ワークショップとグループワークの違い
まずは、ワークショップとグループワークがそれぞれ「何を目指す」のかという視点から違いを解説します。
- 両者の最大の違いは学ぶ「目的」
- ワークショップは参加者が主体的に学べる体験型学習
- グループワークとは複数人で課題に取り組み結論や成果物を出す施策
両者の最大の違いは学ぶ「目的」
ワークショップとグループワークの最大の違いは、「何を目的としているのか」にあります。ワークショップは学びやスキル習得、気づきを得ることを狙っている形式です。一方、グループワークは議論や共同作業を通じて「結論や成果物を出す」ことを重視します。
つまり、「プロセス重視」か「結果重視」かという対比が、二つの形式の本質的な分岐になっています。特にワークショップでは、参加者が「自分のこと」として取り組む意識が生まれやすいです。
この当事者意識の醸成という点も、グループワークとの大きな違いに挙げられます。この目的の違いを理解することが、場面に合った形式の選び方につながるでしょう。
ワークショップは参加者が主体的に学べる体験型学習
ワークショップとは、参加者が主体となる体験型の講座のことです。講師の話を一方的に聞くのではなく、作業やディスカッションを通じて学ぶ場として設計されています。
英語の “workshop” は「作業場」や「仕事場」を語源とする言葉で、その名の通り「参加者みんなが実働に関わる」ことが前提です。この進行を支えるのが、ファシリテーターという進行役の存在です。ファシリテーターは議論や作業の方向を導き、全員が学べる環境をつくる役割を担います。
ワークショップの核心は、プロセスの中で気づきや学びを生み出すことです。決して結論を出すことが目的ではありません。「体験」「主体的に学ぶ」「スキル習得」というキーワードを意識すると、ワークショップらしさがよりはっきりと見えてくるでしょう。
グループワークとは複数人で課題に取り組み結論や成果物を出す施策
グループワークは、複数人のグループで与えられた課題に取り組み、意見を出し合いながら「最終的な結論や結果を出す」ことを目的とする施策です。
この形式は特に採用選考で幅広く用いられており、グループディスカッションなど実務に近い形で参加者のコミュニケーション能力やチームワークを測ることができます。
グループワークの本質は「結果を出すこと」です。「結論・成果物を出す」「結果重視」という視点が、グループワークを他の形式と分ける鍵になっています。
ワークショップとグループワークの違いを表で整理
前のセクションで解説した違いを、この章ではより整理していきます。さらに「セミナー」との違いにも触れ、3つの形式の使い分けのポイントまでまとめています。
- 6つの観点から見る違い
- セミナーとの違いとは
6つの観点から見る違い
ワークショップとグループワークの違いは、いくつかの観点から整理すると分かりやすくなります。以下の表で、6つの視点をまとめていきます。
| 観点 | ワークショップ | グループワーク |
|---|---|---|
| 目的 | 学び・スキル習得・気づきの醸成 | 結論や成果物の創出 |
| 参加者の役割 | 主体的に体験・学ぶ | 意見を出し合い結論をまとめる |
| 進行役 | ファシリテーターが進行を支える | 必ずしも必要ではない(リーダーが自然発生することも) |
| 成果物・ゴール | プロセスの中での気づき・学び | 具体的な結論や成果物 |
| 重視するポイント | プロセス重視 | 結果重視 |
| 適した場面 | 研修・スキルアップ・チームビルディング | 採用選考・会議・課題解決 |
この表を見れば、自社の目的に応じて「どちらを選ぶべきか」の判断がしやすくなります。実務で形式を選んだ際には、この観点を参考にすると、企画の方向も立ちやすくなるでしょう。
セミナーとの違いとは
「ワークショップ」「グループワーク」「セミナー」は混用されることがありますが、それぞれ異なる形式です。セミナーは講師が知識やノウハウを一方向的に伝える講習会で、参加者は受動的に聞く側になっています。
「インプット」と「アウトプット」の割合で整理すると、3つの違いが見えてきます。以下の表でまとめていきます。
| 観点 | セミナー | ワークショップ | グループワーク |
|---|---|---|---|
| インプット・アウトプット | インプット中心 | インプット+アウトプット | アウトプット中心 |
| 参加者の動き | 受動的に聞く | 能動的に体験する | 議論し結論を出す |
| 進行スタイル | 講師による一方向 | ファシリテーターによる双方向 | グループ内での自主的な進行 |
| 適した目的 | 知識の習得 | 学び・スキル習得 | 結論や成果物の創出 |
この表を見れば、自社の目的に応じて「どの形式が合うか」の判断がしやすくなります。
ワークショップとセミナーの違いについて詳細にまとめた記事もありますので、ぜひ併読ください。
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目的別!ワークショップとグループワークの選び方
ワークショップとグループワークは、使われる場面や達成したい目標によって効果が大きく変わります。この章では、4つの代表的な目的に応じた選び方を紹介します。
- 社員研修やスキルアップが目的ならワークショップ
- チームビルディングや組織活性化ならワークショップ
- 採用選考や人事評価が目的ならグループワーク
- 課題解決や意思決定が目的ならグループワーク
社員研修やスキルアップが目的ならワークショップ
社員のスキル向上や知識習得を目標とする場合は、ワークショップが効果的です。参加者が主体的に取り組む形式なので、知識が定着しやすいのが理由です。体験を通じて実践的なスキルが身につき、「自分のこと」として学んだ経験は実務にもつながりやすくなります。
具体的には、新人研修(ビジネスマナーや業務の基礎)や中堅社員向けのリーダーシップ研修、管理職向けのマネジメント研修、プレゼンテーションやロジカルシンキングなどの専門スキル習得にも活用できます。
短期的な知識の獲得で終わらず、長期的な成長を目指すなら、ワークショップは最も適した形式です。
チームビルディングや組織活性化ならワークショップ
組織の活性化やチーム力強化を目的とする場合も、ワークショップが有効です。共同作業を進める中で自然にコミュニケーションが生まれ、部署を超えた交流も促進されやすい環境になっています。創造的なアイデアも出やすくなるでしょう。
活用場面としては、部署間連携強化のためのワークショップや社内交流イベント(ものづくり体験やアート系ワークショップなど)、新規プロジェクトのキックオフ、組織変革や企業文化の醸成に向けた取り組みなどが挙げられます。
結果よりもプロセスを楽しむことで、チームの結束力が高まる。これがワークショップのチームビルディングとしての強みです。
採用選考や人事評価が目的ならグループワーク
応募者や社員の評価を目的とする場合は、グループワークが適切です。短時間で複数人を同時に評価できることが強みで、コミュニケーション能力、論理的思考力、リーダーシップなどを実践的な形で測ることができます。
実務に近い状況で能力を確認できる点もメリットと言えるでしょう。
グループワークは、新卒採用の選考プロセス(グループディスカッション)や中途採用の最終面接、社内での昇格試験や評価面談の補助、プロジェクトメンバーの選抜などに活用されます。
ただし、評価を目的とする場合には、参加者が緊張しないよう雰囲気づくりにも配慮しておくことが重要です。
課題解決や意思決定が目的ならグループワーク
具体的な結論や成果物が必要な場面では、グループワークが強みを発揮します。短時間で複数の視点を集約し、実務に直結する解決策や結論を導き出せる形式だからです。
社内会議での課題解決セッション、新規事業のアイデア出し、プロジェクトの方向性決定、業務改善提案の検討などが具体的な活用例です。
すぐに結論が必要なタイミングに対応しやすいため、課題解決や意思決定の場面では第一候補として考えると良いでしょう。
ワークショップやグループワークを成功させる共通ポイント
ワークショップとグループワークは目的が異なるものの、成功させるためには共通するポイントがいくつか存在します。この章では、場面に関わらず意識しておくべき共通の要点をまとめています。
- 実施する明確な目標とゴールを共有する
- アイスブレイクで参加しやすい雰囲気を作る
- ファシリテーターを配置し時間管理を徹底する
- 評価基準は明確にして共有する
- 実施後はフォローアップで学びを実務に活かしてもらう

実施する明確な目標とゴールを共有する
実施前に参加者全員が「何のために行うのか」「何を達成すべきか」を把握しているかどうかは、イベント全体の成否に大きく影響します。
目標が曖昧なままだと、参加者が不安を感じ、議論や作業が横道にそれやすくなります。結果として「時間を無駄にした」という印象が残り、期待する成果も得られにくくなってしまうのです。
明確にすべき要素としては、実施の目的(なぜ行うのか)、期待する成果やゴール(何を達成すべきか)、時間配分とスケジュール、参加者に求める役割などが挙げられます。
冒頭で明確に伝え、途中で適宜リマインドすることが重要です。「目標共有」「ゴール設定」を事前の準備の中で確認しておくと、全体の流れがスムーズになります。
アイスブレイクで参加しやすい雰囲気を作る
特に初対面の参加者が多い場合、アイスブレイクの時間を設けることが重要です。緊張をほぐし、発言しやすい雰囲気をつくることで、参加者同士の距離が縮まり、その後の議論や作業がスムーズに進みやすくなります。
「心理的な安全」を確保する視点から、早期にこの雰囲気を整えることが効果的です。
アイスブレイクの例としては、自己紹介に心理テストの要素を入れる、共通点を探すゲーム、短時間のグループワーク、軽い雑談タイムなどが挙げられます。
時間としては5〜10分程度でOKです。長すぎると本題に入る時間が圧迫されるため、コンパクトに設計しておくことが大切です。
ファシリテーターを配置し時間管理を徹底する
ファシリテーターは、中立的な立場で議論や作業を進行する役割を担います。目的からそれないよう軌道修正し、全員が発言できる機会をつくったり、時間管理も徹底し、場が混乱した際に整理したりすることが、ファシリテーターの主な役割です。
時間管理の甘さは成果の低下に直結します。重要な議論に時間を割けず、ダラダラと進行していくと参加者の集中力も低下していってしまうからです。そのため、事前に明確な時間配分を設定し、見える化しておくことが求められます。
特にワークショップでは、ファシリテーターのスキルが成否を分けるほど影響が大きいため、進行管理の部分は、最も手を抜かない箇所としておくことをおすすめします。
評価基準は明確にして共有する
採用選考や人事評価でグループワークを実施する場合は、評価基準の明確化が特に重要です。評価者の視点を統一し公平性を確保するとともに、参加者も「何を求められているのか」を理解できるようにすることが求められます。
明確にすべき評価項目としては、コミュニケーション能力、論理的思考力、リーダーシップ、協調性、問題解決力、発言の質と量などが挙げられます。
また、評価基準は事前に設定し、複数の評価者で共有しておくことが重要です。「明確な基準」がある評価は、結果の説明にもつなげやすくなります。
実施後はフォローアップで学びを実務に活かしてもらう
特にワークショップの場合、「参加して満足」で終わらせないことが重要です。フォローアップがなければ、学んだことが実務に反映されず、施策の効果も薄まりがちです。
フォローアップの方法としては、実施後の振り返りシートの記入や、アクションプラン作成、1〜3ヶ月後のフォローアップ面談、実践報告会の開催などが挙げられます。
「実施で終わらない」という視点が、継続的な成長につながる鍵になっています。
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いかがでしたでしょうか。
ワークショップとグループワークの違いは、「プロセス重視か結果重視か」という目的の違いに行き着きます。この違いを正確に把握することで、自社の課題や場面に合った形式を選びやすくなり、施策の効果も大きく変わってくるはずです。
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