内定者と連絡が取れない場合に企業が取るべき対応
内定者と連絡が取れなくなった際、企業が取るべき段階的な対応があります。主な対応手順として、以下の4点を押さえましょう。
- 複数の連絡手段で接触を試みる
- 1から2週間ほどを目安に返答を待つ
- 大学や家族への連絡を検討する
- 正当な事由があれば内定取り消しできる
焦って内定取り消しを判断するのではなく、慎重かつ段階的なアプローチが重要であることを理解したうえで、それぞれの内容について具体的に見ていきましょう。
複数の連絡手段で接触を試みる
一つの手段だけでは、相手に届いていない可能性があるため、メール、電話、郵送など、複数の連絡手段を試しましょう。
それぞれの連絡手段には特徴があります。メールは履歴が残るため、あとから証拠として示せる利点があります。電話は即時性があり、直接話せれば状況をすぐに把握できるでしょう。郵送は確実性が高く、相手の手元に物理的に届くため、見落とされにくい特徴があります。
連絡は、最低でも3回以上は異なる方法で試みることを推奨します。1回だけでは偶然届かなかった可能性もあるため、複数回試すことで確実性が高まります。
重要なのは、すべての連絡履歴を詳細に記録することです。日時、方法、内容を記録しておくことで、のちに内定取り消しを検討する際の証拠となります。「いつ、どのような方法で、何を伝えたか」を明確にしておくことが、法的なリスクを避けるために不可欠といえるでしょう。
1から2週間ほどを目安に返答を待つ
連絡後、すぐに結論を出さず、1~2週間は返答を待つべきです。即座に判断することは、のちのトラブルにつながる可能性があります。
まずは、内定者側に何らかの事情がある可能性を考慮することが大切です。病気、家族の不幸、急な予定など、すぐに連絡できない理由があるかもしれません。ただし、この期間中も、定期的にリマインドの連絡を入れることが有効です。しつこくならない程度に、3~5日おきに連絡することで、相手に「忘れていないこと」を伝えられます。
焦って判断することで、法的リスクが高まることを認識しておきましょう。十分な期間を置かずに内定取り消しをすれば、不当な取り消しとして訴訟リスクが発生する可能性があります。
大学や家族への連絡を検討する
新卒採用の場合、大学のキャリアセンターや就職課への連絡が有効な手段となります。大学側から本人に連絡を取ってもらうことで、状況が判明するケースもあります。また、履歴書に記載された緊急連絡先である家族などへの連絡も検討しましょう。
連絡する際の注意点として、プライバシーへの配慮と丁寧な言葉遣いが求められます。家族に対して高圧的な態度を取ったり、本人の情報を過度に伝えたりすることは避けるべきです。
本人が何らかの理由で連絡できない状態でも、家族や大学経由で状況確認ができるケースもあります。「ご本人と連絡が取れず心配しております」という姿勢で接することが、良好な関係を保つポイントです。
正当な事由があれば内定取り消しできる
あらゆる連絡手段を尽くしても音信不通が続く場合、内定取り消しを検討できます。しかし、法的に正当な事由が必要であることを理解しておかなければなりません。
客観的・合理的な理由と、社会通念上相当という基準を満たす必要があります。単に連絡が取れないというだけでなく、十分な連絡努力をした証拠が求められます。音信不通の証拠として、連絡履歴、送信記録、内容証明などが揃っていることが前提となります。これらの記録がなければ、正当な内定取り消しとして認められない可能性が高いでしょう。
ただし、内定取り消しは最終手段であり、慎重な判断が必要です。後半のセクションで法的観点を含めて詳しく解説しますが、専門家への相談も検討すべき重要な決断といえます。
内定者から連絡が来ない主な原因
内定者が音信不通になる原因はさまざまです。主な原因として、以下の5点が挙げられます。
- 単純な連絡ミスや連絡先情報の誤り
- 他社からの内定通知による迷い
- 労働条件への不安や疑問
- 家族からの反対による迷い
- 健康上の問題
原因を理解することで、適切な対応や予防策を講じられます。それぞれの内容について、具体的に見ていきましょう。
単純な連絡ミスや連絡先情報の誤り
メールアドレスの入力ミスや、迷惑メールフォルダへの振り分けは、意外と多い原因です。企業からのメールが届いていても、内定者が気付いていない可能性があります。また、電話番号の誤記載や着信拒否設定も考えられます。登録されていない番号からの着信を拒否する設定にしている人も多いでしょう。
まずは企業側と内定者側、双方のミスの可能性があることを認識しましょう。一方的に内定者を責めるのではなく、自社側の連絡方法にも問題がなかったか確認することが大切です。
複数の連絡手段を用意する重要性が、ここでも浮き彫りになります。一つの手段で届かなくても、別の手段なら届く可能性があるためです。
他社からの内定通知による迷い
志望度の高い企業から内定を得て迷っているケースは珍しくありません。第一志望の企業からのちに内定が出た場合、どちらを選ぶか悩むのは自然なことです。
そのため、辞退の連絡をするのが気まずくて、先延ばしにしている心理も理解すべきでしょう。せっかく内定をもらったのに断るのは申し訳ないという気持ちから、連絡を避けてしまっているかもしれません。
複数内定を得た際の心理状態として、選択のプレッシャーを感じています。どちらを選んでも後悔するのではないかという不安が、決断を遅らせているのかもしれません。
こうした状況は、企業側から積極的にコミュニケーションを取ることで、防げる可能性があります。定期的に連絡を取り、内定者の不安や疑問に答える姿勢を示すことで、自社への志望度を高められるでしょう。
労働条件への不安や疑問
給与、勤務地、勤務時間、休日など、条件への不安を抱えているケースもあります。内定承諾後に詳しく調べて、疑問が湧いてきたものの、聞きづらいと感じているかもしれません。
入社後のキャリアパスへの疑問も大きな要因です。この会社で成長できるのか、将来はどうなるのかという不安が解消されないまま、連絡を躊躇してしまうこともあるでしょう。
条件について質問しづらい雰囲気を感じていることもあります。内定承諾後に質問するのは失礼ではないかという遠慮が、沈黙につながってしまいます。
そのため企業側は、内定時に労働条件を明確に説明し、質問しやすい環境を作ることが重要です。些細な疑問でも気軽に聞ける関係性を築くことで、音信不通を防げるでしょう。
家族からの反対による迷い
特に新卒採用で多い理由として、家族の反対があります。親や配偶者が内定先企業に反対していると、板挟みになってしまいます。そのまま家族を説得できず、連絡を躊躇しているケースも少なくありません。企業には入社したいが、家族の理解が得られず、「どう対応すべきか分からない」という状態です。
こうした課題を解決するために、内定者懇親会などに家族を招待する施策が有効です。実際に職場を見てもらい、社員と話す機会を設けることで、家族の理解を得やすくなるでしょう。家族が安心できる企業だと認識してもらえれば、反対を避けられる可能性が高まります。
健康上の問題
本人の病気やケガ、入院などで連絡できない状況も考えられます。急な体調不良により、物理的に連絡が取れない状態になっているかもしれません。
また、家族の急病や不幸などの事情も、音信不通の原因となります。家族の看病や葬儀の対応で、就職活動どころではない状況に陥っている可能性があります。
これらは正当な理由であり、内定取り消しは慎重に判断すべきです。やむを得ない事情で連絡できなかった内定者に対して、一方的に内定を取り消せば、のちのちトラブルになりかねません。
あとから事情が判明するケースもあるため、配慮が必要です。音信不通の期間が過ぎてから、実は入院していたという連絡が来ることもあります。性急な判断は避け、可能性を考慮した対応が求められます。
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連絡方法別!音信不通の内定者へのアプローチ
実務で使える具体的な連絡方法を紹介します。主な連絡方法として、以下の3点を押さえましょう。
- 連絡が取れない内定者へのメールの書き方と例文
- 連絡が取れない内定者への電話連絡の手順
- 内容証明郵便の活用もおすすめ
相手を非難せず、配慮のある表現を心がける重要性を理解したうえで、それぞれの内容について具体的に見ていきましょう。
連絡が取れない内定者へのメールの書き方と例文
連絡が取れない内定者への対応は、慎重かつ丁寧におこなうことが大切です。メールを送る際は、相手を責めず、あくまで状況確認の姿勢を示しながら、返信の必要性と期限、連絡手段を明確に伝えましょう。以下に、ポイントと例文をまとめます。
メール作成のポイント
- 件名に「【重要】【要確認】」などを入れて緊急性を伝える
- 本文は丁寧な言葉づかいで、責める表現は避ける
- 返信期限を明記し、次の対応方針も伝える
- 複数の連絡手段(電話・メール)を提示する
- 署名は会社名・部署・担当者名を明記
【メール例文】
件名:【重要】【要確認】ご連絡に関するご確認のお願い(株式会社〇〇 人事部)
〇〇様
お世話になっております。株式会社〇〇 人事部の△△です。
このたびは、当社からのご連絡にお返事をいただけていない状況のため、念のため本メールをお送りしております。
お忙しい中とは存じますが、〇〇様のご状況について確認させていただきたく、○月○日までに本メールへのご返信をお願いいたします。
万が一、何かご事情があるようでしたら、お電話や別のメールアドレスでのご連絡でも構いません。以下の連絡先までご一報いただけますと幸いです。
ご連絡が難しい場合は、あらためてお電話などで確認させていただく場合がございます。あらかじめご了承いただけますと幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
株式会社〇〇
人事部 △△
TEL:03-1234-5678
Mail:jinji@company.co.jp
連絡が取れない内定者への電話連絡の手順
電話をかける時間帯として、平日の日中や夕方が適しています。早朝や深夜は避け、一般的に連絡を取りやすい時間を選びましょう。
トーンや言葉遣いとして、丁寧で落ち着いた声、責めない姿勢が重要です。焦りや苛立ちが声に出ると、相手はさらに連絡を避けるようになります。
留守番電話にメッセージを残す場合は、要件を簡潔に伝え、折り返しの依頼と連絡先を明確にします。長々と話すと聞き取りにくいため、ポイントを絞りましょう。
たとえ電話がつながらなくても、何度もかけすぎないことが大切です。1日に何度もかけるのは逆効果で、ストーカーのように感じられてしまう可能性があります。
【留守電メッセージ例文】
○○様、株式会社○○採用担当の△△と申します。内定に関してご確認したいことがございます。お手数ですが、000-0000-0000までご連絡いただけますでしょうか。お待ちしております。
この程度の簡潔さで、要点が伝わります。詳細は折り返しの電話で話せばよいため、留守電では最小限の情報に留めることが効果的です。
内容証明郵便の活用もおすすめ
内容証明郵便とは、郵便局が内容と日付を証明する郵便のことです。法的な証拠として残るため、のちのトラブル防止に役立ちます。
なぜ使うのかというと、確実に相手に送ったという証拠が残るからです。通常の郵便では届いたかどうかの証明が難しいですが、内容証明なら確実に証明できます。
使うタイミングは、1ヵ月以上音信不通が続き、内定取り消しを検討する段階です。最終的な手段として位置づけられるでしょう。
内容証明郵便には、返信期限と期限内に連絡がない場合の対応を明記します。「○月○日までに返信がない場合、内定を取り消す可能性があります」といった記載が必要です。
ただし、法的に適切な文面にするには、専門家の知見が不可欠といえるでしょう。専門家である弁護士や社労士に相談しながら作成することを推奨します。内容証明郵便は法的効力を持つため、慎重に作成する必要があります。
内定者と連絡が取れなくなることを防ぐ施策
予防策を講じることで、音信不通のリスクを大幅に減らせます。主な予防策として、以下の5点を実施しましょう。
- 内定通知時に返答期限を明確にする
- 内定承諾書や誓約書を用意する
- 内定後のフォローを充実させる
- 複数の連絡手段を確保する
- 現役社員の意見を収集する
内定者フォローの充実が、内定承諾率の向上にもつながります。それぞれの内容について、具体的に見ていきましょう。

内定通知時に返答期限を明確にする
内定通知時に返答期限を明確に伝えることで、内定者も判断しやすくなります。1週間~1ヵ月が目安とされており、業界や職種によって調整するとよいでしょう。期限を設けることで、内定者は「いつまでに決めなければ」という明確な目標ができます。期限がないと、ずるずると先延ばしにしてしまうかもしれません。
さらに、期限内に連絡がない場合の対応も併せて伝えることが重要です。「期限を過ぎた場合は内定を取り消す可能性があります」と明記することで、真剣さが伝わります。
ただし、期限を過ぎても柔軟に対応する姿勢も大切です。厳格すぎると優秀な人材を逃す可能性があるため、状況に応じて延長を検討する余地を残しておくとよいでしょう。
内定承諾書や誓約書を用意する
口頭やメールだけでなく、書面での意思確認をおこなうことが効果的です。形に残すことで、双方の責任が明確になります。
内定承諾書に記載すべき内容として、労働条件、入社日、内定取り消し事由などがあります。のちにトラブルにならないよう、詳細を明記しておくことが大切です。さらに、署名・捺印をもらうことで、内定者の意識も高まるでしょう。
こうした書面は、法的な証拠としても有効なため、万が一のトラブル時に役立ちます。口約束では水かけ論になりがちですが、書面があれば明確です。
書面は郵送またはPDFで送付し、返送を求めましょう。電子署名システムを活用すれば、オンラインで完結できるため、より便利になります。
内定後のフォローを充実させる
内定を出したら終わりではなく、入社までが採用活動です。そのため、内定後も定期的にコミュニケーションを取りましょう。
具体的には、月1回程度のメールや電話での近況確認が効果的です。「元気にしていますか」という簡単な声かけでも、つながりを感じられます。入社までのスケジュール共有も重要です。いつ何をすべきか明確にすることで、内定者は安心して準備を進められます。
また、内定者懇親会や職場見学の実施により、実際の職場を知る機会を提供できます。同期との横のつながりや、先輩社員との縦のつながりを作ることで、帰属意識が高まるでしょう。先輩社員との交流機会を設けることで、入社後のイメージが具体化し、実際に働く人の話を聞くことで、不安が解消されます。
内定者の不安を解消し、入社意欲を維持することが、フォローの目的です。手厚いサポートにより、内定辞退のリスクを下げられます。
ただし、フォローの頻度が高すぎると、オワハラと受け取られる可能性があるため、バランスが重要です。過度な連絡は逆効果となるため、適度な距離感を保ちましょう。
複数の連絡手段を確保する
メール、電話、郵送など、複数の連絡手段を用意することが基本です。一つの手段に依存すると、届かなかったときに打つ手がなくなります。緊急連絡先として、実家の電話番号や家族の連絡先なども確認しておくと安心です。本人と連絡が取れないときの最終手段となります。
LINEなどSNSも活用できる場合は利用を検討しましょう。若い世代はメールよりもSNSでの連絡を好む傾向があるため、有効な手段となる可能性があります。
連絡手段が一つだけだとリスクが高いため、複数の選択肢を持ち、確実性を高めましょう。
現役社員の意見を収集する
過去に入社した社員に、内定後の不安や疑問をヒアリングすることが有効です。当事者の声ほど参考になるものはありません。どのようなフォローが役立ったか、どういう情報が欲しかったかを確認しましょう。実際に経験した人だからこそ分かる、リアルなニーズが見えてきます。
社員の意見を採用プロセスに反映させることで、より効果的なフォローが可能になります。現場の声を活かすことが、改善の近道です。
そして、内定者が本当に知りたい情報を提供できるようになることが、最終的な目標です。的外れなフォローではなく、求められているサポートを提供できるようにしましょう。そのためには、PDCAサイクルで継続的に改善することが重要です。一度実施して終わりではなく、毎年見直しながらブラッシュアップしていくことで、フォローの質が向上します。
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定着率を上げる社内文化の形成はCultiveへ
内定者と連絡が取れない場合、焦って内定取り消しを判断するのではなく、複数の連絡手段を試し、十分な期間を置いて対応することが重要です。法的リスクを避けるため、すべての連絡履歴を詳細に記録し、正当な事由があることを証明できる準備が必要となります。
音信不通を防ぐには、内定通知時の期限明示、内定承諾書の取得、定期的なフォロー、複数の連絡手段の確保が効果的です。内定者フォローの充実により、音信不通だけでなく内定辞退のリスクも大幅に減らせるでしょう。
Cultiveは、内定者が安心して入社できる環境づくりと、定着率を上げる社内文化の形成をサポートします。採用活動の最後まで、内定者に寄り添った対応ができる体制を整えるお手伝いをさせてください。
内定者とのコミュニケーションを改善し、音信不通のリスクを減らしたい方は、まずはお気軽にご相談ください。ともに、選ばれ続ける企業を目指しましょう。

































