オンライン社員総会とは
オンライン社員総会とは、社員が遠隔地から参加できる形式で開催される社内イベントです。
ZoomやMicrosoft TeamsなどのWeb会議ツールを活用し、場所にとらわれず情報共有や一体感を図る手段として導入が進んでいます。
内容は年次報告や経営方針の共有、成果発表、社員表彰など多岐にわたり、士気や帰属意識の向上に寄与します。
オンライン開催により、地方・海外の社員も参加しやすくなり、公平な運営やコスト削減といった利点もあります。
企業の理念やビジョン、そして理念を体現した事例などを全社的に共有する機会でもあり、エンゲージメントを高める場としても重要な施策になります。
オンライン社員総会の需要が増えている背景
オンライン社員総会の導入が進んでいる主な理由は次の通りです。
- リモートワークの増加
- ビジネスのグローバル化
- 議事録記録の負担軽減
詳しく解説します。
リモートワークの増加
コロナ禍を契機に急速に普及したリモートワークは、その後も多くの企業で定着し今や新たな働き方のスタンダードとなりつつあります。
社員が本社に常駐せず、地方拠点や海外オフィス、自宅など多様な場所で業務にあたる中、企業として全社員に一斉にメッセージを伝える手段がより重要になっています。
遠隔勤務の社員も含め「どこにいても同じ場に参加できる」というオンライン社員総会の特性は、働き方の多様化に対応しながら、組織としての一体感や方向性の共有を図るうえで大きな意義を持ちます。
ビジネスのグローバル化
ビジネスのグローバル化が進む中、海外に拠点を持つ企業や国内外で多拠点展開を行う企業が増えています。
その結果、従来型の「全社員集合型」の社員総会は、実施が難しい状況に直面しています。
社員総会をオンラインで開催すれば、タイムゾーンや距離といった壁も乗り越えながら全社員が同時に情報を共有できます。
近年はZoomやMicrosoft Teamsなどの会議ツールにおいて同時通訳機能や多言語字幕が活用される例も増えており、グローバル企業にとって実用性の高い選択肢となっています。
また日本国内でもDX※の推進にともない、社内イベントのオンラインの活用が前向きに検討されるようになってきました。
※DX(デジタルトランスフォーメーション):デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや業務プロセス、組織文化、企業風土などを抜本的に変革し、競争優位を確立すること
議事録記録の負担軽減
オンライン社員総会が注目される理由の一つに、議事録作成の効率化があります。
ZoomやMicrosoft Teamsなどのツールでは、会議の録画や文字起こし、AIによる議事録の自動生成が可能で、手書きや手動での記録作業が不要になります。
さらに録画データを社内共有すれば、参加できなかった社員のフォローや再視聴による情報浸透にもつながります。GoogleドライブやBoxといったクラウドストレージを使えば、議事録や資料もリアルタイムでの共有が可能になります。
こうした利点が評価され、オンラインでの社員総会を導入する企業が増えつつあります。
【株式会社シーユーシー・ホスピス様】医療現場を支えるメンバーを讃えるオンラインイベント『エピソードキャンバス』の開催レポート
社員総会をオンラインで実施するメリットとデメリット
オンライン社員総会には利点もあれば課題もあります。ここでは主なメリットとデメリットを紹介します。
- 【メリット】社員総会への参加率アップやコスト削減
- 【デメリット】通信環境や臨場感の欠如
詳しく見ていきましょう。
【メリット】社員総会への参加率アップやコスト削減
オンライン社員総会の大きなメリットは、参加率の向上とコスト削減です。
リモート勤務や出張中の社員も場所を問わず参加できるため、物理的制約のある対面開催よりも出席率が高まりやすくなります。
実際、全国に10拠点を持つ企業が、社員の異動なしで同時に参加できる体制を整えた例もあります。さらに、開催にかかる交通費・会場費・人件費などのコストも大幅に削減可能です。
また、総会の様子を録画・共有すれば、業務都合で参加できなかった社員も後日視聴でき、情報共有の効率化にもつながります。
こうした柔軟な対応ができる点でも、オンライン開催は多様化する働き方に適した手段といえます。
【デメリット】通信環境や臨場感の欠如
オンライン社員総会のデメリットとして、まず通信環境の不安定さが挙げられます。参加者側のネット接続や機器の不具合により音声や映像が途切れると、進行に支障をきたす可能性があります。
また、画面越しでは対面のような臨場感や一体感が得にくく、特に表彰式や懇親会などは盛り上がりに欠ける傾向があります。
さらに、参加者が受け身になりやすく、長時間の視聴で集中力が続かないといった課題もあります。
こうした課題には、チャット機能の活用やクイズ・アンケートの導入など、双方向のコミュニケーションを意識した工夫が必要です。
オンラインならではの演出やコンテンツを取り入れることで、参加者が主体的に参加できるような会を目指しましょう。
オンライン社員総会の企画〜実施の準備ステップ
オンライン社員総会を成功させるには、事前の丁寧な準備が不可欠です。
ここでは、スムーズに進行するための準備ステップを確認していきます。
- 企画|目的設定・日程調整・招集通知
- 準備|配信ツールの選定とシステム準備
- 当日運営|進行計画とタイムスケジュール
- 事後対応|議事録作成とアンケート集計
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
1. 企画|目的設定と日程調整
オンライン社員総会の成功には、まず事前準備が重要です。
最初のステップは、総会の開催目的とゴールを明確に設定することです。
経営方針の共有、表彰、全社的な交流など、目的に応じて内容や進行も変わってきます。
また、この目的に応じてイベントのタイトルやコンセプトを考えてみましょう。それらのイメージは会のキービジュアルなどに活かすことで、より明確に会の雰囲気を参加者に伝えるアイテムとなり、全体的な統一感や目的を印象づける手立てとなります。
次に、日本各地や海外拠点の社員も参加できるよう、時差や業務状況を考慮した日程調整を行います。
社員への招集は、メールや社内チャットツールを活用し、出欠確認もあわせて行います。
「出欠管理ツール」や「リマインド通知」の導入により、出席率の向上や情報の行き違いを防ぐ工夫も効果的です。
2.準備| 配信ツールの選定とシステム準備
オンライン社員総会では、配信ツールやシステムの準備が欠かせません。
よく使われるツールには、Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどがあります。それぞれに特徴や接続制限などもあるので、参加人数や機能に応じて選定しましょう。
また、安定した配信にはマイク、カメラ、モニター、ミキサーといった機材が必要になります。社内にノウハウがない場合は配信スタッフの手配を早めに検討して、安定した配信環境を作れるようにしましょう。
参加者には、事前に視聴用URLとログイン方法を案内し、当日の混乱を防ぎましょう。
さらに、事前のテスト配信や接続確認を行い、通信トラブルや操作ミスのリスクを軽減して準備を進めましょう。
3. 当日運営|進行計画とタイムスケジュール
オンライン社員総会の当日は、スムーズな進行と時間管理が成功の鍵を握ります。
一般的な構成例としては、オープニングから始まり、経営報告、表彰、クイズや交流タイムを挟み、クロージングで締める流れが多く、全体で約90分程度が目安です。
各パートに適切な時間を割り振り、さらにバッファを設けることで、多少の遅れにも柔軟に対応できます。
運営役は常にタイムスケジュールと実際の時間経過を見比べながら、必要に応じてプログラムの変更や司会者への指示を出すようにしましょう。
また、万が一の回線トラブルなどに備え、複数の連絡手段や再接続の手順を共有しておくと安心です。
4. 事後対応|議事録作成とアンケート集計
社員総会終了後のフォローも、オンライン開催を成功させる重要なプロセスです。
まずは議事録を作成し、録画データをもとに要点を簡潔にまとめましょう。
経営報告資料や総会動画を社内で共有すれば、当日参加できなかった社員への情報提供にもなります。
また、Googleフォームなどを使ってアンケートを実施し、進行や内容に関する意見を集めることで、次回以降の改善につながります。
社員の声を反映させながらイベントを更新していくことで、組織全体のエンゲージメント向上にもつながります。
オンライン総会を成功させる5つのポイント
オンライン総会を円滑に進めるには、対面とは異なる工夫が必要です。
ここでは、トラブルを防ぎ参加者の満足度を高めるための5つのポイントを紹介します。
- インタラクティブな仕掛けを用意
- 表彰やメッセージの演出でモチベーションアップ
- 配信環境とスタッフの整備
- 社内向けリハーサルの実施
- スムーズな双方向コミュニケーションを工夫
それぞれ確認してみましょう。
1. インタラクティブな仕掛けを用意
オンライン総会では参加者が受け身になりがちなため、インタラクティブ(双方向のやりとりができること)な仕掛けを取り入れることが効果的です。
たとえば、チャット機能を活用してリアルタイムで質問を受け付けたり、ライブ投票やクイズを取り入れることで参加意識を高められます。
ZoomやTeamsにはスタンプやリアクションボタンなども備わっており、気軽に反応を示せる点も魅力です。
こうした仕掛けを取り入れることで、参加者の集中力や満足度が向上し、双方向性のある一体感ある総会の実現につながります。
2. 表彰やメッセージの演出でモチベーションアップ
オンライン総会でも、工夫次第で一体感を演出し社員のモチベーションを高めることができます。
たとえば、表彰式では受賞者の名前や写真・映像を画面に映し出すことで、注目度や特別感を演出できます。さらに社長からのビデオメッセージを挿入することで、トップからの感謝や期待がより伝わりやすくなります。映像演出や音響効果を活用すれば、臨場感のある進行も可能です。
こうした工夫は、オンラインでも「会社として一つになっている」という一体感を参加者に感じてもらう大切な要素となります。
3. 配信環境とスタッフの整備
オンライン総会を安定して運営するためには、配信環境とスタッフの整備が不可欠です。
まず、高速かつ安定したインターネット回線を確保し、映像や音声の途切れを防ぎましょう。マイク・カメラ・照明といった機材も事前に品質をチェックし、聞き取りやすく見やすい環境を整えることが大切です。
また、当日はトラブル対応のためにテクニカルサポート担当者を配置し、配信の監視や機器の対応ができる体制をつくっておくと安心です。
通信障害や機器の故障などが起きた際に備えて、迅速に復旧や代替手段を講じるための「リカバリープラン」を事前に準備しておくことも重要です。
これによりトラブル発生時もスムーズに対応でき、参加者への影響を最小限に抑えられます。
4. 社内向けリハーサルの実施
オンライン社員総会の成功には、司会進行者や登壇者を含めた全員での流れ確認が欠かせません。
本番さながらの配信テストを行い、音声や画面の映り、画面切り替えなどの操作を入念にチェックします。
さらに、トラブルが発生した場合の対処フローを全員で共有し、迅速かつ冷静に対応できる体制を整えましょう。
とくにオンライン開催が初めての企業では、このリハーサルの実施が本番の質を大きく左右するため、入念な準備をおすすめします。
5. スムーズな双方向コミュニケーションを工夫
オンライン総会でスムーズな双方向コミュニケーションを実現するには、事前にチャットやQ&A機能の使い方を参加者へ丁寧に説明・案内することが大切です。
発言時のルールとして「名前を名乗ってから意見を述べる」などを定めると、発言が円滑に進みます。また、ファシリテーターが積極的に参加者の意見を拾い上げ、発言を促す工夫も効果的です。
こうした取り組みは、質問しやすい雰囲気を作り出し、全員が参加しているという意識を高めることにつながります。オンラインでも一体感を持った総会の実現に欠かせないポイントです。
オンライン社員総会を実施するうえでの注意点
ここでは、オンライン社員総会を滞りなく進めるための主な注意点をまとめました。
- なりすましを防ぐ本人確認を実施する
- オンラインでの議決権行使や委任状作成の要件を決める
- オンラインでの出席方法や発言方法を周知しておく
- 議事録にはWeb会議システムを利用したことを明記する
それぞれチェックして準備を進めましょう。
なりすましを防ぐ本人確認を実施する
オンライン社員総会では、なりすましを防ぐための本人確認が重要です。
社員番号や氏名を使ったログイン認証を導入し、社内限定アカウントのみが参加できるように制限することで外部からの不正アクセスを防げます。さらに、入室時にカメラをONにして本人確認を行う方法も効果的です。
特に経営方針や重要な情報を共有する場面では、こうした対策がリスク管理の一環として欠かせません。
安全で信頼性の高いオンライン総会運営のために、本人確認体制の整備は必須と言えます。
オンラインでの議決権行使や委任状作成の要件を決める
オンライン社員総会で議決権を適切に行使するには、議決対象の範囲を明確に定めることが重要です。これにより、参加者がどの事項に対して投票できるかを明確に把握できます。
Googleフォームや専用の投票ツールを活用すれば、オンラインでの効率的かつ正確な投票管理が可能です。また、委任状についてはメールの添付ファイルやクラウドサービスによる事前提出を認めることで、柔軟な対応が実現します。
ただし、これらの方法は社内規程や就業規則に準じてルールを整備し、法的な問題を避けることが大切です。制度に合った運用が、円滑な議決権行使を支えます。
オンラインでの出席方法や発言方法を周知しておく
オンライン社員総会を円滑に進めるためには、参加者への出席方法や発言方法の周知が欠かせません。
まず、使用する配信ツールの入退室手順をわかりやすく案内しましょう。発言はチャット機能や挙手ボタン、必要に応じてミュート解除など、ルールを明確に伝えることが大切です。
また、安定した運営のためには発言者のネット環境への配慮も欠かせません。周囲の雑音や接続不良は参加者の集中を妨げるため、環境整備を徹底することが求められます。特にオンラインスピーカーには、静かで通信環境の良い場所から接続してもらうよう、事前に注意喚起しておきましょう。
初めて参加する社員にも理解しやすいガイドやマニュアルを作成・配布すると、スムーズな参加が期待できます。
議事録にはWeb会議システムを利用したことを明記する
議事録の最後には「本会議はオンラインで実施した旨」を記載しましょう。使用したWeb会議システム(ZoomやTeamsなど)を明記しておくことも重要です。さらに、出席者の記録としてログ一覧を明示し、録画データの保管方法についても記しておくと安心です。
こうした証跡を残すことで、社内の監査や外部監査の際に会議の正当性や透明性を証明できます。
オンライン開催ならではの運営記録として後々のトラブル防止や信頼確保に役立つため、議事録作成時に必ず反映しましょう。
スムーズなオンライン総会づくりはCultiveへ
オンライン社員総会は、地方拠点やメンバーとの距離を超えてつながり合う大切な機会です。
開催の目的や準備の注意点、オンラインならではの難しさや工夫に配慮しながら、想いを分かち合うイベントづくりを目指してください。
また、Cultiveでは全社総会や表彰式といった大規模なオンラインイベントにも数多くのサポート実績がございます。
企業の“想い”や“らしさ”を抽出し、参加者の心に届くような企画をご提案いたします。
イベント開催に不可欠なデザイン/映像/BGM/配信システムの設営などもワンストップで制作し、ストーリーに根差したイベントをご提供いたします。
オンラインイベントの開催をご検討中の方はぜひご相談ください。