2013年から11年連続でGreat Place to Work®「働きがいのある会社」ランキングのベストカンパニーを受賞、2021年アジア地域における「働きがいのある会社」ランキングでもベストカンパニー入りを果たした株式会社FCE Holdings。DX推進事業をはじめ、教育研修や出版事業と幅広いビジネスを展開しています。
「チャレンジあふれる未来をつくる」というパーパスのもと「人×Techで人的資本の最大化に貢献する」というミッションを掲げ、3つのDNAと8つのValueで構成された独自の社内文化を構築されています。その成果が、社員の「働きがい」を生み出しています。
今回は、人事の勝家 さちさんをお招きして、FCE Holdingsの理念・DNA・Valueが生まれた背景と、独自の企業文化で社員の情熱を高め続ける秘策についてお話を伺いました。
株式会社FCE Holdings:https://fce-hd.co.jp/
「共通の価値観が会社を大きくする」
社員が絶大なる信頼を寄せる代表の情熱とは
――FCE Holdingsの理念が作られた経緯からお伺いしてもよろしいでしょうか。
勝家:以前はもう少し異なる表現でのパーパスを掲げていました。ただ、社員の理解は得られても、ステークホルダーの方々には少し理解が難しい側面もありました。そこで、経営陣で話し合い、2019年から「チャレンジあふれる未来をつくる」という理念に変更しました。
理念に注力したきっかけというのが、前身の時代に経営が悪化して、社員の給与削減やオフィスの立ち退きを余儀なくされた時期があったんです。移転した先のオフィスは強風で倒れてしまいそうな古い雑居ビルで、トイレも共同のものがひとつだけという有様でした。「ここからもう一度やり直すんだ」という想いで、組織の現状把握のために「働きがいのある会社」にエントリーしてみたんです。そしたら思いのほかにランクインしたんですね。
会社の経営や環境は決して良い状態ではなかったけれど、社員のモチベーションは非常に高いことが分かったんです。それは、社員が環境に左右されることなく、自分のやるべきことを見つけられるマインドを社内で学んでいたからなんですね。
再起を決意したタイミングにおいて、会社の価値観や企業文化が社員にしっかりと伝わっていると実感できたことは大きな転機となりました。その文化を大切に守り続ければ、きっと立て直せる、やっていける、と確信した出来事でした。この経験から、より理念の浸透に情熱を注ぐようになり、その想いが今の会社にも受け継がれています。
――DNAとバリューについて、できたきっかけはなんでしょうか。
勝家:DNAは、前身の会社の時代から受け継いできた考え方や、大事にしたい姿勢を改めて明文化して再認識する意味を込めて作成しました。
バリューは、行動指針や仕事での判断基準になるもので、組織の評価にも影響します。業績ばかり追いかけていると、本来の会社のあるべき姿からかけ離れたものになってしまう場合があります。「社員が共通の価値観を持つことが会社を大きくする」という代表の考え方がベースにあり、何度も修正を重ねて今のバリューが完成しました。
社員の共通認識を高めるのはもちろん、新入社員にも我々の行動規範を伝えやすいので、仕事をする上で軸となる大きな価値観を整理した環境の中で、社員には働いて欲しいという想いがあります。
――理念やバリューを浸透させるために、独自の取り組みはされているのでしょうか。
勝家:社員にバリューを浸透させるためには、「伝え続けること」と「行動に対して公正に評価すること」が重要だと考えています。理念やバリューを記載したバリューブックを全社員に配布しているので、読み合わせをすることもあります。
また、大きな取り組みのひとつとして、「バリュー研修」が月2回程度、オンラインで全社員対象で行われます。1時間半の研修内容としては、バリューを1つずつ解説するものから、代表自らの成功体験や失敗談、ときには他の会社の経営者の方をお招きしてビジネス論をお話していただくこともあります。
研修の感想を全社員で送りあう「バリュー気づきレポート」があって、全社員がメールするので、メールの数は膨大な量ですが、全社員の想いをそれぞれの社員が把握できます。自分の考えを他の社員に伝えることが習慣化されてるというのも大きな特徴かもしれません。
代表の凄いところは、毎回社員に直接研修をするだけでなく、150件ほどのレポートすべてに目を通していること。代表が直接社員にリアクションしますので、社員は自己表現することに抵抗がないですし、代表のフィードバックを受容する姿勢が自然と確立していますね。この企業文化のおかげで、社員が理念やバリューを意識しながら楽しく働けるという行動につながっていると感じます。
――素晴らしい取り組みですね。全社員でメールを送り合うというコミュニケーションは、新たに採用された方にとっては、少しハードルが高いように思うのですが、いかがでしょうか。
勝家:新たに入職する方には、選考の時点で理念やバリューに関する資料をデータとしてお送りしています。会社の理念や価値観に対して、少し違和感を覚えたり気になることがあれば、入職前に確認するようにしています。
バリュー研修は毎回録画して視聴できるようにしているので、いつでも研修は受けられますし、中途採用であっても我々の歴史や価値観を共有できる環境を整えています。
「少しアツい会社だけどいい?」と入職する前に、お伝えしています(笑)
「WILDな意見を歓迎し、楽しみ、楽しみあう」
想いを伝え、受容し合うことで目指す未来
――Great Place to Work®「働きがいのある会社」ランキングのベストカンパニーを11年連続受賞されていますが、社員の働きがいについて実際に話し合うことはありますか。
勝家:私たちが「働きがいのある会社」に選ばれている理由は、一人ひとりが自分の仕事の価値や意味を見出せているからだと思います。
働きがいを見出すものとして、「ライフプラン面談」があります。自分の人生の目的をまず考えて、そのために今やるべきこと、今の仕事にどう活かしていくかを上司と話し合うというものです。人生と仕事を融合させる視点は、なかなか考える機会がないですよね。
自分の人生目標をベースに、仕事としての価値を見出していく。この面談は年に1回行われるので、状況が変わる度に更新されるのも面白いところです。今の自分を言語化することが大事で、人生の目的のために今の自分にできること、やるべきことが自然と見えてきます。
「バリュー研修」後のレポートも、全社員の想いを知るチャンスになるので、社員同士の理解を深める機会になっています。
代表や社員同士のコミュニケーションをする場が多いこと、そしてお互いの意見を受容する環境が整っていることが、社員の満足度と働きがいにつながっているのだと思います。
文化を形成し、それを守るためには、気が遠くなるほどの積み重ねが不可欠だと思います。
会社の歴史や理念を社員に伝え続けることで、その解像度は高くなりますし理解も深まります。代表をはじめとして、「伝え続けること」への情熱を高く維持しているというのが大きな特徴なのかもしれません。
伝えること。そして受容することを繰り返しながら、一人ひとりの「働きがい」が叶う会社で在りたいと思います。
――本日はありがとうございました。
人生の目的を見据え、今ある仕事の価値を見出すFCE Holdingsの取り組み、いかがでしたか。働きがいのある会社の根底にあるのは、会社の歴史やバリューを共有する会社独自の取り組みと、企業の心理的安全性の高さ、そして社員のマインドの強さでした。
代表と社員の心の距離の近さと、常に自分の意見を周囲が理解している安心感、その居心地のよさが、彼らの「働きがい」を叶えているのでしょう。
大学卒業後、保育・教育領域の企業に入社し企画部門に携わる。
2016年7月にFCE Holdingsに入社してすぐに、未経験であった人事領域に挑戦。
一時、FCEトレーニング・カンパニーとの兼務や産休を経て復帰。
現在も同社のカルチャーづくりに邁進しつづけている。
Cultive
Cultiveは幸せに働ける良質な企業文化を醸成することで、企業成長をサポートするために生まれたサービスです。経営者の想いを表した理念策定、理念を込めたグッズ制作、表彰イベントの設計などを行い、企業文化の醸成をサポートしています。
この記事を書いた人
小名木 直子
Producer
オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。
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