こんにちは!「人と企業を幸せにする文化づくり」をサポートしているCultive(カルティブ)です。
「新年度が始まってから少し経った8月前後に、心身の不調を訴える社員が増えている」
そんなお悩みはありませんか?もしかするとそれは「8月病」かもしれません。
8月病にはさまざまな要因が関係しており、症状も人によって異なります。放置すると深刻な精神疾患にもつながるため、予防と早期発見が重要です。
この記事では、8月病の症状や原因、そして会社ができる具体的な対策について詳しく解説します。8月病を未然に防ぎ、社員が健康的に働ける職場作りを目指しましょう!
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目次
8月病とは
8月病とは、夏の暑さや精神的なストレスが原因となり、8月前後にあらわれる身心の不調です。症状が仕事に支障をきたすレベルにまで進行し、「適応障害」や「うつ」と診断されることもあります。
新しい環境に慣れ始めた新入社員だけでなく、異動や昇進を経てキャリアの転換期にある中堅社員や管理職にも見られる現象です。
本人の健康に支障をきたすだけではなく、業務の滞りや離職の原因ともなりえるため、早期の対応が課題となります。
5月病と8月病の違い
5月病と8月病には、「発症時期」と「原因となるトリガー」に違いがあります。
5月病は、新しい環境に対する不安や適応の問題が主な原因です。5月前後は、新しい仕事にも環境にも慣れていないため、心身に大きな負担がかかりやすい時期です。
いっぽう8月病は、新しい環境に慣れたあと、たまった疲れや業務へのプレッシャーが原因となって発症します。また、8月前後は、夏の暑さも不調に繋がる時期です。
このように、5月病は「始まりのストレス」、8月病は「継続と反動のストレス」がトリガーとなっています。5月は最初の壁、8月は中間の見直しが上手くいかずに起こる不調といえるでしょう。
8月病の症状
8月病では以下の症状がみられます。
- 頭痛
- 食欲不振・消化不良
- 不眠・過眠
- 集中力・思考力の低下
- 気分の落ち込み
- 無価値観
このように、8月病の症状は体と心の両方に表れます。
「今まで好きだったことに興味がなくなる」「仕事の効率が下がり単純なミスが増える」「常にからだがだるく休んでも疲れがとれない」などの様子がみられたら注意が必要です。
また、「自分に自信がもてない」「自分に価値を感じられない」といった精神状態に陥ることもよくあります。
症状は人によってさまざまで、感じ方にも個人差があるため、「みんなも同じはず」「まだ大丈夫」と思って、8月病が悪化していくケースも少なくありません。真面目で頑張りすぎてしまう人ほど陥りやすい症状でもあります。
8月病によくある3つの原因
8月病にはさまざまな要因がありますが、ここでは以下の3つの原因について考えます。
- 研修を終えて1か月経ったストレス
- 夏休み・お盆休み後の反動
- 社内の人間関係による悩み
原因を知り、適切な対策に役立ててみてください。
研修を終えて1ヵ月経ったストレス
8月病の原因の1つは、研修後に発生するストレスです。1〜3ヵ月ほどの研修期間を終え、本格的な業務に入るタイミングでの発症が多いのはこのためです。
研修期間中は、慣れない環境や過密スケジュールの中、情報を大量にインプットすることで、心身に大きな負担がかかります。習熟度テストやチームワークが求められる場面では、プレッシャーもあるでしょう。
数ヵ月間の研修期間を乗り越えると、現場での業務が待っています。研修中とは異なり、現場では自ら動く積極的な姿勢が求められ、そのギャップに悩む社員も少なくありません。
アウトプットがうまくいかないと自信を失い、仕事への不安や悩みが増大します。さらに、悩みを相談できる環境がない場合、そのストレスが解消されず、8月病を発症する確率が高まります。
夏休み・お盆休み後の反動
夏季休暇やお盆休みの反動も、8月病のよくある原因の1つです。
「リフレッシュ後の現実復帰に心がついてこない」という感覚は、誰もが経験するものです。休み中にリフレッシュしても、現実に戻ることで一気に疲れが出て、社会生活への復帰にストレスを感じてしまうのです。
夏休みには、4月からの緊張が一気に緩み、蓄積されたストレスや疲労が出てくるものです。それまで一生懸命働いていた反動で、休暇中にリラックスし過ぎて生活リズムが崩れると、休み明けに日常生活モードに戻すのが難しくなります。急に戻そうとすると、8月病の症状が悪化してしまうかもしれません。
また、この時期は暑さによる疲労も加わります。精神的なストレスと暑さによる疲れが重なり、自律神経のバランスが乱れ、8月病の原因になるのです。
社内の人間関係による悩み
8月病のよくある原因の3つ目は、社内の人間関係による悩みです。社員同士のコミュニケーションの不和や価値観の相違など、社内にはさまざまな人間関係の悩みが存在します。
4月の配属や部署異動の後、しばらくして環境に慣れてくると、人間関係のトラブルが発生しやすくなります。初めはお互いに気を遣いながら関係を築いていきますが、時間が経つにつれて本音が出やすくなるからです。
相手の性格や仕事の進め方、コミュニケーションの仕方など、最初はあまり気にならなかったささいな違和感が、徐々に目につくようになり、それが悩みやトラブルに発展することもあるでしょう。
特に、責任感が強く周りに相談できない人は、人間関係のストレスを自分一人で抱え込みがちです。
8月病が会社にもたらす3つの影響
8月病が進行すると、社員個人だけでなく、会社にもさまざまな影響が出てきます。いずれも、会社の経営や成績に大きく関わってくることですので、あらかじめ知っておくのがよいでしょう。
ここでは、8月病が会社にもたらす以下の3つの影響について考えます。
- チームの団結力の低下
- 人為的ミスの増加
- 休職や離職による人員不足
チームの団結力の低下
8月病が会社にもたらす1つ目の影響は、チームの団結力の低下です。
8月病によるストレスや不安が原因で、社員は本来のコミュニケーション能力を発揮しづらくなり、心理的安全性が低くなることがあります。心理的安全性とは、メンバーが自分の意見や考えを自由に表現できる環境のことです。
心理的安全性が低い状態では、社員は本音で話すことを避け、チーム内で率直な意見交換ができなくなります。例えば、「質問に答えてくれないだろう」「助けてくれないだろう」といった感情から協力し合うことが難しくなり、コミュニケーションの希薄化が進んでいきます。
このように、チーム内のコミュニケーションが減少すると団結力が弱まり、業務の進行にも悪影響を及ぼすでしょう。
人為的ミスの増加
人為的ミスの増加も、8月病が会社にもたらす影響の1つです。
8月病による集中力の低下は、初歩的なミスから重大な問題まで引き起こす原因となります。精神的な疲れやストレスがたまることで、仕事の細かい部分に対する注意力が散漫になり、通常ならしないようなミスを犯しやすくなるのです。
さらに、ミスが起きてもそれをすぐに報告できず、問題が発覚するまで時間がかかることもあります。
「ミスを報告することで自分の評価が下がるのではないか」という不安や、「周囲に迷惑をかけたくない」という気持ちから、報告が遅れてしまうのです。ミスを報告しづらい環境も問題となってくるでしょう。
休職や離職による人員不足
8月病が会社にもたらす3つ目の影響は、休職や離職による人員不足です。8月病を発症した場合、「病適応障害」や「うつ病」と診断され、休職や離職に至るケースも少なくありません。
特に中小企業では、欠員を補うためのリソースが限られており、残された社員への負担が大きくなります。その結果、労働環境への不満や不信感が高まったり、チームのモチベーション低下にもつながりかねません。
さらに、離職率が高くなると入社希望者が減少し、企業は慢性的な人手不足に陥ります。これにより業務環境が悪化し、8月病の発症リスクが高まるという負のループにはまってしまう危険性もあります。
会社ができる8月病対策6選
8月病の予防・対策をするためには、社員が快適に働ける環境をつくっていく必要があります。
ここでは、会社ができる8月病対策として、以下の6つをご紹介します。
- クールビズやサマータイムの導入
- 定期的なストレスチェックとパルスサーベイの実施
- セルフチェックの啓発
- SOSを出しやすい信頼関係の構築
- お悩み相談窓口の設置
- 社内向けサマーイベントの企画
クールビズやサマータイムの導入
1つ目の対策は、クールビズやサマータイムの導入です。
クールビズとは、夏の暑い時期にオフィスでの軽装を推奨する取り組みです。軽装のおかげで室内を28℃程度に設定でき、外気温との差を少なくできるのがポイントです。
外気温と室内の温度差が大きいほど自律神経が乱れやすくなり、8月病の症状でもある体調不良に繋がります。クールビズによって自律神経の乱れを防ぐと、8月病対策になるだけでなく、夏バテ予防にもなります。
また、サマータイムの導入も8月病対策に効果的です。サマータイムとは、日の出が早くなる夏季に時計を1時間早め、太陽の出ている時間を有効活用する制度です。
仕事が早く終われば、そのぶんの時間を余暇や休息に充てることができ、生活の質が向上します。また、日中に活動することで睡眠の質が改善するというメリットもあります。
このようにクールビズやサマータイムを導入し、暑い季節でも快適に働ける環境づくりで、8月病を予防しましょう。
定期的なストレスチェックとパルスサーベイの実施
2つ目の対策は、定期的な「ストレスチェック」と「パルスサーベイ」の実施です。
労働安全衛生法により、50人以上の従業員を抱える企業では、年に1回以上のストレスチェックが義務づけられています。ストレスチェックによって、従業員が抱えているストレスの状態を会社でも個人でも把握でき、メンタルの不調を早期に発見することができます。
また、パルスサーベイも有効な対策です。パルスサーベイとは、社員の満足度や心の健康状態を把握するために定期的に行う調査です。数分で答えられる簡単なアンケートを月1回ほどの短いスパンで繰り返し実施することで、社員の小さな変化に気づくことができます。
パルスサーベイでは、社員の負担にならないようにYes・Noで答えられる質問にしたり、調査をマンネリ化させない工夫も必要です。
関連記事:従業員幸福度を高める施策とは?サーベイの具体的な活用の仕方まで<CHO対談シリーズ>
セルフチェックの啓発
社員に対するセルフチェックの啓発も、8月病対策として有効です。自身のメンタルヘルスを把握することは早期の適切なケアにつながり、8月病といった大きな不調を未然に防ぐことになるからです。
また、セルフチェックの啓発とあわせて、メンタル不調の初期段階でSOSを出せる環境づくりも大切です。
このように会社全体でメンタルヘルスに対する意識を高め、8月病を防いでいきましょう。
SOSを出しやすい信頼関係の構築
8月病対策において、普段から社員との信頼関係を築き、SOSを出しやすい環境を整えておくことも大切です。社員との信頼関係を築くために、その人の人間関係やパーソナリティに関わる部分にも目を向けて、理解しようとする姿勢を示しましょう。
1on1ミーティングやメンター制度を積極的に活用して、業務内容に留まらないようなコミュニケーションを意識するといいでしょう。
パーソナルな部分への理解は、社員のメンタルの不調の原因を知る助けにもなります。
ただし、社員のプライベートに過度に入り込み過ぎないように気をつけましょう。まずは信頼関係を築くことを目標とし、社員がSOSを出してきたときに、いつでもサポートできる体制を整えておくことが重要です。
お悩み相談窓口の設置
8月病対策として会社ができる対策の5つ目は、お悩み相談窓口の設置です。相談窓口を「誰が・どこで・いつ利用できるのか」を明確にしておくと、社員に心理的な安心感が生まれ、利用のハードルが下がるでしょう。
産業保健スタッフや外部のカウンセラーなどを常設し、深刻なケースに備えて専門機関との連携を整えておくことも重要です。
相談を受ける際、個人情報の取り扱いには十分気をつけましょう。匿名での相談が可能なこと、話した内容が外部に漏れることはないことを伝え、プライバシーの確保がある点を強調できます。
このように、社員が気軽に相談できる環境を整えることが、8月病対策につながります。
社内向けサマーイベントの企画
6つ目にご紹介する対策は、社内向けサマーイベントの企画です。
夏のレジャー需要期に合わせたイベントを開催することで、社員同士のコミュニケーションが円滑になり、チームワークが強化されます。具体的には、バーベキューやサマーアクティビティ、屋外映画上映会などを企画できます。
8月は社員が会社の一員であることを再認識し、今後の仕事への意欲を高める絶好の時期です。社員一人ひとりが、同じ目標に向かう意識を新たにすることで、チームの団結力も強くなります。
さらにサマーイベントは、社員が改めて会社の魅力に気づき、会社への愛着が芽生えるきっかけにもなるでしょう。
関連記事:会社行事でバーベキューをおすすめする5つの理由|成功させるポイントや注意点も解説
まとめ
8月病対策には、定期的なストレスチェックや相談窓口の設置などを通じて、社員のメンタルの不調に早期に気づき対策できる仕組みづくりが欠かせません。
また、イベントを通じて社員同士のコミュニケーションを促進し、社員が働きやすい環境を整えることも大切です。
Cultiveは、企業イベントや社内コミュニケーション支援などを通して、多くの企業の組織づくりをサポートしてきました。チームビルディングに役立つ
サマーイベントの実績もございます。
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