内定辞退の実情を2025年データから解説
近年の新卒採用市場では、内定辞退は珍しいものではありません。複数社から内定を得たうえで比較検討する学生が増えており、企業側には従来以上に柔軟な対応が求められています。
ここでは、最新の調査データをもとに、内定辞退の実態を数字で確認します。
- 2024年卒の内定辞退率
- 複数内定を保有する学生の割合
- 内定取得後に辞退する学生の割合
2024年卒の内定辞退率は63.6%
2024年卒を対象とした調査では、内定辞退率は63.6%とされています。これは、内定を得た学生の過半数以上が、最終的にどこかの企業を辞退していることを意味します。
前年度と比較しても高い水準が続いており、内定式前後や入社直前まで辞退が発生する傾向も見られます。企業側は、内定を出した段階で一定数の辞退が出ることを前提に、採用計画を立てる必要があります。
参考:就職プロセス調査(2024年卒)「2024年3月度(卒業時点) 内定状況」
新卒内定取得者の53.5%が2社以上の内定を保有
新卒内定取得者のうち、53.5%が2社以上の内定を持っているというデータもあります。平均の内定保有社数は2.05社で、2社以上の内定を持つ学生は65.7%にのぼります。
この結果から、複数内定を比較したうえで進路を決めることが、学生にとって一般的になっていることがわかります。売り手市場の影響により、学生が企業を選ぶ立場にある点は、企業側も理解しておく必要があります。
参考:就職プロセス調査(2026年卒)「2025年3月18日時点 内定状況」
新卒大学生の31.3%が内定が出た企業を辞退
新卒大学生のうち、31.3%が内定を出した企業を辞退しています。内訳を見ると、1社を辞退した学生が20.5%、2社以上を辞退した学生が10.8%です。
およそ3人に1人が内定辞退を経験している計算になり、内定を出しても約3割は辞退される可能性があると考えられます。企業側が「内定=入社確定」と捉えるのは現実的ではなく、辞退を前提とした採用設計が求められます。
参考:就職プロセス調査(2026年卒)「2025年3月18日時点 内定状況」
内定辞退の原因ランキングTOP5
内定辞退が起こる背景には、学生側の事情や企業側との認識のずれがあります。
ここでは、代表的な内定辞退の原因をランキング形式で整理します。
- 第1位 より好条件な他社に内定した
- 第2位 労働条件や配属先への不満がある
- 第3位 社風や企業文化が合わない
- 第4位 求人内容と実態にギャップがある
- 第5位 面接時の社内の雰囲気が悪かった
第1位 より好条件な他社に内定した
最も多い理由は、より好条件な他社に内定したケースです。学生は複数企業に応募し、いわゆる滑り止めとして内定を保持しながら、第一志望の結果を待つ傾向があります。
たとえば、大手企業を第一志望としつつ、中堅企業の内定を確保しておくといった行動は一般的です。そのため、志望度が低い企業ほど辞退されやすくなります。一方で、選考過程や面談を通じて志望度が逆転するケースもあります。
企業側としては、選考中から自社の魅力を継続的に伝え、比較対象になった際に選ばれる存在になることが重要です。
第2位 労働条件や配属先への不満がある
給与水準や勤務地、転勤の有無、残業時間、福利厚生などへの不満も、内定辞退の大きな要因です。近年は、ワークライフバランスを重視する学生が増えており、条件面の比較はよりシビアになっています。
他社と比べて条件が劣ると判断されると、辞退につながりやすくなります。単に待遇を引き上げるだけでなく、条件を正確かつ具体的に伝えることが重要です。曖昧な説明は、後の不信感につながります。
第3位 社風や企業文化が合わない
社風や企業文化のミスマッチも、内定辞退の理由として多く挙げられます。体育会系の雰囲気が合わない、上司との距離が近すぎる、女性管理職が少なく将来像が描けないといった違和感を覚えるケースです。
こうした不安は、選考過程や職場見学、社員とのやり取りの中で生まれます。社風のミスマッチは、必ずしも企業側だけの責任ではありませんが、事前に正直に伝えることで適切なマッチングにつながります。
第4位 求人内容と実態にギャップがある
求人票や説明内容と実際の業務や配属が異なる場合、内定辞退につながりやすくなります。希望していた配属先と違う、業務内容が聞いていた話と異なる、「転勤なし」と聞いていたのに実際は転勤があるといったケースです。
職業安定法では、労働条件の明示が義務付けられており、虚偽の記載は認められていません。正確な情報提供と、内定者との丁寧なコミュニケーションが不可欠です。
第5位 面接時の社内の雰囲気が悪かった
面接時に感じた社内の雰囲気が、辞退の決定打になることもあります。調査では、面接時の印象が理由となった割合が55.8%にのぼるという結果もあります。
面接官の態度が高圧的だった、受付やすれ違う社員の対応が悪かった、オフィスの雰囲気が暗かったなど、学生は細かな点まで見ています。面接は企業が学生を評価する場であると同時に、学生が企業を見極める場でもあります。
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企業ができる内定辞退を防ぐための実践施策
内定辞退を減らすためには、引き止めよりも予防の視点が重要です。
採用プロセス全体を見直すことで、内定承諾率の向上が期待できます。
- 選考過程での魅力訴求強化
- 労働条件の明確化
- 面接官の対応品質向上
- 内定者フォローの充実
- 内定者同士や経営陣との接点づくり

選考過程で自社の魅力訴求を強化する
選考中に志望度を高めることは、内定辞退防止に直結します。先輩社員との座談会や、会社説明会での具体的な情報共有、選考フィードバックで強みを伝えるなどの施策が有効です。
滑り止めとして応募された場合でも、魅力が伝われば第一志望に変わる可能性があります。
労働条件を明確にして募集要項にも明記する
給与や勤務地、転勤の有無、残業時間、福利厚生などは、募集要項に明確に記載することが重要です。不利な条件であっても正直に伝えることで、入社後のギャップを防げます。
面接官に丁寧な言葉遣いと態度を徹底させる
面接官は企業の顔です。高圧的な態度や不適切な質問を避け、傾聴姿勢を身につけるためのトレーニングが欠かせません。受付や他の社員の対応も含め、全社的な意識共有が必要です。
定期的な内定者フォローで不安を拾い上げる
内定承諾後は、定期的な連絡や相談窓口の設置によって不安を解消します。放置すると志望度が下がりやすいため、適度な距離感を保ちながらフォローを続けることが重要です。
内定者研修で同期や経営陣との交流の機会を設ける
内定者研修や交流会は、企業理解を深め、帰属意識を高める効果があります。同期とのつながりが、入社後の安心感にもつながります。
社内報や情報発信で内定者の理解を深める
社内ニュースや社員インタビューなどを継続的に発信することで、内定者に企業の一員としての実感を持ってもらえます。一方通行ではなく、質問を受け付ける姿勢も大切です。
内定者アルバイト制度を導入する
内定者アルバイトは、実務を体験することでミスマッチを早期に防げる制度です。導入する際は、労働法規を守り、無理のないシフト設定を行う必要があります。
入社前のオンボーディング施策ならCultiveへ
内定辞退を防ぐには、採用から入社前まで一貫したオンボーディング設計が欠かせません。内定辞退や定着に課題を感じている場合は、採用プロセス全体を見直すことが改善への第一歩になります。
自社文化や理念を訴求し、価値観がマッチする候補者との出会いを目指し、入社までのコミュニケーションを重ねてみましょう。
また、Cultiveでは、企業文化の浸透や内定者フォローを含めたオンボーディングのお手伝いをしています。
新入社員の定着やエンゲージメント対策に課題をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。

































