社内表彰を「嫌い」と感じる人は多い?
社内表彰制度に対して、実は複雑な感情を抱いている従業員は多いです。表彰式の場では笑顔で拍手をしていても、心のなかでは「なぜあの人が選ばれたのか分からない」「自分には関係ない制度だ」と感じている方もいます。そのような本音を、なかなか口に出せずにいるメンバーもいるかもしれません。
「社内表彰が嫌い」という声が上がる背景には、表彰制度の設計や運用に何らかの課題があることが考えられます。
表彰制度は本来、従業員の努力を認めてみんなで喜び合うための取り組みです。その想いがうまく伝わらないと、逆にメンバーとの距離を作ってしまうこともあります。
まずは、なぜ社内表彰が嫌われてしまうのか、その理由をしっかり理解することから始めましょう!
なぜ社内表彰は嫌われるのか…6つの理由
社内表彰制度が嫌われてしまう背景には、いくつかの共通した理由があります。
ここでは、従業員が表彰制度に対してネガティブな感情を抱く主な原因を6つご紹介します。
- 評価基準が不透明で不公平に感じるから
- 特定の人ばかり表彰されるから
- チーム全体より個人評価に偏っているから
- 社員の関心を惹けない表彰制度になっているから
- 表彰されないことがモチベーションの低下につながるため
- 給与などに影響がなく社員がメリットを感じづらい
評価基準が不透明で不公平に感じるから
社内表彰が嫌われる理由の一つは、評価基準が見えないことです。「なぜこの人が選ばれたのだろう」という思いが、誰にも聞けずに疑問として残ってしまうことがあります。
特に気になるのは、努力や成果よりも「目立つ部署にいる」「上司と仲がよい」という視点で評価されているように見えてしまうときです。同じくらい頑張っている人がいるのに、選ばれる人と選ばれない人の差が分からないと「上司ウケがよいからでは」など不信感が生まれてしまいます。
また、表彰されなかったメンバーだけでなく、表彰された本人も戸惑うことがあるでしょう。「なぜ自分が選ばれたのか分からない」と感じると、素直に喜べなかったり周りの目が気になったりしてしまいます。
特定の人ばかり表彰されるから
同じ人物ばかりが表彰されると、組織内に不公平感を生んでしまいます。「どうせあの人たちだけが評価される」という諦めの空気が広がると、他のメンバーのモチベーションは下がってしまうでしょう。
この問題は、評価基準が特定の職種や部署に有利になっているときに起こりやすいです。例えば、営業成績のように数字で測れる成果ばかりが評価されていたら、バックオフィスなどで日々頑張っているメンバーは「私たちは表彰の対象外なのでは?」と感じてしまうでしょう。
このように同じ人物が繰り返し表彰されると、チーム間の不和にもつながりかねません。表彰されなかったメンバーも本当は一緒に喜び合いたいのに、素直におめでとうと言いにくくなるかもしれません。
チーム全体より個人評価に偏っているから
個人の成果だけが評価される表彰だと、チームで支え合って働いている職場では違和感を感じやすくなってしまいます。多くのメンバーが協力して成し遂げた成果なのに、一人だけが表彰されると「自分たちの貢献は認められないのか」という不満につながってしまうでしょう。
特に、プロジェクト型の業務やサポート業務が多い組織では、この傾向が顕著です。表彰された一人の陰で、資料作成や調整業務に奔走していたメンバーの努力が見えなくなってしまうことがあります。
また、個人評価に偏った表彰制度は、協力関係にも影響を与えてしまうことがあります。「自分が表彰されたい」という気持ちが強くなりすぎると、情報共有を控えたり助け合う機会が減ったりするかもしれません。
社員の関心を惹けない表彰制度になっているから
表彰制度が会社や運営側の自己満足になってしまっているケースも、従業員から敬遠される原因の一つです。形式的で内容の薄い表彰式や、意味を感じられない記念品では、メンバーの心には響きません。
「やらされ感」の強いイベントになっていると、参加する社員も「また今年もこの時期か」と冷めた目で見てしまいます。表彰式の内容が毎年同じパターンで、新鮮味や感動がない状態では、時間の無駄だと感じてしまうこともあるでしょう。
また、記念品に魅力がなかったり、表彰の理由が抽象的で分かりにくかったりすると、メンバーは「本気で評価してくれているのか」と疑問を持ってしまいます。形式的・形骸化した表彰制度になっていないか、振り返ってみましょう。
表彰されないことがモチベーションの低下につながるため
表彰されなかったメンバーへの心理的影響は、想像以上に大きいことがあります。「評価されない=自分は認められていない」という感覚は、仕事へのやる気を大きく削いでしまうかもしれません。
特に、真面目に努力をしている人物ほど、表彰対象外になったときのダメージは大きい場合があります。「これだけ努力したのに報われない」という気持ちが積み重なると、次第に「頑張っても意味がない」という諦めの感情に変わってしまうことがあります。
こうしたモチベーション低下は、個人のパフォーマンスだけでなく職場全体の雰囲気にも影響を与えてしまうかもしれません。
給与などに影響がなく社員がメリットを感じづらい
表彰されても給与や昇進にまったく反映されない場合、社員は「受賞に何の意味があるのか」と疑問を持ってしまいます。名誉だけの表彰では、実質的な報酬やメリットを感じにくく、モチベーション向上につながりません。
特に、生活や将来のキャリアに真剣に向き合っているメンバーにとって、表彰と待遇が結びついていないのは気になる点です。トロフィーや賞状などの記念品だけでは、報酬が日々の頑張りに見合っていないと思う場合もあります。
また、表彰後に何の変化もない状態が続くと「表彰されても自分のキャリアに影響がない」という認識が広がってしまいます。こうなると、表彰制度そのものへの関心が薄れていってしまいかねません。
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人事・管理職が知っておくべき表彰制度が嫌われる職場の特徴
表彰制度がメンバーから嫌われてしまう職場には、いくつかの共通した特徴があります。人事や管理職が事前に把握しておくことで、制度設計の段階から問題を防げます。
ここでは、特に注意すべき3つの特徴を見ていきましょう。
- 評価基準が曖昧なまま運用されている
- 表彰が「形だけのイベント」になっている
- 表彰後のフィードバックがない
評価基準が曖昧なまま運用されている
評価基準が明確でない表彰制度は、メンバーから嫌われる典型的なパターンです。選考の理由や過程が見えないまま結果だけが発表されると、メンバーは納得感を持てません。
基準が不明瞭な表彰制度では「努力しても報われない」と感じるメンバーが増えてしまいます。例えば「同じような成果を上げているのに、ある人は表彰されて別の人は選ばれない」という状況では、メンバーは不満を抱いてしまうでしょう。
また、評価する側の主観だけで決まっているように見えると、メンバーの不信感は一層強まります。「結局、上司に気に入られている人が選ばれているだけでは」という印象を持たれてしまうと、制度の意義そのものが失われてしまいます。
表彰が「形だけのイベント」になっている
儀式的で形骸化した表彰式は、メンバーから「会社の自己満足」と見られるかもしれません。内容が薄くメンバーにとって意味を感じられないイベントでは、モチベーション向上どころか、かえって冷めた空気になってしまいます。
毎年同じ流れで進行される表彰式や、表彰理由が抽象的で具体性に欠けるものは、形だけのイベントになっている典型例です。こうした状況では、参加するメンバーも「今年もまた来たか」という義務感だけで臨んでしまいます。
また、表彰される側も「なぜ自分が選ばれたのか分からない」まま壇上に立つことになれば、喜びよりも戸惑いの方が大きくなってしまうかもしれません。周囲のメンバーも、表彰内容に共感できなければ、拍手するだけの形式的な参加者になってしまいます。
さらに、大きな感動もドラマもない表彰式は冗長に感じられ、形骸化を進める要因ともなるでしょう。
表彰後のフィードバックがない
表彰イベントを実施しただけで満足してしまうと、本来得られるはずの効果を十分に引き出せません。受賞者に対して、評価されたポイントや今後の期待についての対話がなければ、本人は自身の強みを正しく理解することが難しくなります。
フィードバックがなければ、表彰されたメンバー自身も「何が評価されたのか」が分かりません。これでは今後の行動につながりにくく、成長のチャンスを逃してしまいます。
また、受賞に至らなかったメンバーに対しても「何が足りなかったのか」「どう改善すればよいのか」といったアドバイスがなければ、次回に向けた具体的な行動目標が難しくなります。
結果として、せっかくの社内表彰が一過性のイベントとなってしまうでしょう。
表彰制度を効果的に導入するポイント
メンバーが心から価値を実感し、組織の成長につながる表彰制度を構築するには、メンバーが納得し、慎重な設計が求められます。
ここでは、成果につながる表彰制度を運用するための7つのポイントをご紹介します。
- 選考基準を明確にしておく
- 表彰の対象が偏らないよう意識する
- メンバーに魅力のある副賞を用意する
- 会社の理念や他部署の想いに触れる機会を創出する
- 定期的に制度についてメンバーの意見を収集する
- 意見を表彰制度に積極的に取り入れる
- 表彰の評価基準や副賞をメンバーに周知させる

選考基準を明確にしておく
公平性を担保するには、誰もが理解できる明確な評価軸の設定が必要です。
選考基準を明確にする際は、数値化できる定量基準と、行動や姿勢を評価する定性基準をバランスよく組み合わせましょう。例えば「売上目標達成率〇〇%以上」といった数値基準と、「チームへの貢献度」や「理念に沿った行動」といった定性基準を併せて設定すると成果につながりやすいです。
また、設定した選考基準は、メンバー全員に事前に共有することも大切です。「どのような行動や結果が評価されるのか」が明確になれば、メンバーは具体的な目標を持って日々の業務に取り組めるようになります。
選考プロセスや選出理由も可能な範囲で公開し、納得度をより一層高めていきましょう。
表彰の対象が偏らないよう意識する
特定のメンバーばかりが受賞する状況では、表彰されない社員の疎外感が強まってしまいます。全員に「自分にも可能性がある」と思ってもらえる設計を目指しましょう。
具体的には、営業成績のような数字的成果だけでなく、理念に即した行動やチームへの貢献、新しいチャレンジなど、さまざまな観点から評価できる表彰枠を設けることが効果的です。例えば「チームサポート賞」や「チャレンジ賞」を用意すると、多くのメンバーに光があたるようになります。
同じメンバーが繰り返し受賞する事態を避けるため、幅広い評価軸を準備しましょう。
メンバーに魅力のある副賞を用意する
社内表彰の価値を高めるために、メンバーが本当に嬉しいと感じる副賞を用意しましょう。形だけのトロフィーや記念品ではなく、実用性や特別な体験を提供できるものを選ぶことで表彰への意欲が高まります。
具体的には、商品券や各種ギフトカード、有給休暇の付与など、個人のライフスタイルに応じて活用できるものが好評です。また、家族で楽しめる食事券や旅行クーポンなども支持されています。
金銭的価値だけでなく、認知や特別待遇を実感できることも大切です。経営層との懇談会や社内広報での特集掲載などは「組織から認められている」という実感を得られます。
事前に社内アンケートを取り、どのような副賞が魅力的か聞くのもおすすめです。ニーズを反映した副賞選びが、制度の価値向上につながります。
会社の理念や他部署の想いに触れる機会を創出する
表彰制度を単なるイベントで終わらせないためには、組織文化を育む機会として工夫することが大切です。定型的な式典だけでは形式化しやすく、メンバーの動機づけにつながりにくくなります。
企業が大切にしている価値観を伝える映像コンテンツを上映したり、経営層から直接メッセージを発信してもらうことで、式典がメンバーの心に残る体験となります。受賞したメンバーがどのように理念を実践してきたかを詳しく紹介すれば、他のメンバーも「自分にできる貢献は何か」を考えやすくなるでしょう。
さらに、他部署のメンバーの取り組みや想いに触れる機会を作ることも効果的です。普段は見えない他部門の工夫や努力を知ることで、理念への理解が深まり「自分も実践してみたい」という意欲が芽生えます。
このような機会を継続的に設けることで、組織文化が醸成され、理念に沿った行動が自然に促進されます。
定期的に制度についてメンバーの意見を収集する
表彰制度を継続的に改善していくためには、社員からのフィードバックの収集が欠かせません。運営側だけの視点では気付けない課題や改善点を、現場の声から発見できます。
例として、表彰式のあとにアンケートを実施したり、定期的な面談のなかで表彰をすることについての意見を聞いたりする方法があります。「評価基準は分かりやすかったか」「表彰内容に納得感があったか」「改善してほしい点はあるか」などを具体的に質問するのがおすすめです。
また、匿名の意見箱を設置すると率直な意見を集めやすくなります。表彰されなかったメンバーも、匿名であれば制度に対する不満なども伝えやすいでしょう。
意見を表彰制度に積極的に取り入れる
社員から集めた意見を実際に制度に反映させることで、メンバー主体の表彰制度を実現できます。意見を聞くだけで終わってしまっては「結局何も変わらない」という不信感が残ってしまいます。
例えば「副賞の内容を見直してほしい」という声があれば、次回からは選べるギフトカタログを導入してみましょう。また「表彰基準が分かりにくい」という意見があれば、より具体的な基準を設定して周知するといった改善を行います。
改善した内容はメンバーに伝えることが大切です。「みなさんの意見を反映して、今回はこのように変更しました」と明示することで、メンバーは「自分たちの声が届いている」と実感できます。
表彰の評価基準や副賞をメンバーに周知させる
受賞理由に対する社員の納得をえるには、評価ルールや特典の内容を事前に周知することが大切です。情報が共有されていれば、メンバーは受賞を目指し、具体的な目標を設定して活動できます。
社内ポータルサイトでの告知や全社向けメールでの配信、掲示板への掲示など、複数のチャネルを活用して伝達しましょう。また、キックオフミーティングなどで、人事担当者やマネージャーから直接説明する時間を設けることも効果的です。
評価基準や副賞を事前に理解してもらうことで「この人が選ばれた背景が理解できる」「次回は自分も挑戦したい」という前向きな気持ちが生まれやすくなります。
情報のオープン化が、メンバーの信頼と参加意欲を高める土台になってきます。透明性のある運用を心がけましょう。
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社内表彰は制度の意義を再確認して構築しよう
表彰制度が嫌われてしまう理由には、評価基準の不透明さや偏った運用、形骸化したイベント運営など、さまざまな背景があります。
しかし、これらの課題を理解しメンバーの声に真摯に耳を傾けることで、表彰制度は組織にとってかけがえのない宝物へと変わっていきます!
大切なのは「誰のために、何を目的として表彰するのか」という本質を見失わないことです。メンバーの頑張りを心から認め、みんなで喜び合える場所を作りたい。そのような温かい想いを、制度の隅々にまで行き渡らせていくことが何より重要です。
明確で公平な評価基準、多様な表彰の機会、メンバーが本当に喜ぶ副賞の選定、そして何より、メンバーの声を聴き続ける姿勢。
これらを大切にしながら制度を発展させることで、表彰式は組織に笑顔と活力をもたらす特別な時間となり、組織の絆を強くしていきます。
Cultiveでは社内表彰式をはじめとするさまざまな社内イベントの企画/立案から実施までのサポートをしております。
企業の文化や“らしさ”、そして現状の組織状態まで深くヒアリングし、表彰式の位置付けと求められる効果を見極め、社員に届くようなメッセージとコンセプトをご提案。
イベント開催に必要なデザイン/映像/舞台演出/進行/当日運営までをすべてワンストップで行うことで、意思統一の取れた本番をお守りいたします。
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