が理想です。アイデア出し(ブレスト)では5〜8名、作業・制作系は3〜4名、発表準備は4〜5名が目安となります。
人数設定の判断基準は、ワーク内容(議論か作業か)、実施時間(短時間なら少人数、長時間なら多めも可)、参加者の属性(初対面なら少人数から)、会場の広さと設備などを考慮して決めましょう。
グループ分けの工夫としては、部署・階層を混ぜて多様な視点を得る方法、あえて同じ部署でまとめて実務直結の議論をする方法、くじ引きでランダムに新たな出会いを促す方法などがあります。
アイスブレイクを導入して場の雰囲気を和らげる
アイスブレイクは、参加者の緊張をほぐし、心理的安全性を確保するために欠かせません。アイスブレイクには発言しやすい雰囲気をつくり、グループメンバー同士の距離を縮める効果があります。
効果的なアイスブレイクの例として、自己紹介ワークがあります。「名前、部署、最近嬉しかったこと」をグループ内で共有する5分程度のワークです。共通点探しも人気で、グループメンバーの共通点を3つ見つける5分間のワークは盛り上がります。
簡単なクイズも有効で、ワークショップのテーマに関連する軽いクイズで場を温める3分程度の活動が適しています。
アイスブレイク実施のポイントは、時間を5〜10分程度に収めること、難しすぎず誰でも答えられる内容にすること、業務に関係ないライトな話題から始めること、ファシリテーターが率先して雰囲気づくりをすることです。
適切な作業環境とツールを準備する
会場・環境の整備として、適切な広さ(1人あたり2〜3㎡が目安)を確保し、机の配置はグループワークしやすいアイランド型にすることがおすすめです。照明・空調は明るすぎず暗すぎず、快適な室温に調整しましょう。
騒音対策として外部の音が入らない静かな環境を選び、BGMや観葉植物でリラックスできる雰囲気をつくるのも効果的です。
必要なツール・備品のチェックリストとして、基本ツールにはホワイトボード、マーカー、付箋、模造紙、筆記用具を用意します。発表用機材としてプロジェクター、スクリーン、マイク、PCも必要です。参加者配布物には、ワークシート、資料、名札、タイムスケジュールを含めましょう。その他、タイマー、カメラ(記録用)、予備の筆記用具もあると安心です。
環境とツールの準備不足が集中力を削ぐことを念頭に置き、事前準備を徹底することが大切です。
オンライン・ハイブリッド型ワークショップも検討する
オンライン型のメリットとして、地理的制約がなく全国の拠点から参加できる点、会場費・交通費のコスト削減、移動時間の削減による業務効率化、録画・録音で振り返りが可能な点が挙げられます。
一方で、オンライン型には参加者の集中力維持が難しいという課題もあります。これについては、60分ごとに休憩を取り、カメラONを推奨し、リアクションを促進する対策が有効です。
非言語コミュニケーションが取りづらい点には、チャット・リアクション機能を活用し、表情豊かに話すことで対処します。グループワークの進行が難しい点は、ブレイクアウトルームを活用し、明確な指示出しを心がけることで解決できます。
ハイブリッド型(対面+オンライン併用)のポイントとして、対面参加者とオンライン参加者の公平性を確保し、オンライン参加者が疎外感を感じないよう配慮することが重要です。ファシリテーターは両方に目配りし、発言機会を均等化するためオンライン参加者を優先的に指名するとよいでしょう。
コロナ禍以降、オンライン・ハイブリッド型が選択肢として定着しました。対面が必ずしもベストではないという視点を持ち、状況に応じて最適な形式を選ぶことが大切です。
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研修・就活採用に意義のあるワークショップづくりはCultiveへ
いかがでしたでしょうか。
ワークショップを研修や就活選考に取り入れることは、参加者の実践力や協働スキルを引き出すだけでなく、組織の活性化や人材育成の質向上にもつながります。目的に応じた種類の選択、丁寧な事前準備、効果的な運営によって、企業の成長を支える貴重な機会となるでしょう。
Cultiveでは、ワークショップの企画・設計から当日の運営サポート、効果測定まで幅広くお手伝いしています。企業ごとの課題や文化に合わせたプログラムを提案し、参加者が主体的に学び、成長できる場づくりを実現します。
「研修の効果を高めたい」「採用選考の質を向上させたい」そのような課題を抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
企業の”らしさ”が参加者の心に宿り、行動に変わり、会社を後押しする”強み”になるまで、Cultiveはパートナーとして伴走いたします。



































