こんにちは!「人と企業を幸せにする文化づくり」をサポートしているCultiveです!
2023年3月期決算から、上場企業と一部非上場企業の約4,000社を対象に、有価証券報告書の開示義務内容に人的資本情報を加える方針が打ち出されました。
この方針により、人材投資額や社員満足度などの情報が開示されることで、企業の競争力は高まり、投資家はより適切な投資判断が可能となります。
人的資本経営が注目される背景、これまでの人材戦略との違い、そして人的資本経営とインナーブランディングとの関係を解説します。
目次
人的資本経営とは?これまでの人材戦略との違いは?
人的資本経営とは、従業員の能力やモチベーション、健康などを組織の資産として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、企業の競争力や成長力を向上させる経営手法です。
人的資本経営が注目される背景
人的資本経営が注目される背景には、主に3つの要因があります。
1.社会や技術の変化
社会的な変化(少子高齢化、多様化、働き方改革、SDGsなど)や、技術的な変化(デジタル化、AI化)が進行し、これらに対応するためには従業員のスキルや知識を常にアップデートして、イノベーションを生み出す能力が求められています。
2.経済的な変化
グローバル化やコロナ禍により、市場や競争環境が不確実で変動しやすくなっています。
これに対応するためには、従業員のエンゲージメントやロイヤリティを高め、企業の持続可能性を確保する必要があります。
3.国際標準ガイドラインの発表
国際標準化機構(ISO)は2018年に「ISO30414」というガイドラインを発表しました。
このガイドラインは「人的資本に関する情報開示」に関する人的資本マネジメント規格で、従業員の健康や安全、生産性、リーダーシップ、組織の文化など、多岐にわたる情報の報告が定められています。
これらの変化に対応するためには、従業員を単なるコストやリソースとしてではなく、企業の最大の資産として捉え、その価値を最大限に引き出すことが重要です。
そこで登場するのが「人的資本経営」です。
これまでの人材戦略との違い
人的資本経営は、これまでの人材戦略と比べて以下の特徴があります。
1.トップダウンではなくボトムアップ
従業員自身が自分のキャリアや働き方を選択し、主体的に成長することを促します。
例えば、従業員からフィードバックを受けて組織や制度を改善します。
2.部門別ではなく横断的
人事部だけではなく、経営層や各部門が連携して人材戦略の策定と実行を行います。
また、従業員の能力やパフォーマンスを測定し、経営判断に反映させることも行います。
3.短期的ではなく長期的
従業員の採用や教育だけではなく、従業員の健康や幸福、キャリアの展望など、従業員のライフサイクル全体を考慮します。
例えば、企業のビジョンやミッション、従業員の価値観や目標を一致させることです。
人的資本経営のフレームワーク「3P・5Fモデル」とは?
人的資本経営を実践するためには、どのような要素に注目すべきでしょうか?
経済産業省は、企業の人材戦略を明確にし、経営資源としての人的資本を最大限に活用するための指針として、3つの視点「3P」と、5つの共通要素「5F」を推奨しています。
3P
1.経営戦略と人材戦略の連動
急速に変化する企業環境の中で、経営戦略と人材戦略を連動させることが企業価値の持続的向上に必要であること、そして各企業は自社のビジネスモデルや経営戦略に基づいて適切な人材戦略を策定・実行する必要があります。
2.As is‐To be ギャップの定量把握
人材戦略がビジネスモデルや経営戦略と連動しているかを判断するために、KPI を用いて目指すべき姿(To be)の設定と現在の姿(As is)の把握を行い、そのギャップを定量的に把握し、ステークホルダーに開示・発信することが重要です。
3.企業文化への定着
企業文化は、日々の活動を通じて形成され、企業の存在意義(パーパス)や価値向上につながります。
企業文化は策定段階から見据えることが重要であり、経営トップ自身が企業文化の定着化に向けて積極的に発信することが求められます。
5F
1.動的な人材ポートフォリオ
現在の経営戦略の実現、新たなビジネスモデルへの対応に必要となる人材を質・量の両面で充足・最適化させることが必要です。
2.知・経験のダイバーシティ&インクルージョン
中長期的な企業価値向上のためには、非連続的なイノベーションを生み出すことが重要であり、このため経験や感性、価値観、専門性といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込み、具現化していくことが必要です。
3.リスキル・学び直し
事業環境の急速な変化、個人の価値観の多様化に対応するためにも、個人のリスキル・スキルシフトの促進、専門性の向上が必要です。
4.従業員エンゲージメント
現在の経営戦略の実現、新たなビジネスモデルへの対応に必要な人材 が自身の能力・スキルを発揮してもらうためにも、従業員がやりがい や働きがいを感じ、主体的に業務に取り組むことができる環境を創りあげることが必要です。
5.時間や場所にとらわれない働き方
新型コロナウイルス感染症への対応の中でも顕在化したように、いつ でも、どこでも、安全かつ安心して働くことができる環境を平時から整えることが、事業継続やレジリエンスの観点から必要です。
企業が人的資本経営に取り組むメリット
人材戦略と連動したブランド戦略を打ち出せる
人的資本経営に取り組むことで、企業は自社のビジョンやミッション、価値観を明確にし、それを従業員に共有することができます。
これにより、従業員は自分が働く意義や目標を理解し、企業に対するエンゲージメントやロイヤリティを高めることができます。
また、従業員は自社の魅力や強みを外部に発信し、企業のブランドイメージを向上させることで、優秀な人材の確保や顧客の獲得につながります。
人的資本経営を進める上でのポイント
従業員に寄り添ったインナーブランディング
インナーブランディングとは、企業の「内側」、つまり主に従業員に対して行うブランディング活動のことを指します。
一般的なブランディングが「外向き」であるのに対し、インナーブランディングは「内向き」の活動であり、自社の社員に向けて企業ブランドやビジョンを浸透させていくことです。
インナーブランディングの目的は、企業の理念やビジョンを従業員へ浸透させることで、社員全員で価値観の理解と共有を図ることです。
これにより、一貫したブランドメッセージが発信されるようになり、企業価値や生産性の向上、ビジネスの成長につながります。
具体的な施策としては、本や動画で企業ブランドをまとめたり、社内報でビジョンや価値観を共有したりすることがあります。また理念に対するコミュニケーションを活性化するような社内施策もこれに当たります。
これらの活動により、社員の満足度や生産性が上がり、最適な人材発掘が容易になり、社員のブランド理解が深まるといったメリットがあります。
インナーブランディングを実施するためには、以下のようなポイントに注意する必要があります。
1.従業員のニーズや期待に応える
従業員が自社のブランドに共感し、内面化するためには、従業員のニーズや期待に応えることが必要です。
例えば、従業員の声を聞いて組織や制度を改善したり、従業員の成長や評価を支援します。
2.従業員の参加や貢献を促す
従業員が自社のブランドに関わり、貢献するためには、従業員の参加や貢献を促すことが必要です。
例えば、従業員にブランドビジョンやストーリーを共有したり、従業員にブランド活動への参加や提案の場を設けます。
3.従業員の行動や態度を評価や報酬で反映させる
従業員が自社のブランドを体現するためには、従業員の行動や態度を評価や報酬で反映させることが必要です。
例えば、従業員のブランドへの貢献度や影響力を測定したり、従業員にブランドに関連した報酬や表彰の機会を与えます。
こちらの記事でも詳しく解説してますのでぜひご参照ください!
まとめ
人的資本経営は、従業員を企業の最大の資産と捉え、その能力やモチベーションを最大限に引き出すことで、企業全体のパフォーマンスを向上させることができます。
また、インナーブランディングを通じて、企業のビジョンや価値観を従業員に浸透させることで、一貫したブランドメッセージを発信し、企業価値を高めることも可能です。
しかし、これらの取り組みを成功させるためには、従業員のニーズや期待に応え、参加や貢献を促し、行動や態度を評価や報酬で反映させることが重要です。
これらのポイントを踏まえて、人的資本経営とインナーブランディングの取り組みを進めていきましょう。
また、Cultiveでは従業員満足度と幸福度に着目したインナーブランディング目的の社内イベントにも多数の実績がございます。
従業員に対する丁寧なヒアリングで現状の課題を可視化、そこにマッチする施策をご提案いたします。
ご検討中の方はぜひCultiveまでご相談ください。
この記事を書いた人
小名木 直子
Producer
オリジナルウェディングのプロデューサーとして多くのイベント企画に携わる。小人数〜200人規模のイベントを得意とする。職場の中でどれだけ心が動く瞬間があるかで人生の幸福度が変わることを実感し、多くの人にCultiveのサービスが届くようWEBサイトの監修も担う。
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