内定承諾後の辞退はよくある!4つの原因
内定承諾後に辞退が起きる背景には、いくつか共通した理由があります。ここでは、人事担当者が把握しておきたい代表的な原因を整理します。
- 他社からより条件の良い内定が出た
- 入社までの期間で不安が大きくなった
- 家族や周囲から反対や助言を受けた
- 就職活動を通じて価値観が変化した
他社からより条件の良い内定が出た
内定を承諾した後も、就職活動を完全に終える学生は少なくありません。とくに第一志望の結果待ちや、条件面で迷いがある場合、承諾後も他社選考を続ける傾向があります。
給与や勤務地、働き方、企業規模などは比較されやすい要素です。承諾時点では大きな差がないと感じていても、他社から具体的な条件提示を受けることで判断が覆るケースもあります。条件の違いが明確になるほど、「より納得できる選択をしたい」という気持ちが強まり、結果として辞退に至ることがあります。
入社までの期間で不安が大きくなった
内定承諾から入社までの期間が長い場合、不安が徐々に大きくなることがあります。内定後の連絡やフォローが少ないと、「本当にこの会社で大丈夫だろうか」という疑問が膨らみやすくなります。
仕事内容や配属先のイメージが湧かないまま時間が過ぎると、気持ちが離れてしまうケースも見られます。とくに周囲の就活状況や他社の話を聞く中で、不安が増幅され、最終的に辞退を選択することがあります。
家族や周囲から反対や助言を受けた
就職の意思決定は、本人だけで完結するものではありません。親やパートナーなど、身近な人の意見が大きく影響することは珍しくありません。
家族から「勤務地が遠い」「会社の将来性が不安」といった指摘を受け、改めて考え直すケースもあります。本人が気づいていなかった懸念点を、客観的な立場から指摘されることで迷いが生じ、最終的に辞退に至ることもあります。
就職活動を通じて価値観が変化した
就職活動を重ねる中で、自身の価値観や就職軸が明確になることもあります。活動初期には重視していなかった要素が、次第に重要に感じられるようになるケースです。
たとえば、働き方や成長環境、企業文化への関心が高まることで、内定先とのズレを意識するようになります。その結果、「今の自分には合わない」と判断し、承諾後であっても辞退を選ぶことがあります。
そもそも内定承諾後の辞退はできる?基礎知識を解説
内定承諾後の辞退については、企業側が誤解しやすい点も多くあります。ここでは、法的な位置づけや基本的な考え方を整理します。
- 法的には内定承諾後でも辞退は可能
- 内定承諾書に法的な拘束力はない
- 内定辞退と承諾後辞退の違い
- 損害賠償請求は現実的に困難
法的には内定承諾した後でも辞退は可能
内定承諾後であっても、辞退は法的に可能です。民法第627条第1項では、期間の定めのない労働契約について、労働者は2週間前に解約の意思表示をすれば契約を終了できると定められています。
内定承諾書を提出した段階では、「始期付解約権留保付労働契約」が成立していると解釈されるのが一般的です。このため、企業側が辞退を法的に阻止することは困難です。感情的に納得しがたい場合でも、法律上は辞退の権利が認められている点を理解しておく必要があります。
内定承諾書には法的な効力がない
内定承諾書は、あくまで入社意思を確認するための書類です。「辞退不可」といった文言を記載していても、法的な拘束力を持つものではありません。
内定承諾書は契約書ではなく、意思表示の一環として位置づけられます。企業側が過度に効力を期待すると、トラブルの原因になります。承諾書の役割を正しく理解したうえで運用することが重要です。
内定辞退と内定承諾後の辞退の違い
内定辞退は、内定通知後から承諾前に辞退することを指します。一方、内定承諾後の辞退は、承諾書提出後に辞退するケースです。
企業側への影響は、承諾後の辞退のほうが大きくなります。配属計画や入社準備が進んでいる分、調整の負担が増えるためです。両者を明確に区別し、影響範囲を把握しておくことが大切です。
内定承諾後の辞退への損害賠償請求は困難
法的には損害賠償請求が可能な場合もありますが、実際に認められるケースは極めて稀です。「著しく信義則に反する」と判断される必要があり、ハードルは高いとされています。
訴訟にかかるコストや、企業イメージへの悪影響を考えると、現実的な選択肢とは言えません。企業側は「辞退は起こり得るもの」という前提で対策を考える必要があります。
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内定承諾後に辞退された際の企業側のリスクと影響
内定承諾後の辞退は、企業にさまざまな影響を及ぼします。ここでは、人事担当者が社内説明に使える具体的なリスクを整理します。
- 採用コストの損失
- 事業計画や組織体制への影響
- 準備済み備品や研修費用への影響
採用コストの損失
内定承諾後の辞退では、採用にかかったコストが無駄になる可能性があります。求人広告費や人材紹介会社への手数料に加え、選考に関わった採用担当者や面接官の工数も含まれます。
人材紹介会社経由の場合、年収の30〜35%程度の手数料が発生することもあります。さらに、選考対応にかかった時間を人件費として換算すると、見えにくい損失も大きくなります。
事業計画や組織体制への影響
配属予定だった人員が確保できないことで、部署の人員計画が崩れることがあります。新規プロジェクトの開始が遅れたり、既存社員の業務負担が増えたりする可能性もあります。
たとえば、4月入社予定の人材が辞退した場合、数か月にわたって人員不足が続くケースも考えられます。事業計画全体への影響を見据えた対応が求められます。
準備済み備品や研修費用への影響
名刺や社員証、パソコンなど、すでに発注済みの備品が無駄になることもあります。外部研修を予約していた場合、キャンセル料が発生するケースもあります。
社宅や寮の契約を進めていた場合には、解約費用がかかることもあります。こうした準備コストは、辞退のタイミングによって影響の大きさが変わります。
企業は内定承諾後の辞退を拒否・引き止めできるか
内定承諾後の辞退に対し、企業がどこまで対応できるのかは重要なポイントです。法的根拠と実務の両面から整理します。
- 法的に辞退を拒否することは困難
- 過度な引き止めはリスクがある
- 理由のヒアリングは重要

法的に辞退を拒否することは困難
労働者には契約を解約する権利があり、企業が一方的に辞退を拒否することはできません。「辞退を認めない」と主張しても、法的な効力はありません。
強制的に就労させることは不可能であり、企業側は辞退を受け入れざるを得ないのが現実です。無理な引き止めに労力を使わない判断も重要です。
引き止め交渉はパワハラと受け取られるリスクあり
過度な引き止めや脅迫的な言動は、パワハラと受け取られる可能性があります。「訴える」「損害賠償を請求する」といった発言は、法的リスクを伴います。
候補者がやり取りを録音している可能性や、SNSで拡散されるリスクも考慮する必要があります。感情的な対応は、企業イメージに深刻な影響を与えかねません。
内定承諾後の辞退は理由のヒアリングが重要
辞退理由を丁寧にヒアリングすることで、解決できる場合もあります。給与や勤務地など、条件面で調整の余地があるケースも考えられます。
本人の意思が固いのか、迷いがあるのかを見極めることが大切です。ヒアリング内容は、今後の採用活動の改善にも活かせます。
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内定承諾後に辞退連絡を受けた際の適切な対処法
実際に辞退連絡を受けた場合、冷静で一貫した対応が求められます。ここでは、実務で役立つ対応フローを整理します。
- 本人の意思を丁寧にヒアリングする
- 社内への報告と情報共有
- 辞退承認の連絡を行う
- 再募集を検討する
丁寧に本人の意思をヒアリングする
まずは冷静に話を聞く姿勢が重要です。辞退理由を丁寧に確認し、意思が固いのか迷いがあるのかを見極めます。
感情的にならず、プロフェッショナルな対応を心がけます。改善できる点があるかを確認することで、今後の参考にもなります。
社内への報告と情報共有を済ませる
経営層や配属予定部署へ速やかに報告し、採用計画の見直しが必要かを共有します。備品発注や研修手配の停止など、関係部署への連絡も重要です。
対応方針を社内で統一することで、混乱を防げます。
辞退を承認するメールを作成・送付する
辞退を承認する旨は、メールで正式に通知します。感情的な表現は避け、事務的かつ丁寧な文面を心がけます。
返却物や貸与物がある場合は、その確認も行います。記録を残すことで、後のトラブル防止につながります。
再募集を検討し実施する
状況に応じて、再募集や他候補者への再オファーを検討します。入社予定日までの期間や部署の緊急度を踏まえ、判断します。
配属計画やスケジュールの再調整も含め、関係部署と連携して進めることが重要です。
内定承諾後の辞退におけるトラブルを避ける注意点
辞退対応では、企業側が避けるべき行動があります。リスク回避の視点で整理します。
- 感情的な対応をしない
- 脅迫的な言動を避ける
- 過度な引き止めをしない
感情的な対応は避ける
怒りや不満を表に出すと、企業全体の評判を下げる可能性があります。冷静で一貫した対応が、ブランドを守ることにつながります。
担当者自身の精神的な負担にも配慮が必要です。
法的リスクを防ぐため脅迫的な言動は避ける
「訴える」「損害賠償を請求する」といった発言は、法的リスクを伴います。無理に入社を迫る行為も避けるべきです。
トラブルに発展する可能性を常に意識する必要があります。
過度な引き止めはせず本人の意思を尊重する
何度も連絡を取る、強く説得するといった行為は逆効果です。意思が固い場合は、潔く受け入れる姿勢が重要です。
将来的な再応募の可能性も考え、良好な関係を保つ意識が求められます。
内定承諾後の辞退を防ぐための予防策
内定承諾後の辞退は、事前の工夫で減らすことが可能です。採用プロセス全体を見直す視点が重要になります。
- 承諾前の意思確認を丁寧に行う
- 内定後から入社までのフォロー体制を整える
- 内定承諾書の目的を明確にする
- 情報開示を徹底する
内定承諾前の意思を丁寧に確認する
承諾前に志望度や他社状況を確認することで、ミスマッチを防げます。承諾を急がせる対応は、後の辞退につながるリスクがあります。
不安点を事前に把握し、解消する面談が有効です。
内定から入社までのフォロー体制を構築する
月1回程度の定期連絡や懇親会、職場見学などを通じて関係性を維持します。相談窓口を設けることで、不安を早期に拾えます。
内定承諾書の制作目的と回答期限を明記する
内定承諾書は意思確認であることを明確にし、辞退時の連絡方法も記載します。回答期限は適切に設定することが重要です。
採用プロセスを改善し情報を開示する
選考スピードや情報開示を見直すことで、候補者体験を向上させます。待遇やキャリアパスを正確に伝えることが、辞退防止につながります。
入社前のエンゲージメント対策やオンボーディングならCultiveへ
内定承諾後の辞退を防ぐには、入社前からのエンゲージメントづくりが欠かせません。候補者が安心して新しい環境を選べるよう、継続的な関係構築が重要です。
Cultiveでは、内定者フォローやオンボーディング設計を通じて、定着につながるサポートを行っています。
内定承諾後の辞退や入社前の不安に課題を感じている場合は、採用プロセス全体を見直すことが改善への第一歩になります。ぜひお気軽にご相談ください。



































