共通認識を深める重要性とは?4つのメリット
ビジネスにおいて共通認識を深めることは、組織やチームの成果を大きく左右する重要な要素です。共通認識を深めることで得られる具体的なメリットとして、以下の4点が挙げられます。
- コミュニケーションの質が高まりやすくなる
- 信頼関係を深めやすくなる
- 意欲や主体性を高めやすくなる
- 業務を効率的に進めやすくなる
それぞれ詳しく説明します。
コミュニケーションの質が高まりやすくなる
共通認識を深める最大のメリットは、コミュニケーションの質が向上することです。チームのメンバー間で認識が共通していると、誤解や解釈のずれが発生しにくくなります。
例えば、プロジェクトの進行方針や重要度について共通の理解があれば、相手の発言や行動の意図を正確に理解しやすくなります。また、やり取りする際に、前提条件を毎回説明する必要もありません。
その結果、より円滑にコミュニケーションが取れるようになり、情報の共有もスムーズに進みます。時間の節約にもつながり、本来の業務により集中できる環境が整うでしょう。
信頼関係を深めやすくなる
共通認識を持つことで、チームメンバー間の信頼関係は深まりやすくなります。
これは、共通の目標や意識を共有できていれば、同じ方向を向いて取り組めているという安心感が生まれ、お互いへの信頼が自然と育まれていくためです。
さらに、一定の信頼関係が構築されれば、意見交換や協力がしやすくなり、より円滑なコミュニケーションが実現します。
こうしたコミュニケーションを通じて相手の考え方や価値観への理解が深まり、相互理解が進むことで、チーム全体の結束力は一層強くなるでしょう。
意欲や主体性を高めやすくなる
共通認識を深めることは、メンバー個人の意欲や主体性の向上にも効果的です。
共通の認識を持つことにより、組織やチームの目標をメンバー全員が理解できるため、進捗状況や達成の度合いを把握しやすくなります。自分の役割が組織全体の成功にどう貢献するかを実感できれば、モチベーションの向上が期待できます。
また、目標が明確であればやるべきことも自然と見えてくるため、誰かの指示を待つ必要もありません。結果的にメンバー一人ひとりの主体性が高まり、自発的な取り組みが増えていくでしょう。
業務を効率的に進めやすくなる
共通認識を深めることで、業務効率の大幅な改善も期待できます。
目標や役割が明確で、やるべきことが整理されていると、無駄な作業や重複した作業を避けながら、業務を効率的に進められます。メンバー全員が同じ方向性を理解しているため、判断に迷う場面も減少するでしょう。
また、説明や確認に使う時間も大幅に削減できるため、時間やエネルギーを有効に使えます。共通の認識を持たない状況と比較して、限られた時間のなかでより多くの成果を上げることが可能になり、組織全体の生産性向上につながります。
共通認識を深める7つの方法
ここでは、共通認識を深めるための具体的な取り組みを7つ紹介します。
- 目標を明確にして共有する
- 言葉の意味を明確にして共有する
- 自分の意見を率直に伝える
- 相手の意見や価値観を尊重する
- 役割分担を明確にする
- 進捗状況を共有する
- フィードバックを丁寧におこなう
共通認識は一朝一夕で深められるものではないため、ここで紹介する方法を仕組み化して取り入れたり、意識したりすることで、継続的に実践することが重要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
目標を明確にして共有する
共通認識を深める最初のステップとして、目標を明確にしてメンバー全員で共有する必要があります。
会社や部署、チームの目標を具体的かつ分かりやすく設定し、メンバー全員に周知しましょう。目指すものが明確であれば、個人や全体としてなにをすべきなのかも明確になります。
反対に目標が曖昧なままだと、メンバーそれぞれの考え方や価値観の違いから、行動や意識がバラバラになりやすくなります。
チーム全体の方向性を統一するために、まずは明確な目標設定と共有からはじめましょう。
言葉の意味を明確にして共有する
チーム内で使用する専門用語や重要な言葉の意味を統一することも大切です。
普段から使われている言葉でも、解釈が人によって異なっていると、意思の疎通が困難になってしまいます。特にビジネスの場面では、専門用語や略語などが原因で誤解が生じやすいものです。
そのため、チームが共通して使用する言葉の意味を明確に定義し、メンバー全員に共有する必要があります。言葉の意味を統一することで、スムーズなコミュニケーションが実現し、共通認識の形成につながります。
自分の意見を率直に伝える
共通認識を深めるためには、メンバー一人ひとりが積極的に発言することが必要です。お互いの意見を共有することは、共通認識を持つために欠かせないプロセスだからです。
遠慮して発言を控えすぎることは避けるべきですが、特定のメンバーばかりが発言している状況も好ましくありません。全員が考えや意見を率直に伝えやすい雰囲気づくりを心がけることで、バランスの取れた議論が可能になります。
建設的な議論を通じて、チーム全体でよりよい方向性を見つけられるでしょう。
相手の意見や価値観を尊重する
共通認識を深めるには、相手の意見や価値観を尊重する姿勢が欠かせません。そのため、自分の意見を伝えるだけでなく、相手の意見にも真摯に耳を傾けることが大切です。
たとえ自分と意見が異なったとしても、まずは相手の考えを受け止めます。そして、自分と違う意見を否定するのではなく、お互いの意見の良い部分を取り入れて落とし所を見定め、前向きな解決策を模索しましょう。
多様な視点を組み合わせることは、より質の高い共通認識の構築にも役立ちます。
役割分担を明確にする
チーム内での役割分担を明確にすることも、共通認識を深める重要な方法です。各メンバーの役割や責任を具体的に定義し、チーム全体で共有しましょう。
チームの目標における自分の役割が明らかになれば、やるべきことに集中しやすくなり、迷わずに行動できます。また、自身の役割に対する責任感も生まれ、意欲や積極性の向上にもつながるでしょう。
このような明確な役割分担により、チーム全体の効率性向上が期待できます。
進捗状況を共有する
定期的な進捗状況の共有も、共通認識を深めるために欠かせません。
チームがどの程度目標に近づけているのか、進捗状況を具体的かつ積極的に周知しましょう。各々が全体の進捗状況を把握できれば、課題や問題に関する意識も共有しやすくなります。
進捗状況を透明化することで、メンバー全員が他人事ではなく自分事として目標に取り組めるようになります。チーム全体の一体感も生まれ、より強固な共通認識の形成につながるでしょう。
フィードバックを丁寧におこなう
継続的で丁寧なフィードバックも、共通認識を深める重要な要素です。
定期的にメンバー間でフィードバックを交換し、相手の意見や状況への理解を深めましょう。フィードバックを重ねることで、問題に対するアプローチや改善案の考え方などが明確になってきます。
また、フィードバックを通じて得られた知見は、チーム内の重要な共通認識となります。この共通認識により、業務の効率化やチーム全体のパフォーマンス向上が実現できるでしょう。
共通認識を深めるのに役立つ6つのコミュニケーションテクニック
共通認識を深めるためには、日常的なコミュニケーションの質を向上させることが効果的です。ここでは、円滑なコミュニケーションに役立つ6つのテクニックを紹介します。
- 傾聴する
- 受容する
- 共感する
- アクティブリスニング
- 具体的に伝える
- シンプルに伝える
いずれもシンプルなテクニックなので、今日からぜひ活用してみてください。
傾聴する
コミュニケーションの基本となるのが、相手の話を丁寧に聞く傾聴スキルです。
相手の言葉を遮らずに最後まで聞き、相手の意図や主張を可能な限り正確に理解できるよう努力しましょう。必要に応じて、自分の理解と相手の意図が食い違っていないか質問して確かめることも大切です。
相手の考えを正確に汲み取れていれば相手は安心できますし、認識にずれがあれば調整するきっかけになります。
傾聴は相手への敬意を示すとともに、正確な情報共有をおこなうための基本的なスキルです。
受容する
相手の考えや価値観を受け入れる受容の姿勢も、コミュニケーションを通じた共通認識形成に欠かせません。
受容とは、相手の考えていることや感じていることを、そのまま受け止めることを意味します。ただし、受容は肯定を意味するわけではありません。肯定や否定は受容のあとに取られる行動です。
まずは相手の立場や状況を理解し、そのうえで建設的な議論を進めることが重要です。受容の姿勢があることで、相手も安心して自分の考えを表現しやすくなり、より深いコミュニケーションが可能になります。
共感する
可能な範囲で相手に共感できるよう心がけることも、信頼関係構築に役立ちます。
前提として、相手の考えや価値観を受け入れられていないと共感するのは難しくなります。必ずしも自分が同じ意見である必要はなく、まずは相手の立場に立って気持ちを汲み取ることを意識しましょう。
そうすることで相手への理解が深まるのと同時に、相手から得られる信頼感も増します。共感は相手との心理的距離を縮め、より積極的なコミュニケーションを促進する効果が期待できます。
アクティブリスニング
相手の意見や考えをより深く理解するための積極的な聞き方が、「アクティブリスニング」です。
傾聴や共感の姿勢を基本としつつ、より深く理解するために質問なども交えながら、積極的に深堀りしていきましょう。実践には練習や工夫が必要と感じる方もいますが、信頼関係の向上やコミュニケーションの活発化に大きく役立ちます。
適切な質問や意図の確認をおこなうことで、相手の真意を正確に把握できるようになります。結果として、より質の高い共通認識を築くことが可能になるでしょう。
具体的に伝える
聴く力も大切ですが、自分の考えを正確に伝える力も同じように重要です。
相手が理解しやすいよう、できるだけ具体的にわかりやすく伝えましょう。抽象的な表現よりも、具体例や数値を用いた説明のほうが相手に伝わりやすくなります。
順序立てた説明や論理的な表現を心がけることで、誤解や認識のずれを防げ、共通認識が形成されます。
シンプルに伝える
相手に伝わりやすくするために、できるだけシンプルになるよう話すことを心がけましょう。
お互いの共通認識となっている言葉を使い、不必要な専門用語などの使用は避けます。相手に伝わりやすい、理解しやすい表現を選ぶことも大切です。
事例を用いて説明したり、相手の立場や理解度に合わせた表現を用いることで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。
シンプルな表現は誤解を防ぎ、確実な情報共有を可能にします。
具体的な共通認識の例
ここでは、ビジネスにおける具体的な共通認識の例をまとめました。
- 会社の理念やビジョン
- 提供する商品の価値や意義
- 組織の目標や方針・戦略
これらの共通認識を明確に持つことで、メンバー全員が一体感を持ち、より高いパフォーマンスや連携力を発揮できるようになります。それぞれ詳しく説明します。
会社の理念やビジョン
会社の理念やビジョンは、組織全体が共有すべき重要な共通認識のひとつです。
会社が目指す理念やビジョンが共通認識となれば、メンバー全員がより会社に共感できるようになります。会社に対して肯定的な感情を持てれば、仕事に対する姿勢も自然と前向きになるでしょう。
積極的で前向きな姿勢は、個人の成長や作業効率にも大きく影響します。理念やビジョンが明確に共有されている組織では、メンバー一人ひとりが自分の役割や貢献の意味を理解しやすくなり、より高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
提供する商品の価値や意義
自社が提供する商品やサービスの価値と意義を共有することも、重要な共通認識です。
自身が扱う商品に対して価値や意義を感じ、それをチーム全体で共有できれば、自信を持って業務を進めやすくなります。商品への理解と愛着は、顧客対応や営業活動の質向上にも直結する事柄です。
また、仕事のやりがい(エンゲージメント)にもつながるため、意欲の向上や離職率の低下に大きく影響します。商品の価値を深く理解しているメンバーは、より情熱的に業務に取り組み、長期的に組織に貢献し続ける傾向があります。
組織の目標や方針・戦略
会社や部署、チームの目標や方針・戦略の共有も欠かせない共通認識です。
これらが明確に共有されていれば、メンバー全員が同じ方向を向いて仕事をしやすくなります。個々の業務が全体目標にどう貢献するかが把握できるため、仕事における一体感や連携力の向上などにも影響してきます。
また、明確な方向性があることで、日々の判断基準も統一され、より効率的で一貫性のある組織運営が可能になるでしょう。
まとめ
共通認識を深めることは、ビジネスにおいて成功を左右する重要な要素です。
共通認識が深まることで、コミュニケーションの質向上や信頼関係の構築、意欲や主体性の向上、業務効率化という4つのメリットを得られます。
組織全体の共通認識を深めるためには、本記事で紹介した7つの方法や、6つのコミュニケーションテクニックを活用すると効果的です。
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